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「堪えない」の意味とは「堪えない」と「耐えない」の違い・類語・英語

「〇〇するに堪えない」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

「堪えない」とはどの様な意味なのでしょうか、「耐えない」との違いについても紹介します。

堪えない

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「堪えない」の意味とは「堪えない」と「耐えない」の違い・類語・英語>


目次

  • 「堪えない」の意味とは?
  • 「堪えない」の読み方
  • 「堪えない」の英語(解釈)
  • 「堪えない」と「耐えない」の違い
  • 「堪えない」の言葉の使い方
  • 「堪えない」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
  • 「堪えない」を使った例文や短文など(意味を解釈)
  • 「堪えない」の類語や類義表現(シソーラス)


「堪えない」の意味とは?

「堪えない」の意味とは?

「堪えない」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。

  • 「気持ちや感情を抑えられない」の意味
  • 「その状態を維持できない」の意味

「気持ちや感情を抑えられない」の意味

何かに対して強く思うことがあり、本来ならば気にしなければ良いのですが、どうしても心が動いてしまい感情的になってしまうことを言います。

こちらの場合はあくまで内面的に発生した気持ちに対して強く感じることを表していて「憂慮に堪えない」「慙愧に堪えない」などに使われます。

「その状態を維持できない」の意味

外部から何かの行為を受けてそれが自分にとって負担になり、対応できなくなっている状態を表します。

精神的に大きなストレスを感じて同じ状態を維持できずに、何かの回避行動を取ることもあり「聞くに堪えない」「見るに堪えない」などに使われます。



「堪えない」の読み方

「堪えない」の読み方

「堪えない」「たえない」と読みます。

文章によっては「耐えない」と表記されることもあります。

但し、この読み方は「何かを我慢する」という意味の時です。

「堪えない」「堪える」の否定形ですが、元の文が「堪える・応える」「こたえる」と読む時には「堪えない」「こたえない」と読むのです。

「こたえない」と読む時の意味は「効果がない」になります。

「たえない」「こたえない」の使い分けは前後の文章で判断するしかありません。

以下に幾つか「たえない」として使われる定型フレーズを紹介しますので参考にして下さい。

「堪えない」の英語(解釈)

「堪えない」の英語(解釈)

「堪えない」の英語には様々な表現がありますが、以下に代表的なものを紹介します。

  • “can't bear/stand to look at”
  • “be overwhelmed with shame”

“can't bear/stand to look at”

“can't bear/stand to look at”「見るに堪えない」という意味があります。

“bear”より“stand”の方が口語として良く使われていて「見ながら立っていられない」という意味で日本人にも理解し易いでしょう。

“I can't bear/stand to look at myself in the picutres.”「自分の写真は見るに堪えない」になります。

“be overwhelmed with shame”

“overwhelmed with shame”「恥ずかしくて圧倒される=慙愧に堪えない」という意味になります。

“I am overwhelmed with shame.”「私は慙愧に堪えない」となります。



「堪えない」と「耐えない」の違い

「堪えない」と「耐えない」の違い

「堪えない」という漢字は「耐えない」と表記することもあります。

意味はどちらも「持ちこたえられない・我慢できない」と同じです。

結論としてはこの意味ならば「堪えない」でも「耐えない」でも間違いではないのです。

但し、一般的な文章の中では「耐えない」を使うことが多く、理由は教科書にも良く出てくるので良く知られているからです。

「堪」が付く言葉と言えば「堪忍」くらいしか浮かばないのではないでしょうか。

これに対して「耐」「忍耐」「耐熱・耐火」「耐用年数」など数多く思い浮かぶでしょう。

このことから基本的に「耐える」を使うという傾向があるのです。

しかし実際に「耐えない」「耐えない」はニュアンスが違うのです。

「堪えない」は同じ我慢するでも「価値や能力がなくて持ちこたえられない」という意味が強くなります。

「耐えない」「精神的・物理的に持ちこたえられない」という意味が強いのです。

能力的な理由で我慢できない時には「堪えない」、ひたすら我慢できない時には「耐えない」と、自然に使い分けられていることもあるのです。

「堪えない」の言葉の使い方

「堪えない」の言葉の使い方

「堪えない」は動詞「堪える」の否定形ですので、文末に普通に使えます。

但し、一般的に「〇〇に堪えない」と、何に対して「堪えない」のかを表記して使います。

代表的なフレーズは下記に紹介します。

また、「〇〇に堪えない××」と、後に続く名詞を修飾する時にも使われます。

自分の感情を表す言葉ですので上手に使えば気持ちを相手に伝えられます。

「堪えない」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)

「堪えない」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)

「堪えない」を使った言葉と解釈を紹介します。

  • 「見るに堪えない」【みるにたえない】
  • 「感に堪えない」【かんにたえない】
  • 「寒心に堪えない」【かんしんにたえない】
  • 「憂慮に堪えない」【ゆうりょにたえない】
  • 「心痛に堪えない」【しんつうにたえない】
  • 「業務に堪えない」【ぎょうむにたえない】

「見るに堪えない」【みるにたえない】

目の前の光景があまりにも悲惨だったり、相手があまりにも可哀想だと思った時に「とても見ていられない」という意味で使います。

実際に事故や災害の現場から人が落ち込んだ様子まで幅広く使えます。

「感に堪えない」【かんにたえない】

ものごとに非常に深く感動してその気持ちを表さずにいられないことで、良い意味として使われます。

「感無量」の同義語として使われます。

「寒心に堪えない」【かんしんにたえない】

恐れや不安を感じて思わずゾッとしてしまう様子のことです。

「寒心」とは「不安・恐怖」のことで「心が冷たくなる状態」から来ています。

「憂慮に堪えない」【ゆうりょにたえない】

とにかく心配で仕方が無い様子のことです。

自分ではどうしようもなく、ひたすら悩んだり不安に思う状態を表しています。

「心痛に堪えない」【しんつうにたえない】

不安や悩み事が大きくて辛い気持ちがこらえきれない様子のことです。

心身共に大きなストレスを感じて弱っている時に使われます。

「業務に堪えない」【ぎょうむにたえない】

自分に与えられた仕事が能力を上回っていてこなせずに、業務が遂行できない状態のことです。

この段階で何らかの対応をしないと段々と抑うつ状態になる可能性があります。

「堪えない」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「堪えない」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「堪えない」を使った例文と解釈を以下に紹介します。

  • 「堪えない」を使った例文1
  • 「堪えない」を使った例文2

「堪えない」を使った例文1

「彼の失恋は聞くに堪えない酷い話だ」

その男性は女性から裏切られたり利用されたりした挙句見捨てられたのでしょう。

別れた理由を聞いている方がイラッとして我慢できなくなってしまう程であることが伝わります。

「堪えない」を使った例文2

「面接で失敗したらくしくて不安に堪えない顔をしている」

面接でうまく答えられなかったり手ごたえがなかったりして、不安でいたたまれない表情をしていることを表します。

「堪えない」の類語や類義表現(シソーラス)

「堪えない」の類語や類義表現(シソーラス)

「堪えない」の類語は以下の通りです。

  • 「忍びない」【しのびない】
  • 「辛い」【つらい】

「忍びない」【しのびない】

「とても我慢ができない様子」です。

「見るに忍びない」「聞くに忍びない」など言い換えとして使えます。

「辛い」【つらい】

「苦しさでたえがたい様子」です。

否定形ではないのですが「見るに辛い」「聞くに辛い」など言い換えとして使えることもあります。

icon まとめ

「堪えない」「気持ちや感情を我慢できないこと」という意味で、良い意味にも悪い意味にも使われます。

単なる「嫌だ」よりも強い気持ちが伝わる言葉ですので、どうしても感情を伝えたい時に使ってみましょう。