「まな板の上の鯉」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
人は何かをする際に成功することもあれば失敗もします。
失敗したり何か悪いことが起こった時、悪あがきすることもありますが、時には無抵抗になりおとなしくなることもあります。
そんな様子を「まな板の上の鯉」と表現することがあります。
目次
- 「まな板の上の鯉」の意味とは?
- 「まな板の上の鯉」の読み方と使う人の年齢層
- 「まな板の上の鯉」の英語(解釈)
- 「まな板の上の鯉」の語源や由来
- 「まな板の上の鯉」の言葉の使い方
- 「まな板の上の鯉」を使った例文や短文(解釈)
- 「まな板の上の鯉」の類語や類義表現
「まな板の上の鯉」の意味とは?
「まな板の上の鯉」という言葉の意味として、何かに対して暴れたりじたばたするといった抵抗をやめることを意味しています。
「まな板の上の鯉」はただ無抵抗という状態ではなく、相手に対してなすがままに任せてしまうほどの状態を表しています。
その背景にはどうあがいてもどうしようもないほどの状況下にあるともされています。
「まな板の上の鯉」の多くは何か悪いことをした際、その処分・罰などに対する反応としての意味合いであり、一種の諦めとも捉えられています。
「まな板の上の鯉」の読み方と使う人の年齢層
「まな板の上の鯉」とは「まないたのうえのこい」と読みます。
古くからある言葉ですが、使う人は若年層には少なく、多くは中高年層とされています。
「まな板の上の鯉」は学生の時に授業でも習う言葉のため、知名度は非常に高い言葉とされています。
しかし実際に使う場面としては社会人になってからであることが多いことに加えて、若年層では他の表現で伝えることが多いです。
また他者に対する表現に加えて指摘・指導でも用いられることもあることから、自然と使用頻度は中高年層と高くなっていきます。
「まな板の上の鯉」の英語(解釈)
「まな板の上の鯉」はその意味から様々な表現が存在していますが、言葉をそのまま直訳すると“Carp on the cutting board”となります。
“Carp”は「鯉」を意味しており、“cutting board”はまな板を意味しています。
そして“on”にてまな板の上を表すため、「まな板の上の鯉」と直訳されます。
しかし意味での解釈・英訳の場合は“at the mercy of the fate”とされています。
“at the mercy of”にて「意のなすままに・身をゆだねて」といった意味となり「fate」が加わることで「まな板の上の鯉」の意味となります。
他のニュアンスでは“no control over my fate”といった表現となります。
「まな板の上の鯉」の語源や由来
学生の授業でも習う「まな板の上の鯉」という言葉ですが、その語源や由来について知っている人は少ないです。
「まな板の上の鯉」は言葉の通りまな板に載せられた鯉の姿に由来しています。
しかし実際にまな板に鯉を乗せると暴れますが、昔は調理の際にまず側線(水圧や水の流れを感知する鋭敏な器官)とよばれる場所に包丁を当てます。
側線は非常に敏感なため、その刺激で失神した結果、まな板の上で暴れることなくおとなしくなる姿が由来となっています。
そして抵抗する事無くその後の流れ(調理)に身をゆだねることからも現在における「まな板の上の鯉」という意味となっています。
「まな板の上の鯉」の言葉の使い方
「まな板の上の鯉」という言葉は、多くの場合で相手が無抵抗になり身を委ねた時の様子を表す言葉として用いられます。
しかし「まな板の上の鯉」とされる状態の人はどうしようもない状況・状態にあり、諦めたような精神状態であることが多いです。
そのため直接その相手に使うことはよくありません。
使い方としてはその人の周囲で本人に聞かれないように用いられます。
また時には周りから見たときの悪い状態・様子を緩和させる使い方もあるため、冗談のように用いることもあります。
時には意思を持たない相手に対して行動をするようにと指摘・指導に用いられることもあります。
そのため同じ言葉でも使い方・使う場面に応じて意味合いは変化するため注意が必要です。
「まな板の上の鯉」を使った例文や短文(解釈)
「まな板の上の鯉」という言葉は追い詰められて無抵抗になった人を表す言葉です。
そのため相手に悟られないように使う必要もあります。
また細かな注意点もあるため、どのような使い方が適切か例文とその解釈を紹介します。
- 「まな板の上の鯉」の例文1
- 「まな板の上の鯉」の例文2
- 「まな板の上の鯉」の例文3
「まな板の上の鯉」の例文1
「今回の件で彼はもう言い訳はできない。まさにまな板の上の鯉のようになるだろう」
この場合、彼とされる人物がこれから「まな板の上の鯉」状態になることを予測・予想しています。
それは普段の行動から問題があるがそのたびに言い訳をして逃げています。
しかし「今回の件」ということから何かの不手際・ミスをしており、それが言い逃れできないほどのため、その時の反応を予想して用いられています。
「まな板の上の鯉」の例文2
「あの人は本当に問い詰められると弱いね。判断に迷うといつもまな板の上の鯉のように何でも相手に任せている」
ここではあの人とされる人物の普段の行動・対応への指摘の意味で用いられています。
普段から選択を迫られたときに相手に委ねる傾向があるが、あまりに委ねすぎていることからそのことを表現するために用いられています。
「まな板の上の鯉」の例文3
「僕は昔は自己主張が出来なくて何に対してもまな板の上の鯉のように生きてきたよ。でも変わらないといけないと分かったから意見を出すようになったよ」
この場合、自身の過去との比較に用いられています。
昔の自身の状態を「まな板の上の鯉」と表現しており、それを良くないことと認識しています。
そのため変わるための努力をしていると伝えています。
「まな板の上の鯉」の類語や類義表現
「まな板の上の鯉」という言葉はその言葉で意味が成立します。
しかしその言葉を頻回に使う人は少なく、多くは類語・類義表現で表されます。
どのような言葉があるか、その例文と意味を紹介していきます。
- 「万策が尽きる」【ばんさくがつきる】
- 「運を天に任せる」【うんをてんにまかせる】
「万策が尽きる」【ばんさくがつきる】
この言葉の意味として、何か起こったことに対しての策が尽きるという意味です。
様々な可能性・選択肢を万策と表現し、それが全て尽きてしまった状態となります。
その結果、それ以降についてはどうしようもないため、身を委ねざるを得ないことからも「まな板の上の鯉」の類義表現として用いられています。
「運を天に任せる」【うんをてんにまかせる】
この言葉は物事における選択・行動を運に任せてしまうという意味です。
何かできる可能性・選択肢はあるがそれでも運という不確定なものに委ねてしまうため、抵抗や行動をしないということから、「まな板の上の鯉」の類義表現とされています。
「まな板の上の鯉」という言葉は古くから存在する言葉であり、知名度も非常に高いです。
しかし実際に使う機会は少なく、使い方にも注意が必要です。
特に成人してから聞く・使う機会も増えることから意味や使い方を正しく理解しておかなくてはなりません。