「雀の涙」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
日本語には色々なジャンルの言葉がありますが、物事を比喩的に言い表すことができる言葉もあります。
「雀の涙」という言葉のその1つですが、どのような意味があるのでしょうか?
ここでは、この「雀の涙」の意味や使い方を紹介していきます。
目次
- 「雀の涙」の意味とは?
- 「雀の涙」の読み方
- 「雀の涙」の語源
- 「雀の涙」の使い方
- 「雀の涙」を使った例文や短文・解釈
- 「雀の涙」の英語と解釈
- 「雀の涙」の類語や類義表現
- 「雀の涙」の対義語
「雀の涙」の意味とは?
「雀の涙」とは、その名の通り、「ごくわずかなもの」という意味になります。
あの小さな身体をしている雀なので、目が出てくる涙は、どれ程に少ないか理解できそうですね。
「雀の涙」の読み方
「雀の涙」の読み方は、「すずめのなみだ」となります。
「雀の涙」の語源
「雀の涙」という言葉はどのようなことが由来となっているのでしょうか?
「雀」とは、私達の生活の中で最も身近な「スズメ」のことですが、日本中何処に行っても生息していることから、一番知っている鳥の1つでしょう。
この雀は、鳥類の中ですごく小さな鳥なので、小さな身体つきの鳥が涙を流したとしても、ほんのわずかな量しか流せません。
このことから「雀の涙」という言葉が語源となっていきました。
比喩的な表現にも色々な由来がありますが、これ程分かりやすい生い立ちはないかもしれません。
「雀の涙」の使い方
「雀の涙」が使われるシーンを見てみると、少ない金額を指す時に使われることが多いのですが、金銭関係に限ったことではなく、物の量や数の少ないことについても、この言葉を使うことがあります。
「雀の涙」を使った例文や短文・解釈
では、「雀の涙」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「雀の涙」の例文1
- 「雀の涙」の例文2
- 「雀の涙」の例文3
「雀の涙」の例文1
「雀の涙程の幸福をしみじみと味わっているのことで、何時かは大きな幸せが訪れるというものです」
人は、何時も大きなラッキーなことを望むものですが、日々の平穏な中にも幸福があることに感謝すべきでしょう。
そうすると、何れは大きな幸運が訪れるはずです。
「雀の涙」の例文2
「あれだけ働いたのに、今月の給料も雀の涙だったので、気を落とすばかりだ」
少ない給料に不満を持っていることを言っているのですが、それでも決して文句は言ってはならないのではないかと思います。
厳しい時代で働くことができることに感謝すべきでしょう。
「雀の涙」の例文3
「災害で家が焼け落ちたのですが、下りた保険の額は雀の涙だった」
火災事故に遇って、その後の保険金が、ちょっとしか貰えなかったという経験を持っている人も少なくないのではと思います。
不慮の事故に備えて、今一度、保険を見直すことも必要です。
「雀の涙」の英語と解釈
「雀の涙」を英語で表現すると、“Tears of the sparrow”となりますが、この英訳はあくまで直訳的な言い方です。
「ごくわずか」という意味からすると、“chicken feed”=「ひよこのえさ」や、“a drop in the bucket”=「バケツの中の一滴」が、「量が少ないこと」を意味しているので、「すずめの涙」と同義的な意味での英語表現になります。
「雀の涙」の類語や類義表現
では、「雀の涙」と似たような意味のある言葉を挙げてみることにしましょう。
- 「微々たる」【びびたる】
- 「猫の額」【ねこのひたい】
- 「姑の涙汁」【しゅうとのなみだじる】
「微々たる」【びびたる】
「微々たる」は、「程度や分量がほんの少しだけであるさま」や「全然大したことがないさま」のことを指していますが、損害などの程度を表現する場合などで用いられることが多い言葉です。
「猫の額」【ねこのひたい】
「猫の額」という言葉も「雀の涙」の類義語として挙げられますが、この言葉は「物の量を測る表現ではなく、とても狭いことを表す時に使われます。
「うちの庭は、猫の額ほどしかないから、恥ずかしいよ」
こんなケースで、敷地面積なども含めて「ごくわずかな」という意味合いで用いられます。
しかし、地方に住んでいる火とならいざ知らず、都会にくらしている人は、「猫の額」程の広さの環境が当たり前です。
「姑の涙汁」【しゅうとのなみだじる】
「姑の涙汁」という言葉もある意味、「雀の涙」に近いニュアンスがあります。
この言葉は、「姑は嫁に対して同情の涙をめったに流さない」ということを由来とさていますが、とても少ないことの例えで理解することができます。
「雀の涙」の対義語
では、「雀の涙」の対義語も見ていくことにしましょう。
- 「枚挙にいとまがない」
- 「広大無辺」
「枚挙にいとまがない」
この言葉は、「量があまりにも多すぎて、数え切れない様子」を指している言葉です。
「最近は仕事の量が増えすぎて、処理が追い付かず枚挙にいとまがないんだ」
このような使い方になるでしょう。
「広大無辺」
「広大無辺」という言葉も、対義語として挙げることができます。
この言葉の意味は、「宇宙など広々とした様子で果てしないもの」という意味があり、あまりにも大きな状況を指す時に使います。
「雀の涙」という表現は、私達の日常的な会話の中でよく使われるフレーズです。
しかし、「ごくわずか」という解釈から、どうしても不平・不満的な意味合いが含まれている感じがします。
今では世の中の志向が多様化しているので、このように不満ばかりではいいことはありません。
むしろ「雀の涙」のようなことでも、ちょっとした幸福に感謝すべきなのです。