「爪の垢を煎じて飲む」とは?意味・類語【使い方や例文】
「爪の垢を煎じて飲む」の意味や語源を紹介します。
さらに「爪の垢を煎じて飲む」の使い方や、「爪の垢を煎じて飲む」を使った例文を紹介します。
目次
- 「爪の垢を煎じて飲む」の意味とは?
- 「爪の垢を煎じて飲む」の意味
- 「爪の垢を煎じて飲む」の語源や由来
- 「爪の垢を煎じて飲む」の使い方
- 「爪の垢を煎じて飲む」を使った例文
- 「爪の垢を煎じて飲む」の類語や類義の表現
「爪の垢を煎じて飲む」の意味とは?
「爪の垢を煎じて飲む」ということわざを知っているでしょうか。
「爪の垢を煎じて飲む」は、「つめのあかをせんじてのむ」と読みます。
有名なことわざなので聞いた事がある人が多いでしょう。
また実際に、両親や先生などから、「○○の『爪の垢を煎じて飲め』」などと言われた経験がある人もいるかもしれません。
このように、教育的な使い方もされることわざのひとつ、「爪の垢を煎じて飲む」の意味や使い方を紹介します。
なぜ誰かの爪の垢を飲まなければいけないのか、長年の疑問が晴れるかもしれません。
「爪の垢を煎じて飲む」の意味
「爪の垢を煎じて飲む」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「爪の垢を煎じて飲む」には、「優れた人を模範にしてあやかろうとする事」という意味があります。
教科書に載るような偉人や、身近にいる立派な誰かにあやろうとする時、あやかるように諭す時に、「爪の垢を煎じて飲む」という言葉を使います。
例えば「A君の『爪の垢を煎じて飲みなさい』」と言われた時には、「A君に少しでも近づけるよう、模範にして努力しなさい」という意味が含まれています。
また「Bさんの『爪の垢を煎じて飲もう』」と言う時には、「Bさんを模範にして、少しでも似た人になろう」という意味があります。
このように「爪の垢を煎じて飲む」には、「優れた人を模範にしてあやかろうとする事」という意味があります。
「爪の垢を煎じて飲む」の語源や由来
「爪の垢を煎じて飲む」という言葉にはどのような語源や由来があるのでしょうか。
この言葉をそのまま具現化すると、模範になるような人の「爪の垢」をもらい、お湯に煮出して飲む、という行為になります。
例えば朝鮮人参のような貴重な薬草は、わずかな量でも煮出して飲む事で健康に良い効果があるとされています。
優秀な人の爪の垢も貴重な薬草のようなもので、わずかな量でも、また汚いものでも、近づけるために有効なエキスが出ているため、飲めばその人の威光にあやかる事ができるのではないかという考えがあります。
模範にしたい人の、爪そのものではなく、爪の垢という点がユニークなことわざです。
「爪の垢を煎じて飲む」の使い方
「爪の垢を煎じて飲む」という言葉は、どのように使えばいいでしょうか。
まず、大きな目標になるような人物がいて、その人に少しでも近づきたいと思った時に、「爪の垢を煎じて飲む」という言葉を使う事ができます。
例えばA君が目標になるような人物で、近づきたいのがB君だった場合、「B君は、A君の『爪の垢を煎じて飲みたい』と思った」という文章になります。
また、説教をする時にも、「爪の垢を煎じて飲む」という言葉を使います。
例えば自分は子供が勉強ができないと感じた時に、優秀な子供の同級生を見習いなさいと言う時、「爪の垢を煎じて飲む」ということわざを使います。
優秀な同級生がC君だったとしたら、「お前もC君の『爪の垢を煎じて飲む』といい」などという言い回しをしましょう。
「爪の垢を煎じて飲む」を使った例文
「爪の垢を煎じて飲む」を使った例文を紹介します。
様々な場面における「爪の垢を煎じて飲む」を使った文章を見て行きましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「課長に説教をされ、営業成績トップのAの『爪の垢を煎じて飲め』と言われた」
この例文に登場する課長の「爪の垢を煎じて飲む」の使い方は、このことわざの典型的な使い方と言えるでしょう。
職場でいちばん優秀な社員に、その他の社員が近づけば、職場全体の成績もアップします。
そのため、模範になるAに近づけるよう「爪の垢を煎じて飲む」ということわざを使い、叱咤激励している構図です。
単純に近づいた欲しいというよりも、社員に奮起を促すような狙いがあるかもしれません。
例文2
「毎日遅くに帰宅していたら、真面目な隣の旦那さんの『爪の垢を煎じて飲め』と怒られた」
この例文に登場する男性は、結婚しているものの、なかなか夜遊びがやめられないタイプのようです。
集合住宅の隣の家と付き合いがあり、その家の旦那さんが真面目な人だとしたら、比較されてしまう可能性があります。
例文3
「学校一綺麗な女子の『爪の垢を煎じて飲めば』もっと綺麗になれるのだろうか」
「爪の垢を煎じて飲む」と何かしらの成分がお湯に入って、その人に本当に近づけるならば、この例文のように綺麗な女性の「爪の垢を煎じて飲む」事で、綺麗になれるのかもしれません。
思春期で、綺麗な女性へのあこがれが強い時は、実際にこのような行為をしてみたいと思う人もいるかもしれません。
しかし、もちろん「爪の垢を煎じて飲む」は、ことわざで例え話ですから、実際の効果は期待できないでしょう。
「爪の垢を煎じて飲む」の類語や類義の表現
「爪の垢を煎じて飲む」の類語や、類義の表現を紹介します。
「爪の垢を煎じて飲む」と似た意味の言葉には、どのようなものがあるでしょうか。
- 「右へ倣え」【みぎへならえ】
- 「おうむ返し」【おうむがえし】
「右へ倣え」【みぎへならえ】
「右へ倣え」は、運動会の練習などで、整列の合図としても使われます。
さらに「右へ倣え」には、「最初に行った人のまねをしたり、追随する事」という意味があります。
新入社員として仕事を始める時には、教育係の先生のまねをしながら仕事を覚えて行くと思います。
このような場合は、「先輩に『右に倣え』で仕事を覚えた」などと表現する事ができます。
「おうむ返し」【おうむがえし】
「おうむ返し」は、他の人が話した言葉を、そのまま繰り返す事を言います。
「爪の垢を煎じて飲む」には、模範とする人に近づこうとする意図がありますが、「おうむ返し」にも、他の人をまねするという意味で、同じような意味があると言えるのではないでしょうか。
また緊張する席で、頭が真っ白になった時などにも、会話が「おうむ返し」になる事があります。
「爪の垢を煎じて飲む」の意味や使い方を見てきました。
あらためて意味を知ると、味わいがあっておもしろいことわざだと感じます。
誰か模範になるような人をみつけた時に、「爪の垢を煎じて飲みたい」とつぶやいてみてはいかがでしょうか。