「不便」の意味とは?「不便」と「不憫」の違い・英語・対義語・類語
不便は、度々見聞きする言葉です。
それほど意識せずに使っていると思いますが、詳しい使い方まで覚えて損はありません。
目次
- 「不便」の意味とは?
- 「不便」の読み方
- 「不便」の英語(解釈)
- 「不便」の対義語
- 「不便」の言葉の使い方
- 「不便」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
- 「不便」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「不便」の類語や類義表現
- 「不便」と「不憫」の違い
「不便」の意味とは?
この「不便」は、「便利ではない」ことに対して、そして、「都合が悪い」という意味でも使える言葉です。
前者として使うことは多いながら、後者としてあまり意識して使うことはないでしょう。
しかし、意外とその意味になる使い方もしているもので、「不便な環境だ」という言い方がそれに当たります。
「便利ではない」という意味と同時に、何かと「都合が悪い」とも思っている時に、自然とその意味も含めて(または、自然とそちらの意味が主になって)使っていると考えていいでしょう。
「不便」の読み方
「不便」は、「ふべん」と読む言葉です。
「ふびん」とも読めてしまいますが、そのように読む別の言葉があるので、そちらと間違えないように注意してください。
この「ふびん」と読む言葉については、詳しく後述します。
「便利ではない」という意味を表現する為に、後に続く言葉の打ち消しになる(否定する)「不」が「便利」の前に付けた「不便利」という言葉があります。
意味は「不便」と全く一緒で、それを略したものがこの「不便」です。
「不便」の英語(解釈)
不便を英語で表現すると、“inconvenience”となります。
“convenience”は、「便利」という言葉で、「コンビニ」の略称でもお馴染みです。
あのコンビニもまた、「便利なお店」という意味でそのように呼ばれています。
この「便利」を意味する“convenience”に、それの打ち消しになる“in”が付いて、“inconvenience”としています。
この言葉の作りは、上で説明した「不便利」(不便)と同じで、英語にも日本語と似たところがあるといういい例でしょう。
「不便」の対義語
「不便」という言葉自体が、「便利」の逆の意味なので、この「便利」がそのまま対義語になります。
これほど分かりやすい対義語もなかなかありません。
「不便」が「都合が悪い」とも使えるように、この「便利」も「都合がいい」という意味で使うことができる言葉です。
「便利な電車があった」と言えば、自分にとって都合がいい電車だという意味に解釈できます。
「不便」の言葉の使い方
不便は、何かが便利ではない、または、それでは都合が悪いと思った時に使う言葉です。
前者の意味では簡単に使える言葉ですが、後者の意味は多少ひねって使うことも多いです。
例えば、「あの会社とは不便な関係にある」と言うと、お互いに都合の悪い関係だという意味になります。
簡単な言葉ながら、このような使い方もできると覚えておきましょう。
「不便」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
不便を使った、よく見聞きする表現です。
「不便さ」とすると、多少意味が変わるという点も知っておくと、この言葉をうまく使うことができるでしょう。
- 「不便を感じる」
- 「不便益」
- 「不便さを感じる」
「不便を感じる」
「便利ではない」とそのままの意味で使っている形です。
また、「都合が悪い」と解釈する場合もあり、「このバスには不便を感じる」と使うと、自分にとって便利ではない、あまり都合がよくない(本当に降りたい所で留まらない、などの理由から)という解釈になります。
意味を限定しておらず、分かりやすいことから、「不便」の一番分かりやすい使い方だと言っていいでしょう。
「不便益」
「ふべんえき」と読む言葉で、「不便なことから利益を得る(もしくは、それによって得た利益)」という意味になります。
「不便なことで利益があがる」という意味から作られた言葉で、そんなことがあるのかと考えてしまいますが、遭えてそれを狙おう(不便だということが、逆に利用できる)という考え方も最近では増えているようです。
簡単な例として、駅までちょうどいいバスもないので、20分以上も歩く場所に住んでいるといった場合、大抵は「不便」だと表現していいでしょう。
しかし、その為に毎日駅まで往復していたことで、自然と足腰が丈夫になり、「不便」が幸いして、(足腰が丈夫になったという)利益が生まれたと表現することができます。
もう少し深い解釈もありますが、そういったことだと覚えておけば間違いはありません。
「不便さを感じる」
この「不便さ」とすると、「使い勝手が悪い」という意味が強くなります。
よって、「不便さを感じる」は、「使い勝手に悪さがある」という意味だと考えていいでしょう。
この意味から、「このコントローラーには不便さを感じる」などという形で使われます。
「不便」を使った例文や短文など(意味を解釈)
不便を使った例文や短文です。
どれも似た意味ですが、使われ方によって多少ニュアンスが違うという点がこの言葉の特徴です。
- 「不便」を使った例文1
- 「不便」を使った例文2
「不便」を使った例文1
「これだけ不便な環境もそうはないだろう」
鉄道やバスが一切通っていない、日用品を購入する場所さえほとんどないといった田舎などに対して使われることがある表現です。
この使い方では、「便利ではない」、「都合が悪い」のどちらの意味も大いに含んでいると考えてください。
「不便」を使った例文2
「毎日この坂を登らなくてはいけないのは不便で仕方がない」
自分にとって、それだけ「都合が悪い」と言いたい例になります。
こちらの意味を強調して使いたい場合にはこのような形がいいでしょう。
もちろん便利でもないことにも変わりはなく、どのように使っても、ニュアンスこそ代わりますが、基本的な意味はどれも同じだと思っておいていいでしょう。
「不便」の類語や類義表現
不便と似た意味で使える言葉や表現です。
どれも日常で普通に使われる言葉や表現です。
- 「不都合」【ふつごう】
- 「支障がある」【ししょうがある】
「不都合」【ふつごう】
「不都合だ」と使えば、ほとんど「不便だ」と同じ意味になります。
「不便」を「都合が悪い」の方の意味で使う場合の置き換えとして利用できる言葉で、「便利ではない」という意味でも使えないこともありません。
「支障がある」【ししょうがある】
「〜をするには支障がある」とすると、何か不都合な点がある為に〜が行えない(行いにくい)といった意味になります。
「便利ではない」とも使えないこともなく、こちらも類義表現だと考えて構いません。
「不便」と「不憫」の違い
「不憫」(ふびん)は、「不便」の読み間違えから間違って使ってしまうこともある言葉で、「かわいそう」、「哀れ」という意味の言葉です。
「両親を早くに亡くし、とても不憫な生活だった」といった使い方になる言葉で、「不便」とは全く意味が異なります。
「不便」と使いたいところをこの「不憫」にしてしまうと、文章としての意味が通らなくなってしまうので注意してください。
不便は、改めて考えてみると、大きな意味としては1つですが、使い方によって多少ニュアンスを変えて用いることのできる便利な言葉だと言えるでしょう。