「滅相もない」の意味とは?類語や英語、使い方や例文を紹介!
「滅相もない」という言葉を知ってはいても、堅苦しくてなんだか使いにくい、と感じている人はけっこう多いのではないでしょうか。
ここでは、「滅相もない」という言葉についてご紹介しています。
意味や使い方、例文など、知っていると使える知識ばかりですのでぜひ一読ください。
目次
- 「滅相もない」の意味とは?
- 「滅相もない」の読み方
- 「滅相もない」の英語
- 「滅相もない」の語源や由来
- 「滅相もない」の言葉の使い方
- 「滅相もない」を使った例文や短文
- 「滅相もない」の類語や類義表現
「滅相もない」の意味とは?
「滅相もない」とは、とんでもない、という意味の言葉です。
とんでもない、というのは、あるべきではない、常識的ではない、普通には考えられない、といった意味の言葉ですので、「滅相もない」もそのような意味でとらえておくといいでしょう。
「滅相もない」の読み方
「滅相もない」は「めっそう(もない)」と読みます。
「滅」という漢字にはほかに、「ベツ」「ほろ-びる」「ほろ-ぼす」という読みがあり、ほろびる、ほろぼすこと、死、明かりが消えること、といった意味があります。
「相」という漢字にはほかに、「ショウ」「あい」「さが」「たす-ける」などの読みがあり、うらなう、ありさま、たすけ、ともに、など多くの意味を持ちます。
「滅相もない」の英語
○○もない、を表すときには、“don't 〜”の形が使えそうですね。
“don't be absorb”や“don't mention”などが「滅相もない」の英語に当たります。
また、“nonsense”などの単語もあわせて覚えておくと役に立つでしょう。
場面ごとに使い分けができるようになると、よりしっくりくる表現ができます。
「滅相もない」の語源や由来
「滅相」という言葉は「滅相もない」の形で使われることがほとんどですが、もとは仏教用語である「滅相」からきている言葉です。
「生相」「住相」「異相」「滅相」という四相のうち、消えてなくなること、を表す「滅相」は、業が尽き果て命が終焉を迎える段階を示すのですが、そこから転じて、「滅相」などころではない、「滅相もない」という言葉ができたといわれています。
「滅相もない」の言葉の使い方
「滅相もない」は、「滅相もない話ですが」と自分の話に対する前置きとして使うことや、「滅相もないです」というように、誰かの言葉に対する受け答えとして使うこと、また、強い否定の意味あいでも使うことがあります。
どれも、「とんでもない」という意味からは外れておらず、恐縮、謙遜、否定などの意味を伝えたいときに使います。
ビジネスシーンでも使える便利な言葉ですので、うまく活用して、いい印象を与えられるようになりましょう。
「滅相もない」を使った例文や短文
それでは次に「滅相もない」を使用した例文を見ていきましょう。
具体例を見ておくことでいっそう理解が深まり増す。
- 「滅相もない」の例文1
- 「滅相もない」の例文2
- 「滅相もない」の例文3
「滅相もない」の例文1
「滅相もない、わたしなどまだまだ未熟者です」
優れた研究者などが賞賛されて、このように応える場合は、謙遜を意味する「滅相もない」を表します。
研究者だけでなく、社内や学内で褒められるような功績を残したときにも、おごらず「これからも邁進していきます」という気持ちを込めて、「滅相もない」という言葉が使えるようになればずいぶん大人な受け答えだな、と周囲は感じるでしょう。
「滅相もない」の例文2
「滅相もない、誰がそんな嘘八百を述べたんでしょうか」
今度の「滅相もない」には怒りすら込められています。
ちがいます、それは嘘です、という意味でのとんでもない、を表すときにも、「滅相もない」を使うことがあります。
相手が目上の人であった場合には、このように切り返すと尊敬の気持ちを伝えつつ、自分の意見を述べることができます。
「なに言ってんだこのやろう」というのと、「滅相もない」というのとでは、聞き手もずいぶん印象が変わるのではないでしょうか。
「滅相もない」の例文3
「滅相もございません、私には身に余るお話です」
社長令嬢との交際を迫られる、というドラマのような話はなかなかありませんが、自分の能力に見合わない大仕事を任されたときなどにこのように返答することができます。
この場合には否定をしつつも、話の内容に喜んでいる、という複雑な感情もうかがえます。
両手を振るって喜びを表現するよりも、謙遜しておきながらも内心は震えるほど嬉しい、というときにも「滅相もない」という言葉を使うことができます。
「滅相もない」の類語や類義表現
最後に「滅相もない」の類語表現を見ておきましょう。
類語表現を知っておくことで表現の幅が広がり、また「滅相もない」についての理解も深まります。
- 「意表をつく」【いひょうをつく】
- 「望外」【ぼうがい】
- 「濡れ衣」【ぬれぎぬ】
「意表をつく」【いひょうをつく】
「意表」は「いひょう」と読み、思いがけないこと、意外なこと、考えても見なかったこと、という意味の言葉です。
「意表をつく」という形でよく使われており、相手の考えていなかったところをあえていうことや、「意表をつかれる」という形で、相手から自分の考えの及んでいなかったところを指摘される、という意味で使われています。
「滅相もない」も、相手の言葉に対し、驚きをもって使われる言葉ですので、「意表をつく」は類語といえます。
「いつも彼は意表をついた企画をプレゼンし、皆に感心されている」
「望外」【ぼうがい】
最近では将棋の藤井聡太さんが口にするので知っている方も多いかもしれませんが、「ぼうがい」と読み、望み以上であること、思っていたよりよいこと、という意味で使われる言葉です。
「滅相もない」は、想像もしえなかったよいことに対して使われることもあるので、「望外」も類語に当たります。
「夫が子どもの面倒をかいがいしく見てくれるのは、望外の幸せだ」
「濡れ衣」【ぬれぎぬ】
今度は考えてもみなかった悪いことが起きたときに使われる言葉を紹介します。
「ぬ(れ)ぎぬ」と読み、覚えのない罪に問われることや、根拠のない悪い噂が立つことなどをいいます。
「滅相もない」も、なにか自分の覚えのないよくない話に対して、強い否定として使われることがありますので、その場合、「濡れ衣」が類語としてふさわしいでしょう。
「幼い頃からよくしてやったというのに濡れ衣を着せられるとは」
「滅相もない」とは、とんでもない、という意味の言葉でした。
嬉しい話でも手放しに喜ばず、一度は謙遜してみせる、大人の対応にぴったりの「滅相もない」という言葉は、ビジネスシーンなどで役立つことも多いでしょう。
また、強く否定するときに、声を荒げず冷静に対処するためのフレーズとして知っておきましょう。