「恫喝」の意味とは?「恫喝」と「脅迫」「恐喝」の違い・英語・類語
「恫喝」という言葉はとても迫力があるイメージです。
正しく理解したり使ったりできる様に、意味や使い方などについて知っておきましょう。
目次
- 「恫喝」の意味とは?
- 「恫喝」の読み方
- 「恫喝」の英語(解釈)
- 「恫喝」と「恐喝」の違い
- 「恫喝」の言葉の使い方
- 「恫喝」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「恫喝」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「恫喝」の類語や類義表現
- 「恫喝」と「脅迫」の違い
「恫喝」の意味とは?
「恫喝」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。
- 「恫喝」の意味
- 「恫喝」の言葉の成り立ち
「恫喝」の意味
「恫喝」の意味は「誰かを怒鳴るなどしておどしおびえさせること」です。
怒鳴ったり、相手の不安をあおる様なネガティブなことを言ったりして恐がらせる行為を言います。
誰かが仕事でミスをした時に「辞めちまえ」などと怒鳴りつけたり、親が子供に「言うことをきかないなら出て行け」と怒ったりすることを言うを分り易いでしょう。
「恫喝」は基本的に言葉にる行為で、実際に刃物や暴力を振るうことではありません。
「恫喝」の言葉の成り立ち
「恫喝」の意味をより理解する為に言葉の成り立ちを知っておきましょう。
「恫」は「心」と「空っぽの状態」という意味が組み合わさった漢字で、「心に穴が開く=おそれる」という意味があります。
「喝」は「言葉」と「祈祷(きとう)」という意味が組み合さった漢字で「大声」という意味があります。
座禅や気合いを入れる時に「喝!(かつ)」と叫ぶのはこれに由来しているのです。
これらの2つの漢字が組み合わさり「大声で人をおびえさせる」という意味で使われる様になりました。
「恫喝」の読み方
「恫喝」は「どうかつ」と読みます。
難しい漢字ですので書き間違いに注意しましょう。
「恫喝」の英語(解釈)
「恫喝」の英語には以下の表現があります。
- “threat”
- “intimidate”
“threat”
“threat”は「脅す」という意味があります。
強い口調で言った様子が伝われば「恫喝」という意味になります。
“He threated to kill me, but it didn't work. ”で「彼は『殺してやる』と言って恫喝したが私には効果がなかった」となります。
“intimidate”
“intimidate”は「暴力的に脅す」という意味があります。
“He intimidated her aimed at fleecing. ”で「彼はお金を巻き上げる為に彼女を恫喝した」になります。
「恫喝」と「恐喝」の違い
「恫喝」とよく似た言葉に「恐喝」があります。
「恐喝」は「きょうかつ」と読み、「人をおどして言うことをきかせること」「人をおどして金品を巻き上げること」を言います。
脅す内容は相手の弱みに付け込んだり、下手をすると殺されるかもしれないと思うまで怯えさせたりするのです。
「恫喝」は「相手の不安をあおる様なことを言っておびえさせること」です。
「恐喝」は「相手の弱みに付け込んだり危害を加えられるのではないかと怯えさせること、金品を巻き上げる行為を伴うことが多い」となります。
「恫喝」よりも「恐喝」の方がたちが悪く、内容によっては犯罪として扱われることがあります。
「恫喝」の言葉の使い方
「恫喝」は名詞で、動詞形は「恫喝する」になります。
「恫喝」は言葉による暴力で「パワハラ」の一種となります。
但し、「恫喝している本人」には相手を怯えさせたるつもりはない場合があります。
人に対して「恫喝した」と使う時には、どの様な状況でどんな言葉で、相手がどの様に感じたのかまで把握しておく必要があります。
また、意味の章で紹介した様に「恫喝」は言葉のみで、暴力や嫌がらせ、ゆすり、たかりなどの行為は含まれません。
「恫喝」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
「恫喝」を使った言葉と解釈を幾つか紹介します。
- 「恫喝を受ける」【どうかつをうける】
- 「大声で恫喝」【おおごえでどうかつ】
「恫喝を受ける」【どうかつをうける】
誰かから怒鳴られたり、不安になる様なことを言われることです。
「受ける」という言葉には「自分の意志に関係なく、相手から何らかの行為や働きかけをこうむること」という意味があります。
つまり、自分には身に覚えがないのに一方的に相手から怒鳴られたり嫌なことを言われる様子を表しているのです。
オフィスや接客業の人は経験することが多く「今度ミスしたら辞めてもらうよ」「あんたをクビにさせてやる」など言われたりします。
「大声で恫喝」【おおごえでどうかつ】
「恫喝」には乱暴な言葉や態度という意味も含まれていますが、「大声で」が付くことでかなりヒステリックに怒鳴ることを表しています。
感情的になり、怒鳴りながら相手を非難したり怯えさせる様なことを言うというニュアンスがあります。
「恫喝」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「恫喝」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「恫喝」を使った例文1
- 「恫喝」を使った例文2
「恫喝」を使った例文1
「あの部長はすぐに恫喝して部下に言うことを聞かせようとする」
パワハラの典型的な例です。
「昇進したくないのか」などと言いながら自分の思い通りに部下を動かそうとする部長がいます。
誰かが勇気を持って告発するのを待っている状態です。
「恫喝」を使った例文2
「訪問セールスを断ったらいきなり業者に恫喝された」
自宅に訪問してきて「金を売って下さい」などと言う業者がいます。
「ありません」というと「そんなはずない」と言って食い下がったり、大きな声を出して恐がらせて無理矢理貴重品を引き取ろうとする悪質な業者がいるので注意しましょう。
「恫喝」の類語や類義表現
「恫喝」の類語を幾つか紹介します。
- 「威嚇」【いかく】
- 「凄む」【すごむ】
「威嚇」【いかく】
意味は「自分が強い力を持っていることを強調して相手をおどかすこと」です。
「威嚇」の行為は人間だけではなく動物や昆虫が敵に対してする行為です。
「凄む」【すごむ】
意味は「相手を恐がらせる様な態度を取ること」です。
特に相手に対して何も言わなくても、にらんだりぶしつけな態度を取ったりする時に使います。
「恫喝」と「脅迫」の違い
「脅迫」も「恫喝」とよく似た意味を持ちます。
「脅迫」は「きょうはく」と読みます。
意味は「危害を加えることを伝えて相手をおどすこと」です。
例えば「今日中に借金を返済しないと娘をさらうぞ」と言う様な場合で、本当に実行したら犯罪になる様なことをほのめかします。
これは相手に対して何かの要求があり、従わせる為に行うものです。
「恫喝」は特に相手に何かを要求する行為ではありませんので、そこが違う点です。
相手を従わせる為に「恫喝」をした場合、「脅迫」になると言って良いでしょう。
「恫喝」はオフィスでも良く見られる行為です。
言われる方も聞いている方も良い気持ちにならないので、しない様に心がけたいものです。
「恫喝」が度を超えると「恐喝」「脅迫」になると覚えておきましょう。