「老いては子に従え」とは?意味・読み方・類語【使い方や例文】
「老いては子に従え」ということわざの意味を紹介します。
さらに「老いては子に従え」の使い方や、「老いては子に従え」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「老いては子に従え」の意味とは?
- 「老いては子に従え」の意味
- 「老いては子に従え」の由来や語源
- 「老いては子に従え」の使い方
- 「老いては子に従え」の類語や類義のことわざ
- 「老いては子に従え」を使った例文
「老いては子に従え」の意味とは?
一般的に良く知られていることわざですので、知っている人の方が多いかもしれません。
「老いては子に従え」は「おいてはこにしたがえ」と読みます。
特に難しい言葉は使われていませんので、読み方を間違える事はないでしょう。
一方で、今回初めて、「老いては子に従え」ということわざを知ったという人もいるでしょう。
そこで「老いては子に従え」ということわざの意味や、使い方を紹介します。
このことわざの意味を知る事で、自分の両親と話をした時などに、「老いては子に従え」ということわざが頭に浮かぶようになるかもしれません。
「老いては子に従え」の意味
「老いては子に従え」には、「高齢になったら出しゃばらず、何事も子供にまかせて、従った方がいい」という意味があります。
高齢になると、若い頃のように、自分で何でもするというわけにはいかなくなりますし、体力的にも厳しくなります。
また自分が高齢になる頃には、子供は立派な大人に成長しているはずです。
そこで、高齢になったら自分で何でもしようとせず、子供に任せた方が何かとスムーズに行く事が多くなります。
このように「老いては子に従え」には、いつまでも大人になった子供を子供扱いせず、我を張らず子供の言う事を聞いた方がいいという教えが含まれています。
「老いては子に従え」の由来や語源
そもそも「老いては子に従え」ということわざは、仏教の教えの「三従」が由来になっています。
三従には、「幼少時は父兄に従い、結婚したら夫に従い、夫の死後は子供に従う事」という教えがあります。
その最後の「夫の死後は子供に従う事」から「老いては子に従え」という言葉が生まれています。
この由来から見ると、女性を対象にしたことわざのように見えますが、「老いては子に従え」は男女の区別はありません。
「老いては子に従え」の使い方
「老いては子に従え」には、老人になったら子供に任せた方がいいという意味があります。
そこで、高齢になっても自分で何でもしたがる人を見た時に、「老いては子に従え」ということわざを使ってみましょう。
ただし、「老いては子に従え」ということわざを、若い人が使うと、礼儀がなっていない感じがします。
そこで「老いては子に従え」ということわざを、高齢者に教える時、諭すのは、同じ世代の人か、それ以上の人がベターです。
高齢になった時、同じ年頃の友達が、子供の言う事を聞かず、自分で何でもしようとしている姿を見た時などに、「老いては子に従え」ということわざを使って諭してみてはいかがでしょうか。
「老いては子に従え」の類語や類義のことわざ
「老いては子に従え」ということわざに、似た意味をもつことわざを紹介します。
似た意味のことわざを知ると、「老いては子に従え」を他のことわざに言い換える事ができるようになります。
かなり知識がある人としてみなされるようになるでしょう。
- 「麒麟も老いては駑馬に劣る」【きりんもおいてはどばにおとる】
- 「年寄りと釘の頭は引っ込むがよい」【としよりとくぎのあたまはひっこむがよい】
「麒麟も老いては駑馬に劣る」【きりんもおいてはどばにおとる】
「麒麟も老いては駑馬に劣る」ということわざがあります。
この場合の「麒麟」は、キリンではなく、素晴らしい馬、何里でも走れるような駿馬の事を言います。
一方「駑馬」は、足が鈍い駄馬という意味があります。
そのため「麒麟は老いては駑馬に劣る」ということわざには、いかなる名馬でも年を取れば平凡な馬にもかなわなくなってしまうという事になり、いくら優れた人でも、年を取ると平凡な人にも及ばなくなってしまうという意味があります。
「老いては子に従え」と、同じグループのことわざと言えるでしょう。
「年寄りと釘の頭は引っ込むがよい」【としよりとくぎのあたまはひっこむがよい】
「年寄りと釘の頭は引っ込むがよい」ということわざがあります。
このことわざには、「釘の頭は出っ張らない方がいいように、年よりも出しゃばらない方がいい」という意味があります。
「老いては子に従え」と、かなり似た意味を持つことわざです。
「老いては子に従え」を繰り返し使うような場面で、「年寄りと釘の頭は引っ込むがよい」ということわざに言い換える事ができると、言葉に厚みを持たせる事ができるでしょう。
「老いては子に従え」を使った例文
最後に「老いては子に従え」ということわざを使った例文を紹介して行きます。
様々な場面における「老いては子に従え」ということわざを使った文章を見て、このことわざの使い方のコツを覚えましょう。
- 「老いては子に従え」の例文1
- 「老いては子に従え」の例文2
「老いては子に従え」の例文1
「『老いては子に従え』というから、今年のお祭りの仕切りを息子に任せよう」
この例文に登場する高齢の人は、このことわざを知った事で、考え方をあらためたのかもしれません。
それまでは祭りなどの重要な行事をすべて自分で仕切ってきたけれど、今年からは息子に任せてみようと思ったようです。
いつかは祭りの仕切りだけでなく、家の仕切りも子供に任せる必要が出るでしょう。
その時になって慌てないように、徐々に重要な仕切りを、子供に継いでもらうと良いかもしれません。
「老いては子に従え」の例文2
「『老いては子に従え』というが、まだ私の子供は頼りなく、何も任せられない」
この例文に登場する高齢者のような考えを持つ人は多いかもしれません。
昔よりも、大人が子供っぽいイメージがあり、30代、40代になった子供を見て、頼りないと思う人は多いかもしれません。
それでもいつかは、子供に主導権を握らせる必要があるため、小さなことから徐々に任せて行くのがいいのでしょう。
「老いては子に従え」ということわざの意味や使い方を見てきました。
現在は若くて自分とは関係ないと感じる人もいるでしょう。
しかし、自分が高齢者になる前に、このことわざの意味をかみしめて、老後の心構えをしておくといいかもしれません。