「偏屈」の意味とは「偏屈」と「屁理屈」の違い・類語・英語・対義語
「偏屈」と言われるとまるで老人の様で良いイメージはありません。
一体どの様な意味があるのか、使い方や類語なども紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「偏屈」の意味とは?
- 「偏屈」の読み方?
- 「偏屈」の英語(解釈)
- 「偏屈」の対義語
- 「偏屈」の言葉の使い方
- 「偏屈」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「偏屈」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「偏屈」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「偏屈」と「屁理屈」の違い
「偏屈」の意味とは?
「偏屈」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。
- 「素直でない性格・ひねくれもの」の意味
- 「頑固で偏った考え方をする人」の意味
- 「偏屈」の言葉の成り立ち
「素直でない性格・ひねくれもの」の意味
すぐにネガティブ思考で考えたり、素直に人の言葉を受け止められない性格のことを云います。
人から褒められても「本当はそうは思っていないのだろう」と思ったり、「そんなことはないですよ」と反論したりします。
わざわざ言わなくてもいいようなことを言って周囲の雰囲気を悪くしたり、他人の意見に同調せずに一人だけ浮いた存在になる人のことです。
孤立しても平気で、誰にも理解して貰えなくても構わないと思っています。
「頑固で偏った考え方をする人」の意味
自分がこう思ったら周囲の意見に耳を貸さず、最後まで貫いてしまう人のことを言います。
自分で「間違っているだろうな」「敵を作るだろうな」と思っていても、一度こうと決めたら簡単にくつがえすのはいさぎよしとしないのです。
融通が利かずに不利な立場に追い込まれたり損をすることも多いのですが「それが我が人生」と思っているので変えようとは思わないのです。
高齢者に多く、自分の人生に価値を見出す為に他の考え方を受け付けない性格です。
「偏屈」の言葉の成り立ち
「偏屈」の「偏」は「かたよる」「均衡がとれていない」という意味があり「偏食」「偏見」などに使われています。
「屈」は「折り曲がって伸びない」という意味で、「卑屈」「退屈」などに使われています。
この2つの漢字が組み合さり「かたよっていてまっすぐ伸びない性格=頑固でひねくれもの」という意味で使われる様になりました。
「偏屈」の読み方?
「偏屈」は「へんくつ」と読みます。
何となく感覚で読める人も多いでしょう。
なお、人によっては「偏窟」と表記する場合もありますが、一般的には「偏屈」が使われます。
「偏屈」の英語(解釈)
「偏屈」の英語はどの様な偏屈なのかにより様々な表現があります。
日本人にも使い易く応用範囲の広い表現は以下の通りです。
- “bigoted”
- “Stubborn”
“bigoted”
“bigoted”は「偏屈」を直訳した表現で最も一般的で、高齢者で偏屈な人などに使います。
“She is so bigoted old person.”で「彼女は偏屈ばあさんだ」になります。
“Stubborn”
“stubborn”は「頑固・偏屈」という意味の表現です。
“What a stubborn person he is!”で「彼は何て偏屈な奴なんだ!」になります。
「偏屈」の対義語
「偏屈」の対義語は「素直」です。
性格が温和で人の言ったことをそのまま受け入れられる人のことです。
考え方も柔軟で、臨機応変に対応できます。
「偏屈」の言葉の使い方
「偏屈」は名詞で、文末に動詞として使う時には「偏屈だ」になります。
特徴的な使い方として「偏屈」の後に名詞を付けてさげすむ言葉として使えます。
「偏屈おやじ」「偏屈女」など、普通名詞から固有名詞まで使えますが、この場合は悪口になります。
本人に知られると関係が悪くなるので注意しましょう。
また、自分で自分のことを「偏屈ですから」と言う人がいますが、それは「ひねくれている」という意味だけではなく個性的であることをアピールしていると言えます。
気付いてあげてさりげなくフォローすると相手からの好感度が高くなります。
「偏屈」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「偏屈」を使った言葉と解釈を幾つか紹介します。
- 「偏屈者」【へんくつもの】
- 「偏屈じじい」【へんくつじじい】
- 「偏屈な男」【へんくつなおとこ】
「偏屈者」【へんくつもの】
いつもひねくれたことを言ったり、人と一緒に行動しない性格の人を言います。
誤解されたままでもいいと思っていて、人に愛想よくして友達を作ろうとは思いません。
職場では扱いにくい人物ですが、ただ性格がひねくれているというだけで、特に大きなトラブルを起こす様なことはしないのが特徴です。
「偏屈じじい」【へんくつじじい】
人は年を取ると恐れるものがなくなり、考え方が偏って段々と頑固になるものです。
古き良き時代が頭から離れずに、現代的なものや考え方にことごとく反発する様になります。
近所づきあいも嫌いで人と顔を合わせてもろくに挨拶もせずに文句を言うこともあります。
但し悪い人かというとそうではなく、人の愛情や親切に飢えている面も持っています。
「偏屈な男」【へんくつなおとこ】
人の言うことに対していちいち突っ込み、相手が気に入らない時にはあからさまに態度に表します。
冗談なのか本気で怒っているのか分からない様なことを言って相手を黙らせたり、一方的に自分の有利な方向へ話題を持っていく様な人のことを言います。
「偏屈」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「偏屈」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「偏屈」を使った例文1
- 「偏屈」を使った例文2
「偏屈」を使った例文1
「あの偏屈な彼と付き合っている彼女は偉い」
ひねくれもので素直ではない男性なのに、何故か彼女持ちです。
扱いにくい性格なのによく付き合っていられると彼女に対して感心していることを表します。
「偏屈」を使った例文2
「偏屈じいさんだが優しい面もある」
頑固ですぐに怒る典型的な高齢者なのですが、実は孫には優しかったり動物好きなど、優しい面もあることを表しています。
「偏屈」の類語や類義表現(シソーラス)
「偏屈」の類語を以下に紹介します。
- 「唐変木」【とうへんぼく】
- 「へそ曲がり」【へそまがり】
「唐変木」【とうへんぼく】
「とうへんぼく」と読みます。
意味は「融通の利かない人、変わった人のことをあざわらう言葉」です。
語源は「唐の国から伝わった変な樹木のこと」です。
「へそ曲がり」【へそまがり】
意味は「ひねくれていて素直でないこと」です。
語源は「本来あるべきへその位置が曲がっていること」で、ここから「ひねくれる」という意味になりました。
「偏屈」と「屁理屈」の違い
「偏屈」は「ひねくれていて素直でない性格」のことです。
「屁理屈」は「屁の様に軽々しく筋の通らない理論」のことです。
性格と理論ですので、性質が全く違います。
「偏屈」な人がむりやりこじつけて説明するのが「屁理屈」になると思うと分り易いでしょう。
「偏屈」は「ひねくれていて頑固な性格」のことです。
しかし「偏屈」だからと言って悪い人とは限りません。
人に対して「偏屈」と思ったり悪口を言う時には、その人にも良い面があることを忘れない様にしましょう。