「ままある」とは?意味・英語【使い方や例文】
ままあるは、そう使うこと自体に「ままある」と表現できるでしょう。
つまり、物事の頻度に対して使う言葉となっています。
目次
- 「ままある」の意味とは?
- 「ままある」の漢字
- 「ままある」の英語(解釈)
- 「ままある」と「多々ある」の違い
- 「ままある」の語源や由来
- 「ままある」の言葉の使い方
- 「ままある」を使った例文・短文・メール(解釈)
- 「ままある」の表現は方言?
- 「ままある」の類義語や置き換えられる表現
「ままある」の意味とは?
ままあるとは、「たまにある」、「時々見られる」という意味で使う言葉です。
それほど多いという訳ではないが、滅多に見られないという訳でもない頻度を表す為に使います。
その為、同じこの言葉を使って表される場合でも、使った人がどれくらいの頻度だと考えて使ったのかによって、意味が少々前後すると考えていいでしょう。
例えば、雪が降った時に「この季節にはままあること」と言われた時に、1シーズン中に数回程度なのか、1週間に2、3回は降るという意味なのか分からないということです。
このように、結構アバウトに使うことができる言葉の為、滅多にないという訳ではない限り、大抵の頻度はこの言葉で表現できてしまいます。
この使い方が分かると、とても便利な言葉だということも分かるでしょう。
「ままある」の漢字
ままあるは、基本的にはそのまま平仮名で使う言葉です。
口語ではいいですが、文章にすると少し間延びした感が出てしまうので、使いにくいこともあるでしょう。
その場合には、「間々ある」と漢字で表記しても構いません。
当て字という訳ではなく、きちんとした「ままある」の漢字表現です。
年配の人の手紙などでたまに見られますが、この漢字での表記は普段はあまり見掛けません。
現代では、ほとんど場合で平仮名の方を使います。
ビジネス文章では漢字の方を使うこともありますが、どちらかと言えば、平仮名の方がいいでしょう。
尚、「ままある」と「間々ある」のそれぞれ(ネットで使われている例を)検索してみると、前者が約65万件なのに対し、後者は約5万件程度のヒットに留まります。
このことからも、滅多に使わないということが分かるでしょう。
「ままある」の英語(解釈)
ままあるを英語にするには、その意味の「たまにある」と考えて表現するのがいいでしょう。
それを英語にすると、“be done sometimes”となります。
「たまにあること」という意味になり、「ままある」の英語として使えます。
この“sometimes”は「たまに」という意味で、どちらかと言うと「それほどはない」と訳せる単語です。
それとは別に、“frequent”という単語に「しばしばある」という意味があり、こちらを使っても構いません。
ですが、こちらは「しばしば」が表現するように、それなりに頻出することなので、実際の頻度によってこの2つを使い分けるのがいいでしょう。
「それほどの頻度でもない」という意味で使いたいなら、先の“be done sometime”が適当で、「結構ある」として使いたい場合は後の“frequent”としてください。
「ままある」は、前述のようにそれが表現する頻度に幅がありますが、英語のこれらはそれぞれあまり幅がないと考えると分かりやすいと思います。
「ままある」と「多々ある」の違い
「ままある」は、頻度が一定ではなく、「たまにある(起こる)」という意味で使う言葉です。
それなりの幅があるので、色々なケースに対して使えるのが特徴です。
一方、「多々ある」は「結構な頻度である」ことの表現です。
上の英語の項で、“frequent”という言葉を紹介しましたが、これがこの「多々ある」に近いと考えていいでしょう。
「ままある」の意味の一部(その中でも比較的多い場合)としても使えますが、この「多々ある」の方が訳として向いています。
日本語でも同様に、「多々ある」は「ままある」の意味の一部(上と同様の理解で)と考えることができますが、「それなりに多い」と言いたい時にはそのまま「多々ある」と使った方がいいのは間違いありません。
「ままある」の語源や由来
ままあるは、漢字で「間々ある」と表現されるように、「その間、その間にある」という意味で作られた言葉です。
何かの間、間という点から、「時々」と解釈することができ、それが「たまにある」を表すようになりました。
「間々ある」ではなく、「儘ある」と表記されることがありますが、これは間違いなので注意してください。
この「儘」は「成り行き任せ」という意味になり、その意味から「儘ある」としても解釈としては似ていなくもありませんが、誤用表現になるので、そのようには表記しないように気を付けてください。
「ままある」の言葉の使い方
ままあるという言葉は、その頻度を数字で表すのは難しい(それには向いていない)時に、ざっとした表現として使うのに向いています。
「そういうことはままある」と使えば、それが起こることが少ない訳ではなく、かと言って頻出するという訳でもないといった曖昧な表現になります。
そのような言い方をしたい時にこそ使うのがこの言葉です。
ただし、何度か書いていますが、少しでも正確にその頻度を知りたい時には、この「ままある」と言われた時、「もっと具体的に」などと聞き返した方がいいでしょう。
「ままある」だけでは正直なところ、「ない訳ではない」ということくらいしか分からないからです。
「ままある」を使った例文・短文・メール(解釈)
ままあるを使った例文や短文です。
使えるシチュエーションが広い言葉なので、色々な例文が挙げられます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「牽制球でアウトになることもままあるものだ」
野球のランナーは、投手が捕手に投球する間にベースから離れていても構いませんが、牽制球を投げられた時にはきちんとベースまで戻らないとアウトになってしまいます。
このアウトにする目的と共に、あまりベースから離れないように(リードをとらせないように)投げるのが牽制球で、これによってアウトにできることもままあると言っている例文です。
実際の頻度としては、平均して1試合に一度あるかないかといった程度になりますが、ちょうど「ままある」で表現できる頻度だと考えていいでしょう。
例文2
「飛行機の発着が遅れるのはままあることなので、それほど気にしなくてもいい」
飛行機は少しのことでダイヤが遅れるものです。
出発の際に時間が掛かった為に、出発が10分程度遅れるといったことは特に珍しくなく、また、到着も空港周辺のその時の気流などの状態によっては、安全の為に着陸を多少延ばして一時的に上空で旋回してから行うことがあり、この場合も、10〜20分くらい遅れが出ることがあります。
これらは共に「ままある」と表現するのが相応しく、特に天候がすぐれない日になると、それなりの頻度で起こります。
飛行機を利用する際には、定時のダイヤより30分程度の(その後の予定の)余裕はとっておくべきだと言えるでしょう。
例文3
「フライングはままあることだが、1回で失格なので注意しなくてはいけない」
陸上競技におけるフライングは、近年のルール改正により、正式な大会では現在は1回で失格となっています。
このフライングは「ままある」ことで、1回の大会で一度や二度程度はあるものです。
この陸上競技でのフライングとは、スタートの号砲より先に動いてしまうとそう判定されると考えている人がほとんどだと思われますが、実は違って、スタートの号砲から1秒未満で動いた場合もフライングとなってしまうのです。
その理由は、人間の何かに対する反応は、どう早くても1秒は掛かると言われている(科学的な判断から)からです。
よって、1秒未満のスタートは、いわゆる「ヤマを掛けた」と判断されてしまい、フライングとなってしまうのです。
「ままある」の表現は方言?
「ままある」は、全国のどこでも普通に使われている言葉です。
よって、特に方言という訳ではなく、ごく一般的な言葉です。
よく似た言葉に「あまある」があり、こちらは「どこにでもある」という意味で使いますが、この言葉は「ままある」と比べるとあまり一般的ではなく、方言だと思われているかも知れません。
しかし、こちらも方言という訳ではなく、一般的な言葉です。
「ままある」の類義語や置き換えられる表現
「ままある」と近い意味で使える言葉や表現です。
上で挙げた「あまある」は見た目こそ似ていますが、説明のように、意味はそれほど似ていません。
- 「ないこともない」【ないこともない】
- 「時にはある」【ときにはある】
- 「往々にして」【おうおうにして】
「ないこともない」【ないこともない】
否定の更に否定形という変わった形の言葉ですが、それによって肯定含みの意味となり、「全くない訳ではないが、そうあることでもない」と解釈できます。
「ままある」と比較的似ている意味なので、「それもままあることだ」をこの言葉で置き換えると、「それもないことはない」となります。
ただ、このような形(否定の否定などという形)の言葉は嫌い人も多いので、あまりすすんで使うべきではないかも知れません。
「時にはある」【ときにはある】
この「時にはある」という表現は、「ままある」と共によく見聞きします。
「そんなこともままある」は、「そんなことも時にはある」と言い換えることができ、ほとんどの場合でそのままの置き換えが可能です。
そういった性質から、平仮名が重なってしまう「ままある」より見た目がいいこともあり、「ままある」と言いたい時に、こちらの方を使う場合も少なくありません。
「往々にして」【おうおうにして】
「ままある」の中でも、頻度が高い場合を指して使う言葉です。
その為、どちらかと言えば「多々ある」に近いと考えることができます。
その「多々ある」は、先の説明のように「ままある」の意味の一部だと解釈することができるので、この「往々にして」も、意図する頻度によっては「ままある」の代わりに使うことができます。
ままあるは、それが示す頻度に幅があることから、とても使いやすい言葉です。
そこまで具体的に分からない場合に(ある意味、誤魔化として)使うこともできる為、使えると思った場面では特に躊躇せずに用いていいでしょう。