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「虻蜂取らず」の意味・類語【使い方や例文】

「虻蜂取らず」という言葉は古くからある慣用句ですが、正しい意味を知らない人もいるでしょう。

何となく悪い意味であることは分かりますが、一体どんな時に使うべきなのでしょうか。

「虻蜂取らず」の意味や使い方について紹介します。

虻蜂取らず

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「虻蜂取らず」の意味・類語【使い方や例文】>


目次

  • 「虻蜂取らず」の意味とは?
  • 「虻蜂取らず」の語源や由来
  • 「虻蜂取らず」の言葉の使い方
  • 「虻蜂取らず」を使った例文・短文(解釈)
  • 「虻蜂取らず」の英語と解釈
  • 「虻蜂取らず」の類語や類義表現の言い換え


「虻蜂取らず」の意味とは?

「虻蜂取らず」の意味とは?

まず始めに「虻蜂取らず」の正しい読み方と意味は以下の通りです。

  • 「虻蜂取らず」の読み方
  • 「虻蜂取らず」の意味

「虻蜂取らず」の読み方

「虻蜂取らず」の読み方は「あぶはちとらず」です。

「あぶ」「はち」の間には「と」「も」などの並列助詞は入りません。

「虻蜂取らず」の意味

非常に邪魔な虫である「虻」「蜂」を一度に退治しようとして、一匹どころかどちらも取れずに終わる状態を表します。

このことから転じて「2つのものを同時に得ようとして失敗すること」「欲張り過ぎて失敗すること」「どちらか決めずにいて失敗すること」を意味する様になりました。

辞書によっては「虻蜂捕らず」と表記するものもありますが、どちらも認められています。



「虻蜂取らず」の語源や由来

「虻蜂取らず」の語源や由来

「虻蜂取らず」の由来は、虻と蜂を取ろうとした時の状況を言い表したものです。

但し、その主体が何であるのかは下記の様に諸説あります。

  • クモが「虻蜂取らず」だった説
  • カエルが「虻蜂取らず」だった説
  • 人間が「虻蜂取らず」だった説

クモが「虻蜂取らず」だった説

虻蜂を取れなかったのはクモだという説があります。

クモに巣に虻と蜂の2匹が同時に引っかかり、クモが両方に糸を絡めようとしたのですが、うまくいかずにどちらも逃がしてしまったという説があります。

人が「虻」「蜂」を取ってもどうするものではないので、クモが主体であるという説が最も自然です。

カエルが「虻蜂取らず」だった説

「虻蜂取らず」の後に「鷹の餌食(たかのえじき)」と続く言葉もあります。

これは「欲張って虻と蜂を同時に取ろうとして取れなかった挙句鷹のエサになってしまった」という意味です。

このことから、虻と蜂をエサにしていて、しかも鷹に捕食されるカエルが主体という説もあります。

人間が「虻蜂取らず」だった説

やはり人間の行動を表しているという説も強くなります。

「取る」はエサにしたり手に入れたりするという意味ではなく「打ち取る」という意味に使われているのです。

人間が虻と蜂を同時に打ち取ろうとして失敗した状況を言い表しています。

「虻蜂取らず」の言葉の使い方

「虻蜂取らず」の言葉の使い方

「虻蜂取らず」は誰かに対して忠告やアドバイスの意味で使えます。

  • 友人に対して
  • 会社に対して
  • 自分で行った結果に対して

友人に対して

友人が現在資格取得の勉強をしているにもかかわらず、副業を始めてしまったなど、2つの目標を同時進行させている時に「虻蜂取らずになるなよ」と使います。

友人のすることを否定しているのではなく、あくまで忠告しているだけですので角は立たないでしょう。

会社に対して

会社が様々なジャンルに手を広げようとしている時に「虻蜂取らずになんじゃないか」と使います。

今迄運送業一筋に運営してきた会社が不動産業に手を出すなど、あまり手広く商売をすると経営状態が悪化してしまうケースも多いのです。

自分で行った結果に対して

良い条件の求人を同時に2件見つけて応募したものの、片方の面接結果を待っているうちにもう片方が待てずに内定を取り消されてしまうことがあります。

おまけに待っていた会社は不合格で、結局全て白紙に戻ってしまい、この時に「虻蜂取らずだった」と後悔するのです。



「虻蜂取らず」を使った例文・短文(解釈)

「虻蜂取らず」を使った例文・短文(解釈)

「虻蜂取らず」を使った例文とシチュエーションの解釈について紹介します。

  • 「虻蜂取らず」の例文1
  • 「虻蜂取らず」の例文2
  • 「虻蜂取らず」の例文3

「虻蜂取らず」の例文1

「虻蜂取らずは避けてAモデルに絞って開発するべきです」

企業では毎日開発の為に努力を続けています。

Aモデル、Bモデルと商品開発を進めてきたのですが、1つの商品に絞ってPRをした方が予算を効果的に使えて消費者も迷いません。

販促側の意見としてこの様な提案が出ることがあります。

「虻蜂取らず」の例文2

「あの人は学生時代から虻蜂取らずだった」

何事にも好奇心旺盛なのは良いのですが、気が多すぎて一度に2つのことに手を付けてしまい、結局何も身に付いていない人のことを言います。

2つの部活に所属していたり、就活も大企業ばかりを狙って結局全て不採用、中小企業に採用されたのでしょう。

「虻蜂取らず」の例文3

「彼女の婚活は虻蜂取らずに終わるよ」

理想が高過ぎて婚活イベントでも一番人気と二番人気の人ばかりをターゲットにして失敗する女性がいます。

常に条件で相手を選んでいると最後まで失敗して終るでしょう。

周囲もそれが分かっているので冷ややかに見守るだけです。

「虻蜂取らず」の英語と解釈

「虻蜂取らず」の英語と解釈

「虻蜂取らず」の英訳として知られているのは“fall between two stools. ”(2つの椅子の間に落ちる)という慣用表現です。

これは“stool”は、化粧台などについている背もたれがない椅子のことで、“chair”(背もたれ付きの椅子)よりもバランスが悪くてズレ易くなります。

「欲張って2つのイスに座ろうとして間に落ちてしりもちをつく様」を表しています。

“You should be careful not to fall between two stools. ”(虻蜂取らずにならない様に注意した方がいいよ)"となりますが、日本人が急にこの表現を会話に組み込むのはかなり無理があるでしょう。

「虻蜂取らず」の類語や類義表現の言い換え

「虻蜂取らず」の類語や類義表現の言い換え
  • 「二兎を追うもの一兎も得ず」【にとをおうものいちうさぎもえず】
  • 「花も折らず実も取らず」【はなもおらずみもとらず】
  • 「一も取らず二も取らず」【いちもとらずにもとらず】

「二兎を追うもの一兎も得ず」【にとをおうものいちうさぎもえず】

「虻蜂取らず」と同じくらい有名で知っている人も多いでしょう。

こちらは「2匹のウサギを追っていると逃げられてしまい、1匹も捕まえられない」という意味です。

こちらも欲張って2つ同時に手を出すと失敗するという例えであり、「虻蜂取らず」と同義語になります。

「花も折らず実も取らず」【はなもおらずみもとらず】

こちらも欲張って花も実も手に入れようとしたものの、結局どちらも失敗に終わるという意味で「虻蜂取らず」の同義語です。

「一も取らず二も取らず」【いちもとらずにもとらず】

2つのものを同時に得ようとすると、結局どちらも手に入らずに終わることを意味します。

ものごとの状況を表すよりも、シンプルに結果を表現しているのでどの様な場面にも使えることわざです。

icon まとめ

「虻蜂取らず」は意味が非常に分り易い言葉です。

「虻」「蜂」という、人にとってはあまり重要でない虫が使われているのが非常にユニークです。

真面目な場面よりも、少し場を和ませたい時に使ってみては如何でしょうか。