「往々にして」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、色々なジャンルの言葉がありますが、その中には普段よく使っている言葉でも、正確な意味を理解しないままに口から出している言葉もあるのではないでしょうか?
文脈からして、何となく理解しているつもりでも、意味が分からず使っていることで、恥ずかしい思いをすることもあります。
「往々にして」という表現などは、まさにそうかもしれません。
「往々にして」という言葉は、プライベートな場面から仕事の上でも使われるケースが多いので、マスターしていきたい言葉です。
目次
- 「往々にして」の意味とは?
- 「往々にして」の類語や言い換え・似た言葉
- 「往々にして」の言葉の使い方
- 「往々にして」を使った例文
- 「往々にして」の英語
- 「往々にして」の語源
- 「往々」を使った言葉と意味の解説
- 間違った「往々にして」の使い方
「往々にして」の意味とは?
「往々にして」という表現は、「往々」は「に」をつけて「往々にして」という形で使われることが多い言葉です。
この「往々にして」という言葉には、2つの意味があり、1つ目は「よくあること」という意味で、2つ目の意味は「いつもではないけれど、比較的に割とあること」ということになります。
これら2つの意味は似ているように見えるのですが、正確に解釈していくと、「まったくない状態と比較すると、かなりあること」という1つ目の解釈と、「常時起こるものではないが頻繁にあること」という意味で例えることができます。
- 「往々にして」の読み方
「往々にして」の読み方
「往々にして」は、「おうおうにして」という読み方になります。
「往々にして」の類語や言い換え・似た言葉
この言葉の類義語としては、どんな言葉が当てはまるのかを見ていくと、次のような言葉が出てきます。
- 「時折り」
- 「折々」
- 「時として」
「時折り」
「時折り」とは、「頻度がかなり低いさま」と解釈ができ、「あの人はこの街で時折り見かけます」
などいう使い方があります。
この言葉は、普段の生活の中での会話やビジネス上でも使いますね。
「折々」
「折々に触れ」という形で使うことの多い類語でしょう。
この言葉の意味するところは、「その時その時」、「機会がある時ごとにそのような事態を見聞きするさま」ということになります。
「時として」
「時として」も「往々にして」の類義語として挙げることができます。
「場合によっては」、「ある事態が起こるさま」という意味になり、「人は時として過ちを犯すものだ」というようなケースで使われます。
この言葉も、プライベートな会話やビジネスコミュニケーションの中でも、頻繁に使われる言葉でしょう。
身近なだけに、しっかりと使えるシチュエーションを理解しておきたい言葉の1つです。
「往々にして」の言葉の使い方
「往々にして」は、ちょくちょく見かけるような出来事に対して言う場合がありますが、自分でも気付かないくらいによく使われる場面が多いのではないかと思います。
意識して周りの人達の会話を聞いていると、結構使われていることに驚くかもしれません。
「往々にして」を使った例文
では、どんなシチュエーションで、この言葉が使われるのかを見ていくことにします。
- 「往々にして」の例文1
- 「往々にして」の例文2
- 「往々にして」の例文3
「往々にして」の例文1
「僕は友人同士の喧嘩に往々にしてぶつかるです」
この時のセリフでぶつかるという表現が含まれていますが、「何かすでにあることに遭遇する」という意味があります。
「意見が対立する」などで「ぶつかる」という使い方を耳にすることがあるでしょうが、ここでの「往々にしてぶつかる」とは、「何か良くないことに遭遇する」と解釈することができます。
「往々にして」の例文2
「バーチャル空間は、確かに突飛なことで夢のような世界を感じさせてくれるものですが、実世界とは全く関係がないということが往々にしてあります」
今ではバーチャルリアリティーの世界が、コンピューターグラフィックのおかけで、とても現実世界に近づいて来ていますが、リアルな世界とかけ離れて、全く関係ないという理解ができます。
「往々にして」の例文3
「人を差別することを好まないと言っている人に限って、往々にして差別的な振る舞いをすることが少なくありません」
このようなタイプの人を指す時も使うことになりますが、意外と身近にこんな人が多いと、「往々にして」と前置きして愚痴っぽく言うことがないでしょうか?
「往々にして」の英語
「往々にして」は、“sometimes”と英語で訳すことができますが、みんながよく知っている単語です。
「往々にして」の語源
「往々にして」に含まれている「往」という文字にいくつかの意味があります。
1つ目は「行く」という意味で、「往診」や駅伝で使う「往路」などがあります。
2つ目に「死ぬ」、「死んだ人」という意味を持っており、「高齢まで生きて天寿を全うすること」表した「大往生」などの表現で使われます。
また、「既にあること」という意味もあり、「既往」のような言葉で用いられます。
そして、「々」という文字は繰り返す文字を省略して記述したもので、「往々」は「往往」の省略形です。
「往」を重ねることで、「行く」、「死ぬ」、などの意味を強調させる意味合いが強く、且つ縁起の悪いニュアンスを持つようになってきたと考えられます。
「往々」を使った言葉と意味の解説
では、「往々」を使った言葉をいくつか見ていくことで、その意味と含めて解釈していきましょう。
- 「往々にして起こる」
- 「往々にある」
「往々にして起こる」
「往々にして起こる」とは、悪いこと指しており、
「失敗とは往々にして起こるものだ」
「往々にして僕には不運なことが起こる」
などと、悪いことが時折起こりうるような時に使います。
「往々にある」
「往々にして起こる」と同じような意味で「往々にある」という表現もあります。
この表現は、「うちの息子は転んでしまうことが往々にしてあります」、「往々にして仕事の抜け漏れがある」などと使います。
この時も「ある」という言葉には、「良くない」という意味が込められています。
この表現は日常的な会話で使われるので、「君は病欠することが往々にしてあるかや、健康管理に気を付けることだ」など、自分だけではなく他の人を主語にして使うこともできる言葉です。
この時のセリフの裏には「病気するからダメなやつ」というような意味合いが隠されています。
間違った「往々にして」の使い方
「往々にして」には「悪いこと」という意味合いをはっきりと明記している説明をインターネットなどのサイトでも、目にすることが多くありません。
その結果、「よくあること」という意味から、「往々にしてラッキーなことが起こる」などと誤った使い方をしてしまう人が少なくありません。
「往々」には、基本的に「良くないこと」という意味が含まれているので、正しい使い方をしっかり覚えておきましょう。
何か悪いことがよくあるという意味の「往々にして」を誤って良い物事に対して使うことが意外に多いのです。
「往々にして」という言葉を使う時は、自分が友人や会社の同僚と話をする時によく使うことがあることを思い出すことがあるのではないかと思います。
しかし、幸運なことで使っているケースもあるのではないかと、改めて言葉の正しい理解をしなくてはならないでしょう。
最近では、謝った日本語がかなり氾濫していると言われながらも、そんなミステイクをそのままにして、平気で会話していることが少なくありません。
よくファミレスでも、「宜しかったでしょうか?」という言葉を店員さんがいう場面があります。
正しくは「宜しいでしょうか?」となるのですが、「往々にして」もこのように勘違いから誤った使い方をしているかもしれません。
言葉の意味を正しく理解することは、その人のインテリジェンスを高めることにもなるので、よく勉強しておくことです。