「この場を借りて」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「この場を借りて」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
結婚式や記者会見など、改まった場所で聞き慣れたフレーズですよね。
しかし、中には使われ方が間違っているケースもあります。
ここでは、「この場を借りて」という表現の正しい使い方を紹介します。
目次
- 「この場を借りて」の意味とは?
- 「この場を借りて」の読み方・漢字
- 「この場を借りて」の英語(解釈)
- 「この場を借りて」の言葉の使い方
- 「この場を借りて」を使った言葉と意味を解釈
- 「この場を借りて」を使った例文や短文(解釈)
- 「この場を借りて」の類語や類義表現・言い換え
「この場を借りて」の意味とは?
「この場を借りて」という表現は他人のスペースを利用して自分の目的を達成するという意味合いがあります。
一見とても自己中心的な使われ方に感じますよね。
しかし、ここで自分をへりくだってこの言葉を使用することにより、より適切な使い方ができます。
むしろへりくだることなくこの表現を使ってしまうと、言葉足らずで失礼になってしまう可能性があるのです。
「この場を借りて」の読み方・漢字
「この場を借りて」という表現は「このばをかりて」と読みます。
複雑な読み方ではありませんので、しっかりと言えるようにしておきましょう。
「この場を借りて」の英語(解釈)
「この場を借りて」という表現を英語にすると、“I use this opportunity”という表現が使えます。
この機会を借りて、この機会を使って、という意味合いにできます。
英語には日本語のような傾向がありませんので、日本語のように言葉足らずで失礼になってしまうという心配はありません。
しかし、やはり他の場面で関係のない話をするときには気をつけたほうが良いでしょう。
もしもスピーチなどで全く違う話題を出すならば“Forgive me to talk about this”などと一言かけるとより丁寧になります。
「この場を借りて」の言葉の使い方
「この場を借りて」という表現は先ほども述べた通り、言葉足らずになってしまうと失礼になってしまうこともありますので気をつけなければいけません。
「この場を借りて」という言葉を使う場合、その場所には関係のない話であることがほとんどです。
例えば、内容と少しずれたことについて話し合う時、「この場を借りて」という表現を使うことが多いと言われています。
実際には言葉足らずな人が多く、失礼な言い回しになってしまっている人も珍しくありませんから、気をつけなければいけません。
「この場を借りて」を使った言葉と意味を解釈
ここでは、「この場を借りてお伝えします」という表現と「この場を借りて御礼申し上げます」という表現について紹介します。
- 「この場を借りてお伝えします」【このばをかりておつたえします】
- 「この場を借りて御礼申し上げます」【このばをかりておれいもうしあげます】
「この場を借りてお伝えします」【このばをかりておつたえします】
「この場を借りてお伝えします」というのは、本来ならばその情報を伝えるべきではないにもかかわらず話す機会があるため、折角なのでこれについても伝えておきます、といった意味合いがあります。
本来は伝えるべきではないけれど、この機会を借りてお伝えします、という意味になるのです。
「この場を借りて御礼申し上げます」【このばをかりておれいもうしあげます】
「この場を借りて御礼申し上げます」というのは、お礼をいうべき場所ではないけれど、折角の機会なのでお礼を申し上げます、という意味になります。
例えば救助活動などを受けている時、一体何が必要なのかということを伝えなければいけません。
例えば避難生活をしている人たちに救援物資を届けるにしても、カップラーメンなどのようにお湯が必要なものを届けたら役に立ちません。
避難生活をしている人たちからも「お湯が必要のないもの、長期間保存できるもの」などと希望を出すことがあるかもしれませんね。
そのような場合に「この場を借りて御礼申し上げます」のように、救援物資や救助活動に対するお礼が言えるのです。
「この場を借りて」を使った例文や短文(解釈)
ここでは、「この場を借りて」という表現を使った例文をいくつか紹介します。
- 例文1
- 例文2
例文1
「皆様のおかげで無事卒業式を滞りなく終えられました。関係者各位にはこの場を借りて御礼申し上げます」
3月にはあちこちの学校で卒業式が行われますよね。
しかし卒業式というのは学校だけで行われるものではありません。
役員や保護者の協力が不可欠であり、あらゆる場所から協力を得られるからこそ、無事に卒業式を執り行えるのです。
卒業式直後に発行される学校新聞などでは、生徒会長や保護者会長などからコメントが出されることがありますが、そのようなコメントでは「この場を借りて」御礼申し上げますという言葉が添えられることも珍しくありません。
例文2
「すべてのコメントに返事が返せないため、この場を借りて御礼申し上げます」
最近は芸能人のみならず、ブログをやっている人が増えましたね。
ブログをやっているとあちらこちらからコメントをもらうこともあり、中には勉強になったり、励まされたり、ということもあるのではないでしょうか。
有名なブロガーの中にはすべてのコメントに丁寧に返信している場合もありますが、中には忙しすぎて返信ができない、返信をしたいけれど時間がない、などという葛藤を抱えている人もいます。
そのような場合、ブログの本文に「この場を借りて御礼申し上げます」などと書いているブロガーもいますね。
「この場を借りて」の類語や類義表現・言い換え
ここでは「この場を借りて」という表現の類義語を紹介します。
- 折角なので【せっかくなので】
- この機会をお借りして【このきかいをおかりして】
折角なので【せっかくなので】
折角なのでという表現は、ある物事をする際に別の何かをするという意味を持ちます。
また、イベントなどを機会として謝意を示す、告知する、ということも表しています。
「この場を借りて」という表現よりもありがたみがなくなりますが、折角なので、という表現もよく似た意味合いを持つということがわかります。
しかし、公式の場では「この場を借りて」という表現の方が適切です。
折角なのでというのはあくまでもこの時間を無駄にしないために、などという意味合いが含まれます。
この機会をお借りして【このきかいをおかりして】
より丁寧な表現にはこの機会をお借りしたというものがあります。
この表現はイベントなどで謝意を示すという意味があり、これ以外にもこの機会に、などという表現が可能です。
この機会をお借りしてというのは「この場を借りて」とよく似た表現であり、「この場を借りて」という表現よりもより丁寧な表現だと言えるでしょう。
結婚式のスピーチなど、「この場を借りて」という表現を使う機会は多いものです。
しかし、言葉足らずになってしまうと失礼な意味になってしまうということを念頭に置き、きちんと必要な表現をつけたして利用したいものです。