「自発的」の意味とは?対義語、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「自発的」という言葉を知っている方は多いですが、「自主的」とどう違うのか、すぐに説明できる人は少ないかもしれません。
ここでは「自発的」という言葉について、意味や英語なども含め、ご紹介していますので、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「自発的」の意味とは?
- 「自発的」の読み方・漢字
- 「自発的」の英語
- 「自発的」と「自主的」の違い
- 「自発的」の言葉の使い方
- 「自発的」を使った言葉と意味を解釈
- 「自発的」の類語や類義表現
- 「自発的」の対義語や反対の表現
「自発的」の意味とは?
「自発的」とは、自ら進んで物事を行うこと、誰かに命令されるのでなく、自分で考え行動を起こすことをいいます。
「自ら発する」と書くことからも、「自発的」が、他者の意見に左右されるのでなく、自らが考え、発信、発言などをするようすがわかります。
大人になったり社会人として貢献するなかで、「自発的」であるというのは、必要な素養のひとつともいえるでしょう。
「自発的」の読み方・漢字
「自発的」は「じはつてき」と読みます。
「自発的」は、「自発」という言葉に「的」という接尾辞のついた形で、「自発」とは、他者から指示されてはじめて物事を行うのでなく、自らの意思で進んで行うことを意味するほか、文法上では、自然とそうなること、という意味でも使われています。
「自」とはじぶんのこと、おのれ、という意味で、「発」とは起こすこと、さかんにすることなどを意味します。
「自発的」の英語
「自発的」を意味する英語としてまず挙げられるのは、“spontaneous”という単語です。
この単語を使用して、自発的な行動、とするならば、“act spontaneously”となります。
ほかにも、自分で決める、自分で判断する、という意味では“on one's own judgement”となり、自立して、という意味で考えるならば、“independent”という単語を使うと意味が伝わるでしょう。
「自発的」と「自主的」の違い
「自主」とは、他者からの干渉を受けず、独自に行うことを意味します。
「自発的」とは、他人に命令されずとも自ら発すること、自分の意思ではじめることを意味し、「自主的」とは、他人の干渉を受けず独自にはじめること、自らが主体となって行うこと、いう意味ですので、厳密に見ていくと違う意味を持つ言葉とわかります。
「自発的」の言葉の使い方
「自発的に」や「自発的な○○」といった形でよく使われます。
なかなか「自発的」にならない人に対して、「自発的な○○をお願いします」のように促すこともありますが、そのようにいわれて行う時点で、厳密には「自発的」ではないともいえます。
「自発的」を使った言葉と意味を解釈
では、「自発的」を使用した語句をいくつか紹介します。
よく使われるフレーズばかりですので、ひとまとまりにして覚えておくとすぐに使うことができます。
- 「自発的に行動する」
- 「自発的に取り組む」
「自発的に行動する」
自分で考え、自分で動くことを「自発的に行動する」という言葉で表されます。
昨今では「指示待ち」などと揶揄される、自ら考えるのでなく、他者から命令されたことしかできない人もいますが、仕事だけでなく、何事においても自分のことには自分で責任をとり、「自発的に行動する」ことで、悔いなく人生を進んでいくことができるといわれています。
「最近、長男は自発的に行動することが増えたように感じる」
「自発的に取り組む」
行動だけでなく、なにか物事に打ち込んだり、始めたりするときには、「自発的に取り組む」という言葉が使われます。
こちらも、誰かにいわれるのでなく、自分で気づいたことを確かめるために実験をしたり、思っているだけでなく実践することをいいます。
仕事が忙しくなってきたりすると手一杯になり、「自発的」な発想をするゆとりすら奪われてしまいがちですが、そのなかでどれだけ「自発的」でいられるかというのも重要なことです。
「基礎がわかってくると面白くなり、自発的に取り組めるようになってきた」
「自発的」の類語や類義表現
「自発的」の類語表現をご覧いただきます。
「自主的」もかなり似た言葉でしたが、ほかにも似たような意味あいを持つ言葉がありますので参考にしてください。
- 「積極的」【せっきょくてき】
- 「能動的」【のうどうてき】
「積極的」【せっきょくてき】
「積極的」とは物事を進んで行うこと、自ら進んで働きかけること、という意味を持つ言葉で、「せっきょくてき」と読みます。
対になった言葉で「消極的」というものがあり、こちらは否定的であったり、進んで物事を行わないさまをいいます。
「会員になったからには、積極的に発言していきたいと思っている」
「能動的」【のうどうてき】
「能動的」は進んで物事を行う、というなかでも、進んで他に働きかける、という意味あいを強く持つ言葉で、「のうどうてき」と読みます。
対になった言葉に「受動的」というものがあり、こちらは逆に、他から影響を受けて行う、という意味の言葉です。
「何事も能動的に行っていくことで未来を切り拓いてきた、という自負がある」
「自発的」の対義語や反対の表現
最後に「自発的」の対義語を見ておきましょう。
類語だけでなく対義語も見ておくと、知識が偏らず、語彙力があがります。
- 「受動的」【じゅどうてき】
- 「強制的」【きょうせいてき】
「受動的」【じゅどうてき】
「受動的」とは、自らの意思でなく、他からの動作、作用に影響を受けていること、ほかのものによって動かされることをいいます。
「自発的」とは誰かに命令されるのでなく、自らの意思で行うことを意味しますので、「受動的」はその対義語といえます。
また、「自発的」の類語である「能動的」という言葉とは対の関係になっています。
「何事にも受動的に生きてきたツケが回ってきたようだ」
「強制的」【きょうせいてき】
「強制的」とは、相手の意思を無視し、圧力をかけたり権威をふりかざすことでいうことを聞かせ、無理矢理にさせることをいいます。
「自発的」では他者から命令されたのでなく動く、ということを意味しますが、「強制的」では、他者に対する問答無用の命令を指し示すため、真逆の意味あいを持つ言葉として挙げておきます。
「強制的に漫画を取りあげないと、いつまでも宿題が終わらない」
「自発的」とは、他者に命令されるのでなく、自ら考え、行動することを意味する言葉でした。
なんでも流されるままになっている、という方は、日常のなかにひとつでも「自発的」に行うことを取り入れていくと、すこしずつ自分の人生を、自分でコントロールしている、と思えるようになるのではないでしょうか。