「引く手数多」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
「引く手数多」という言葉をご存知でしょうか。
耳で聞くと知っているけど、文字にするとよくわからない、という方もおられるかもしれません。
「多数」は知っているけど「数多」ってなんだ、という方もいらっしゃるでしょう。
なんだか曖昧だな、と感じた方はぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「引く手数多」の意味とは?
- 「引く手数多」の読み方
- 「引く手数多」の英語
- 「引く手数多」の言葉の使い方
- 「引く手数多」を使った例文・短文
- 「引く手数多」の対義語
- 「引く手数多」の類語や類義表現
「引く手数多」の意味とは?
「引く手数多」とは、引き合いが多いことや、誘ってくる人が多いことを意味する言葉です。
文字を映像として想像して見てください。
引く手とは、こちらへ来てください、と招く手のこと。
そのような手の数が多い、というわけですから、あちらからもこちらからもお呼びがかかる、という状況が浮かびます。
「引く手数多」の読み方
「引く手数多」は、「ひ(く)てあまた」と読み、「ひくてたすう」と読んでしまうと間違いですので留意してください。
「あまた」という言葉は聞いたことがあったけれど、「数多」という漢字で表すことは知らなかった、という方も多いでしょう。
「数多」は、多い、たくさんという意味のほかに、程度がはなはだしいことも表す言葉です。
「引く手数多」の英語
「引く手数多」を英語にする場合、まずはこの日本語をどんな意味あいで伝えるか、を考えます。
「引く手数多」とは、多くから求められている、ということですので、「需要」や「要求する」といった意味を持つ“demand”などを使うと言い表しやすいでしょう。
“be very much in demand”または“be very popular”などが、「引く手数多」を意味する英語として使うことができます。
「引く手数多」の言葉の使い方
人気の強いものなどを褒めそやすときなどに「引く手数多だ」ということがよくあります。
旬や流行りと呼ばれるような、一時的で爆発的な人気のものは「引く手数多」になりやすい傾向があります。
最近でいえばAI技術の研究などは「引く手数多」な分野といえるのではないでしょうか。
「引く手数多」を使った例文・短文
では実際にどのように「引く手数多」が使われるのか、例文のなかで見ていきましょう。
どのようなものに対して使われているかなど、注目してみてください。
- 「引く手数多」の例文1
- 「引く手数多」の例文2
- 「引く手数多」の例文3
「引く手数多」の例文1
「歌だけでなくトークも面白いというところから火が付き、今ではテレビで見ない日がないほど、引く手数多なタレントになっている」
モデルやアイドルとして出てきたが、いつの間にかバラエティ番組に出たり、司会を任されたりしている芸能人はしばしば現れます。
一芸に秀でている人ももちろん素晴らしいですが、芸能界で喜ばれるのはそれだけではなく、人の間合いや顔色をうかがいつつ、自分の発言や爪痕をしっかりと印象に残せるタイプかもしれません。
そのような人々は「引く手数多」な芸能人として、日々忙しく仕事をこなしています。
「引く手数多」の例文2
「性格や容姿に関して、友人から見ても非の打ち所がないのだから、彼は女性から引く手数多にちがいない」
「引く手数多」は、仕事だけでなく、プライベートにも使われます。
同性から見ても色気を感じるような友人というのは、異性から幾度となく声をかけられ、告白を受けているだろう、というようなときに、「引く手数多」ということができます。
かといって、引かれるままに多くの異性と関係を持つ、というのは褒められたことではありませんので、それはまた別の問題になります。
「引く手数多」の例文3
「高齢化が進み、人材不足が深刻化しているため、求人は引く手数多となっている」
今後さらに深刻になるといわれている少子高齢化問題により、仕事の数に対し、仕事を受ける人が不足するため、いわゆる売り手市場となってきています。
そのような場合、仕事を受ける人たち、とくにそのなかでも能力の高いとされる人たちは、ぜひ来てくださいと請われるような、「引く手数多」の状況になっていくのかもしれません。
もしくは日本人や人間に代わる労働力が必要となるでしょう。
「引く手数多」の対義語
「引く手数多」の対義語は、引く手がないこと、つまり不人気であることや、まったく知られず埋もれていることを意味する言葉となります。
- 「鳴かず飛ばず」【なかずとばず】
- 「閑古鳥が鳴く」【かんこどりがなく】
「鳴かず飛ばず」【なかずとばず】
「三年飛ばず鳴かず」という中国の故事から来た言葉で、「鳴かず飛ばず」とは、将来大いに活躍するときのために機会を待っていることや、なにも活躍することなくただ過ごしていること、といった意味の言葉です。
「鳴かず飛ばずの下積み時代には、電気やガスがとめられることもあった」
「閑古鳥が鳴く」【かんこどりがなく】
来客など人の出入りがなくさびしくしているさま、また、商店や旅館などで客がなく、流行っていないさまを意味する言葉です。
「閑古鳥」とはカッコウのことで、「静かな湖畔の森の陰から」と歌われるように、静かでものさびしい印象を持つ言葉です。
「引く手数多」が流行り、であれば、「閑古鳥が鳴く」は廃りのほうを意味します。
「あの店は代替わりしてから閑古鳥が鳴くように客足が遠のいている」
「引く手数多」の類語や類義表現
最後に「引く手数多」の類語表現を見ておきましょう。
「流行り」や「人気」を意味するような言葉が類語に当たります。
- 「ひっぱりだこ」【ひっぱりだこ】
- 「モテモテ」【もてもて】
「ひっぱりだこ」【ひっぱりだこ】
昔はタコを干物にするときの形から、「磔」を意味する言葉として捉えられていたようですが、現在では多くの人が争うほどに求められることを意味しています。何年も先まで予約が埋まっている店や、何度もテレビに取りあげられるような人、商品などについて言います。
「店の目玉になる商品ができてから、取材でひっぱりだこになっている」
「モテモテ」【もてもて】
「黒山の人だかり」なども多くの人が押し寄せるほどの人気、といった意味で類語としてふさわしいですが、ここでは非常に一般的で馴染みやすい「モテモテ」という言葉を類語として紹介します。
「モテモテ」は、恋愛における意味もありますが、仕事などにおいてとても有能なので、あちこちから依頼がくる、という場合にも使われます。
「引く手数多」では堅苦しい仲の相手には、「モテモテ」で十分だ、という場面もありそうですね。
「引く手数多」とは、引き合いが多いこと、という意味の言葉だとわかりました。
性格や技術など、自分の能力を開発していくことで「引く手数多」な人になっていければ、いきいきと毎日を過ごすことができそうですね。