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「なおざり」の意味とは?「おざなり」との違い、漢字、類語や英語、使い方や例文を紹介!

「なおざり」という言葉は多くの方に知られていますが、意味や使い方が曖昧なのでなるべく使わない、という方が多い言葉でもあります。

ここでは、「なおざり」「おざなり」の違いなど、「なおざり」という言葉についてご紹介していますので、ぜひこの機会に一読ください。

なおざり

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「なおざり」の意味とは?「おざなり」との違い、漢字、類語や英語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「なおざり」の意味とは?
  • 「なおざり」の漢字
  • 「なおざり」の語源
  • 「なおざり」の英語
  • 「おざなり」と「なおざり」の違い
  • 「なおざり」の言葉の使い方
  • 「なおざり」を使った例文や短文・意味を解釈
  • 「なおざり」の類語や類義表現


「なおざり」の意味とは?

「なおざり」の意味とは?

「なおざり」とは、いい加減にすること、おろそかにすること、あまり注意しないこと、という意味の言葉です。

物事に対して真剣に向き合うのでなく、軽く見て、いい加減に対処するときなどによく使われています。



「なおざり」の漢字

「なおざり」の漢字

「なおざり」は漢字で「等閑」と書き、同義語にあたる漢語、「等閑(とうかん)」と同じ漢字を当てています。

「等」はほかに、「トウ」「ひと-しい」「ら」「など」といった読みを持ち、ひとしいこと、位、なかまといった意味を持つ漢字です。

「閑」はほかに、「カン」「ひま」「しず-か」「なら-う」といった読みを持ち、ひまなこと、のどかさ、しずかさを意味します。

「なおざり」の語源

「なおざり」の語源

「なおざり」は、以前の状態を引き継ぐ、継続の意味を持つ「なお(猶)」に、係助詞「そ」プラス動詞の「あり」「ぞあり」をつけた形といわれています。

もともとはたいして気に留めないこと、という意味でしたが、次第に転じて今のような、おろそかにする、といった意味で使われるようになりました。



「なおざり」の英語

「なおざり」の英語

「なおざり」は英語で、“neglect”“disregard”の単語で使われることが多くあります。

児童虐待の分野で、おさない子どもに対しての世話を怠り、衣類を着替えさせなかったりご飯を食べさせないなど、無視する、いないことにするものを「ネグレクト」といいますが、これは“neglect”(無視する、見過ごす)という英語から来ています。

“disregard”も、軽視する、無視するといった意味の英語ですので、どちらも「なおざり」を伝えたいときに便利な英語でしょう。

「おざなり」と「なおざり」の違い

「おざなり」と「なおざり」の違い

どっちがどっちかわからない、という人も多い「おざなり」ですが、こちらは漢字で書くと「御座(敷)なり」となり、江戸時代に、芸者たちが客によって態度を変えたり、それなりで済ませたことから来ており、いい加減に済ませることを意味しています。

一方、「なおざり」では、おそろかにする、見過ごす、といった意味あいを含んでいます。

つまり、表面を繕う程度であれ、いちおう形だけはやるのが「おざなり」、やらない場合も多いのが「なおざり」といえます。

「なおざり」の言葉の使い方

「なおざり」の言葉の使い方

「○○をなおざりにする」などの形で使われることがよくあります。

使うときは、○○に入る、「なおざり」の対象がわかる形にすると相手にも伝わりやすいでしょう。

また、人に頼みごとをするにあたって、きっちりとやらなくてもいいよ、と伝えるときに「なおざりでいいよ」といったり、だれかの仕事ぶりに関して、「なおざりだなあ」と思ったり裏で陰口をいったりするときにも使われています。

「なおざり」を使った例文や短文・意味を解釈

「なおざり」を使った例文や短文・意味を解釈

それでは次に、「なおざり」を使用した例文を見ていきましょう。

具体例を見ていくなかで気づくこともあり、ぐっと理解が深まります。

  • 「なおざり」の例文1
  • 「なおざり」の例文2
  • 「なおざり」の例文3

「なおざり」の例文1

「特待生だからといって、規則をなおざりにするのはやめてほしい」

自分は特別なのだ、という選民意識のある人に多いのは、自分だけは規則を破ってもかまわないなど、おごる心を持っていることです。

教師に叱られても気に留めず制服を着崩すなど、素行の悪い学生にも「なおざり」な態度が見受けられることが多々あります。

「なおざり」の例文2

「彼は最近、新しいスマホアプリに執心していて、デート中もなおざりな態度をとられることが多い」

デートとは、現場にいることが大事なのではありません。

会話を楽しんだり、同じものを見て、同じ時間を共有し、大切な思い出をつくったり絆を深めることにこそ意義があるといえます。

彼女がしゃべっているのに株価が気になったり、新作ゲームに気を取られたりと「なおざり」につきあっていると、どこかでひずみが生まれてしまうおそれがありそうです。

「なおざり」の例文3

「キリがないから、なおざりで済ませておいて」

几帳面、神経質といった性格の人は、ほかの人ならば見過ごしてしまうようなことも気になってしまい、一部にとらわれて話が進まない、仕事が終わらない、ということもあります。

また、それなりでいいので大量にこなしてほしい、という形態の作業などでもこのようにいうと、どれくらいの集中力を要するか、どれくらいの出来を求められているかがわかります。

「なおざり」の類語や類義表現

「なおざり」の類語や類義表現

最後に「なおざり」の類語表現を見ておきましょう。

類語を知っておくことで「なおざり」についての理解が深まり、また、語彙力もあがります。

  • 「蔑ろ」【ないがしろ】
  • 「仮初め」【かりそめ】
  • 「杜撰」【ずさん】

「蔑ろ」【ないがしろ】

「ないがし(ろ)」と読み、人や物を、あってもなくてもいいように扱うこと、侮ること、軽視することなどをいいます。

目の前にいる人や物事が大事なものであれば、「蔑ろ」にすることはできないでしょうが、知らずしらず、そのような態度を取ってしまっていたり、相手にそう感じさせている、ということもあるので、「蔑ろにされた」といわれることのある方は注意しましょう。

「ずっと手を挙げているのに、蔑ろにされていて悔しい」

「仮初め」【かりそめ】

「かりそ(め)」と読み、その場限りのこと、本気でないこと、軽はずみなこと、といった意味で使われています。

もとは「仮染め」とも書いたことから、試し染め、という意味から、その場限り、という意味に転じたのではないかといわれています。

「わたしとのことは仮染めの恋だったというのだろうか」

「杜撰」【ずさん】

「ずさん」と読み、誤りが多く、いい加減なことをいいます。

仕事などで、数値がぴったりとあっていなかったり、資料がばらばらになっていて整理されていなかったり、参考資料に誤りがあったりするときに使われ、この場合、「なおざり」と言い換えができることが多いでしょう。

「新卒一年目とはいえ、ここまで杜撰な仕事をされるとフォローしきれない」

icon まとめ

「なおざり」とは、いい加減なこと、おろそかにすること、という意味の言葉でした。

すべての出来事に百パーセント注意を払っていては命がいくつあっても足りませんので、自分にとってなにが大切で、なにが大切でないかを見極め、きっぱりと「なおざり」にすることが大事なときもありそうですね。