意味解説の読み物

meaning-book

meaning-bookは意味解説の読み物です

「月とすっぽん」の意味・読み方・英語【使い方や例文】

月とすっぽんは、度々見掛ける言葉の1つです。

多少古い表現ではありますが、今でもよく使われています。

月とすっぽん

Meaning-Book
「月とすっぽん」の意味・読み方・英語【使い方や例文】>


目次

  • 「月とすっぽん」の意味とは?
  • 「月とすっぽん」の語源や由来
  • 「月とすっぽん」の使い方
  • 「月とすっぽん」を使った例文と解釈
  • 「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の違い
  • 「月とすっぽん」の類義表現
  • 「月とすっぽん」を英語にすると?


「月とすっぽん」の意味とは?

「月とすっぽん」の意味とは?

月とすっぽんとは、「比べものにならないほど違う」ことを表現する言葉です。

比較はその美醜や価値であったり、性能という場合もあります。

それほどの違いがある場合に使う比喩表現なので、多少のことでは使いません。

「差があり過ぎてお話にならない」というレベルの違いの場合のみ使ってください。



「月とすっぽん」の語源や由来

「月とすっぽん」の語源や由来

月とすっぽんは、「同じ丸く見えるもの同士でも、夜空に輝く月と沼地に住む醜いすっぽんでは全く違う」ことが語源です。

この語源からも分かるように、何かが共通している(もしくは、分野が同じもの)同士で比較する時に使う表現です。

例えば値段の違う運動靴と野球のバットを比較する時などの全く違う分野同士の比較には用いません。

正確な発祥は定かではありませんが、江戸自体から使われているという説が有力です。

その江戸時代後期の随筆「嬉遊笑覧」の中でこの表現が見られることから、これより前だということはあっても、後ということはありません。

「月とすっぽん」の使い方

「月とすっぽん」の使い方

月とすっぽんは、普段から使う場面が多々ある言葉だと言っていいでしょう。

しかし、冒頭でも挙げましたが、古くから使われている表現なので、死語扱いとまでは言いませんが、古臭いニュアンスがあるのは否めません。

その為、若い人は意味や使い方を知っていても、あまり使わない言葉かも知れません。



「月とすっぽん」を使った例文と解釈

「月とすっぽん」を使った例文と解釈

月とすっぽんとまで言われるのは、それほどの違いがある場合です。

よって、以下の例文も、かなりの違いがある比較ばかりです。

どれも実際に使われることの多い例ですが、すっぽんの方に該当する側にとってはそのような言われ方は気持ちのいいものではないので、その点には気を付けてください。

  • 「俺のスーパーカーとお前の軽自動車じゃ、誰が見ても月とすっぽんだな」
  • 「1万円と100万円の腕時計じゃ、月とすっぽんくらい存在感が違う」
  • 「スマホを新しいものに換えたら、今まで使っていたものとは月とすっぽんの差で驚いた」

「俺のスーパーカーとお前の軽自動車じゃ、誰が見ても月とすっぽんだな」

同じ自動車同士でも、見た目も価格も性能も全く違うということを、月とすっぽんという言葉で表現しています。

使い方としては代表的な例になりますが、このようなことを言われて面白い人は居ないので、相手との関係性によってはそう思ったとしても、このような言い方はしない方がいいでしょう。

「1万円と100万円の腕時計じゃ、月とすっぽんくらい存在感が違う」

腕時計は、高いものだとそれこそ1000万円を超えるようなものまで存在します。

時計は、時間さえ分かればいいと考える人も居れば、それに加えて豪華さやステータス性まで求める人も居るので、どれくらいのものを求めるかによって値段は千差万別です。

これ例もまた、自分の方がいいものを使っているからと言って、それを自慢する意味で使うのはおすすめできませんが、一般論として使う分には全く問題ありません。

「スマホを新しいものに換えたら、今まで使っていたものとは月とすっぽんの差で驚いた」

スマホは年々進化しているので、数年前のものから買い換えると、この例文のように驚くほどの性能差があることも珍しくないでしょう。

月とすっぽんという表現は、このように価値や見た目、性能などの色々な違いに対して使えることが分かります。

「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の違い

「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の違い

「月とすっぽん」と似た意味で使われることが多い言葉に、「提灯に釣鐘」があります。

しかし、この言葉は、「全く(価値が)違うので釣り合わない」という意味で使います。

語源が「形の似ているもの同士だが、全く違うもの」からきているので、「月とすっぽん」とほとんど同じ意味だろうと思われているかも知れませんが、「提灯に釣鐘」と使う時は、その両者(物だけでなく、人に対しても使えます)では釣り合いがとれないという意味になります。

つまり、「月とすっぽん」とは似て非なる意味をもつ言葉だということです。

実例では、いわゆる「美女と野獣」のようなカップルに対してよく使われている表現です。

(ただし、この場合の野獣側にとっては悪口になってしまう為、その点には気を付けてください)

「月とすっぽん」の類義表現

「月とすっぽん」の類義表現

「月とすっぽん」と置き換えることができる表現や、似ている意味の言葉です。

「月とすっぽん」より、これらの言葉や表現の方が実用的かも知れません。

  • 「雲泥の差」【うんでいのさ】
  • 「天国と地獄」【てんごくとじごく】

「雲泥の差」【うんでいのさ】

雲は「天」に浮かんでいるもので、泥は「地」に付いているものという点から、「天と地ほどの差がある」という意味で使います。

「月とすっぽん」と語源もとてもよく似ており、置き換えられる表現の1つです。

「月とすっぽんだよ」と使うより、「雲泥の差がある」の方が見た目から使いやすく、ビジネスでもそのまま使える言葉です。

そして、この言葉は「月とすっぽん」より使い道が広く、似たところがあまりない同士に対しても使うことができます。

「天国と地獄」【てんごくとじごく】

大袈裟な表現になりますが、実用度は高い言葉だと言えるでしょう。

ただし、比較の対象が物や人ではなく、現象や起こること、結果などの形のないものの場合に使います。

例として、「AとBのプランのどちらを選ぶかによって、結果が天国と地獄ほどの差になるかも知れない」などと使われます。

「月とすっぽん」を英語にすると?

「月とすっぽん」を英語にすると?

月とすっぽんと同様の意味で使う英語表現が、“as different as chalk and cheese”です。

直訳すると、「チョークとチーズほど違う」という意味になりますが、この2つが形が似ていて全く違うものという点から、(その2つには)「比べものにならないほどの違いがある」という意味で使います。

また、“as different as night and day”として、「夜と昼間ほど違う」“as different as apples and oranges”という「リンゴとオレンジほど違う」といった各表現も、同様の意味と考えていいでしょう。

icon まとめ

月とすっぽんとまで表現されるのは、そこまでの違いがあるからです。

この言葉自体に悪い意味は特に含まれていませんが、どうしてもそういったことを(すっぽんに該当する比較対象に)表現してしまうことが多くなるので注意しましょう。