「ご入用」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
ご入り用(ごいりよう)は、丁寧な言い回しとして使いますが、下手に使うと、無理にそのような言葉を使っていると思われてしまい、反って印象が悪くなってしまうかも知れません。
目次
- 「ご入用」の意味とは?
- 「ご入用」の対義語
- 「ご入用」の使い方
- 「ご入用」を使った例文・短文(解釈)
- 「ご入用」の英語と解釈
- 「ご入用」の類義語や置き換えられる表現
「ご入用」の意味とは?
ご入り用とは、「必要」だということを丁寧に表現した言葉です。
「入り用」という言葉の段階で、その「必要」の意味があり、それに「ご」を付けて、丁寧語にしています。
この言葉は、人に対して使うことになります。
自分に使う場合や、親しい間柄であれば、特に「ご」は付けずに「入り用」と使ってください。
また、シチュエーション的に「必要」で充分だと思った時には無理に使うのはやめておいた方がいいでしょう。
「ご入り用なご商品はございませんか」などと使ってしまうと、丁寧過ぎる表現になってしまい、失礼になるのと同時に、まともな敬語も使えないのかとも思われてしまうので気を付けてください。
「ご入用」の対義語
ご入り用の対義語は、「不用」、もしくは「不要」です。
共に読み方は「ふよう」で、漢字の表現から見ると前者の方が対義語に適当だと思われるかも知れませんが、そちらはあまり使う表現ではなく、「不要」の方がよく見掛ける言葉なのと共に、推奨される対義語です。
この2つの言葉について細かく説明すると、「不用」は「用がない」、「不要」は「必要がない」という意味で、この点からも「不要」の方が一番の対義語に相当すると考えることができます。
また、「不用」には、今まで使ったいたものが必要なくなったという意味もあります。
「不用品」という使い方をすると、そのような物品のことが表現できます。
「ご入用」の使い方
ご入り用は、決して自分には使わない表現です。
その為、相手に「(それが)必要ですか」という意味で、丁寧に伝えたい場合に使う言葉だと考えておけば間違いはありません。
最初の「ご」を付けないと、自分にも使えるようになり、言葉としてがらっと変わってしまうところが少し面白いと言えるかも知れません。
日本語ではこのような言葉が決して少なくありません。
「ご入用」を使った例文・短文(解釈)
ご入り用を使った例文や対文です。
使い方の通り、どれも相手に対して使っています。
これらの例文のように使っていれば、丁寧過ぎる表現になってしまうことはないでしょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「他にもご入り用の物はございますか?」
一番耳にすることの多い使い方だと言える例文です。
丁寧過ぎることもなく、うまく「ご入り用」という言葉を使えています。
尚、この表現の誤用で、「他にもご利用のものは〜」としてしまうケースがありますが、これでは「他に使うものは〜」という意味になってしまいます。
この間違いには気を付けましょう。
例文2
「ご入り用だと思いましたので、持参いたしました」
必要だと思ったので持ってきたということを、丁寧に表現した例になります。
この「ご入り用」を使う場合には、この例文のように、前後の表現にも注意しないといけません。
例えばこの例文を「ご入り用だと思ったので〜」としてしまうと、「必要」の方が適した表現です。
上の例文でも「ありますか」ではなく、「ございますか」としているように、「ご入り用」は、前後と合わせてうまく使ってこその言葉なのです。
例文3
「ご入用なものがありましたら、いつでもご連絡ください」
必要なものがあれば、いつでも言ってくださいと言っています。
それなりの格のあるホテルなどで、お客様に対して使われることがある例です。
やはり、全体的に丁寧な表現となっているのが分かると思います。
ご入り用という言葉を使う際には、このような使い方が当然だと考えていいでしょう。
「ご入用」の英語と解釈
ご入り用を英語にするのは少々困難ですが、強いて表現すれば、“if you need 〜”という表記がいいでしょう。
「〜」の部分に必要となる物などを入れて使うことで、「〜が必要ですか」という意味になり、「ご入り用ですか」という意味になります。
ですが、日本語の「ご入り用」独特のニュアンスまでは表現できていないので、あくまで類似表現に留まると考えてください。
この言葉の完全な英語での表現は難しいです。
「ご入用」の類義語や置き換えられる表現
ご入り用の類義語や、この言葉と置き換えられる表現です。
それも相手に対して使う表現になります。
- 「ご所望」【ごしょもう】
- 「ご用命」【ごようめい】
- 「お達し」【おたっし】
「ご所望」【ごしょもう】
「何がご所望でしょうか」などと使う言葉で、「ご入り用」と置き換えて使うことができます。
この言葉が一番の類義語だと言うことができ、ほぼ同様に使えると考えていいでしょう。
ですが、「ご入り用」より必要の度合いが強いと解釈できる言葉でもあるので、あまり頻繁に使うと、そんなに物を欲しがっているのかと思われてしまう懸念があります。
よって、「ご入り用」より適切な使い方が求められる言葉です。
「ご用命」【ごようめい】
こちらも「ご入り用」と共に、かなり丁寧に相手の希望を聞く為に用いられる言葉です。
ただし、多少使い方が異なり、「ご用命ください」と使うことがほとんどになる言葉です。
「ご入り用」が「必要」なものを聞く時に使うことが多い言葉なのに対し、この「ご用命」はその希望に対して「申し付けてください」という意味で後に付けて使われることが多いです。
「ご入り用なものがあれば、ご用命ください」と使うと、2つを合わせてかなり丁寧な表現になります。
「お達し」【おたっし】
この言葉は、「(希望を)お伝えください」という意味で使われます。
「どうぞお達しください」と使えば、「是非希望を伝えてください」という意味になります。
「希望」そのものの意味ではないので、上の「ご用命」と似た言葉で、同様の使い方になりますが、「お達しくださいませ」としてしまうと、丁寧になり過ぎるので注意してください。
「お達しください」で充分に丁寧な使い方です。
ご入り用は、相手の希望に対して、それを丁寧に表現する為に使う言葉です。
スーパーなどでの買い物の際に店員にそう使われることも多い言葉ですが、あまりいい使い方(間違ってはいませんが)とは言えず、もう少し格式の高い場で用いられる言葉だと覚えておきましょう。