「お茶を濁す」とは?意味・読み方・類語【使い方や例文】
「お茶を濁す」という言葉の意味や類語を紹介します。
さらに「お茶を濁す」の使い方や、「お茶を濁す」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「お茶を濁す」の意味とは?
- 「お茶を濁す」の語源や由来
- 「お茶を濁す」の使い方
- 「お茶を濁す」を使った例文
- 「お茶を濁す」の類語
「お茶を濁す」の意味とは?
「お茶を濁す」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
「お茶」という言葉が登場するため、印象に残りやすい言葉かもしれません。
意味をよく知る人は、日常的に誰かが「お茶を濁す」のを見たり、自分が「お茶を濁す」瞬間を知っているかもしれません。
一方で、まるで「お茶を濁す」という言葉を知らないという人もいるでしょう。
そこで、「お茶を濁す」という言葉の読み方と意味を紹介します。
すでに「お茶を濁す」という行為をしていたと、気付く人もいるかもしれません。
- 「お茶を濁す」の読み方
- 「お茶を濁す」の意味
「お茶を濁す」の読み方
「お茶を濁す」は「おちゃをにごす」と読みます。
「お茶」は「おちゃ」、「濁す」は「にごす」と読みます。
「濁す」に使われている漢字は少し難しいので、これを機会に読み方を覚えておきましょう。
「お茶を濁す」の意味
「お茶を濁す」という言葉には、「適当な事を言って、その場しのぎをする事」という意味があります。
また「その場を繕ってごまかす」という意味や「あいまいにしてごまかす」という意味もあります。
例えば、独身男性や独身女性が親戚の集まりなどで、結婚の予定について聞かれた時、しっかりとした返事をしたくないケースもあるでしょう。
このような時は、あいまいな返事をしてその場をやり過ごすと思います。
「お茶を濁す」が意味するのは、このような行為です。
特に日本人は本音を言ったり、自分の考えを主張したりしたくない人が多いと思います。
そのため「お茶を濁す」機会はとても多くなるでしょう。
このように「お茶を濁す」には「適当な事を言って、その場をしのぐ、ごまかす」という意味があります。
「お茶を濁す」の語源や由来
「お茶を濁す」という言葉には、どのような語源があるのでしょうか。
「お茶を濁す」という言葉が生まれたのは、茶道の場面です。
茶道の作法を良く知らない素人が、適当にお茶をかきまぜて、抹茶らしきものを作って取り繕う姿が、「お茶を濁す」という語源になっています。
茶道について知識がある人なら知っていますが、茶道には決められた動作があり、こなすべき工程を経て作られる抹茶は、とても美味しいものです。
素人がその場しのぎで作った抹茶らしきものは、いいかげんな味だったと思われます。
ただ、他の人がいる席で「茶道の作法がわからない」と宣言するのも辛いものがあるでしょう。
とりあえず適当に作ってみて、それなりなものができてほっとしている、「お茶を濁した」人の気持も、わからなくもありません。
「お茶を濁す」の使い方
「お茶を濁す」には「適当な事を言って、その場しのぎをする、ごまかす」という意味があります。
例えば誰かに答えたくない種類の質問をされた時に、「お茶を濁す」事になるでしょう。
先述した、「結婚に関する質問」もそのひとつだと思います。
また「仕事に関する質問」も、あまり答えたくない質問のひとつだと思います。
特に世代が異なる人に、自分の結婚観や、仕事の内容を上手に伝えるのは難しいものです。
変な風に伝わってしまうのも嫌なので、結果的に「お茶を濁す」事になるでしょう。
また、嘘をついている時も、「お茶を濁す」事になります。
仕事でミスをしたのに、していない事にしている時、誰かにそのミスを追及されたら、その場しのぎの嘘をついてごまかすかもしれません。
これも「お茶を濁す」という言葉の意味に含まれています。
このような場面で「お茶を濁す」という言葉を使ってみましょう。
「お茶を濁す」を使った例文
「お茶を濁す」という言葉を使った例文を紹介します。
様々な場面における、「お茶を濁す」を使った文章見て、この言葉の使い方のコツを覚えて行きましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける「お茶を濁す」を使った例文を紹介します。
「課長に仕事の進展を聞かれたが、まるで進んでいなかった。ポジティブな材料がなかったので、希望的観測を口に出して『お茶を濁す』事にした」
上司に仕事の進捗具合などを聞かれて、まだ手を付けていなかったりまったく進展がないため、慌てる事があるかもしれません。
しかし「まだ手を付けていません」とは言えない雰囲気の職場もあるでしょう。
このような時に、適当な事を言ってその場しのぎをすると思います。
この例文は、まさに「お茶を濁す」が意味する典型的なシーンではないでしょうか。
例文2
日常的な場面における「お茶を濁す」を使った例文を紹介します。
「親戚の集まりで、仕事について聞かれた。自分の仕事はコンピュータ関連なので、高齢の親戚にどう言えば仕事内容を伝えられるか分からなかった。そのため、パソコンに向かう仕事だと、『お茶を濁す』ような返事をした」
この例文に登場する人のように、自分の仕事を正確に伝えるのが難しかったり、嫌だったりする事は良くあります。
このような時は、「お茶を濁す」ような返事しかできないでしょう。
このように、正直に話すのが正解ではなく、「お茶を濁す」のが正解という場面もあるはずです。
「お茶を濁す」の類語
最後に「お茶を濁す」に良く似た言葉を紹介します。
「お茶を濁す」と似た言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「芝居を打つ」【しばいをうつ】
- 「一杯食わせる」【いっぱいくわせる】
「芝居を打つ」【しばいをうつ】
「芝居を打つ」という言葉があります。
「芝居を打つ」には、「人をだますために、大掛かりなこしらえ事をする」という意味があります。
「ここは『芝居を打って』、○○詐欺を仕掛けるか」などという文章を作る事ができます。
「お茶を濁す」が意味するごまかしよりも、かなり大がかりで、壮大なドッキリを仕掛けるような時に使う言葉です。
「一杯食わせる」【いっぱいくわせる】
「一杯食わせる」は、「うまく人をだます」「人を担ぐ」という意味があります。
例えば昔話で、美女と一緒に山の上のホテルに宿泊したが、起きたら路上で、葉っぱの上で寝かされていた…などの話がありますが、この場合「狸に一杯食わされた」という表現になります。
「お茶を濁す」という言葉の意味や使い方を見てきました。
「お茶を濁す」は、日本人なら誰でもしてしまう、身近な行為だと感じられたのではないでしょうか。