「屁の河童」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「屁の河童」の意味や類語を紹介します。
さらに「屁の河童」の使い方や、「屁の河童」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「屁の河童」の意味とは?
- 「屁の河童」の語源や由来
- 「屁の河童」の言葉の使い方
- 「屁の河童」を使った例文
- 「屁の河童」の類語
「屁の河童」の意味とは?
「屁の河童」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
若い世代の人や学生のみなさんは、もしかしたら「屁の河童」という言葉を全く知らないかもしれません。
ある程度年齢を重ねた世代の人たちは「屁の河童」という言葉を知っているでしょう。
使った事はないけれど、誰かが言っているのを見たことがある、テレビなどで見たことがあるという人もいると思います。
そんな、最近は聞く事が少なくなった懐かしい言葉、「屁の河童」の読み方と意味を紹介します。
- 「屁の河童」の読み方
- 「屁の河童」の意味
「屁の河童」の読み方
「屁の河童」は、「へのかっぱ」と読みます。
「屁」は「へ」と読み、「河童」は「かっぱ」と読みます。
妖怪のカッパの事は知っていても、漢字で書くと「河童」となる事を知らない人は多いかもしれません。
これを機会に、「屁の河童」は「へのかっぱ」と読む事を覚えておきましょう。
「屁の河童」の意味
「屁の河童」にはどのような意味があるでしょうか。
「屁の河童」には「何も問題がない事」さらには「簡単にできる事」という意味があります。
例えば、「こんな仕事は『屁の河童』だ」という文章があります。
この文章の意味は、「こんな仕事は何も問題がない仕事だから、簡単にできる」となります。
このように「簡単だ」「何も問題がない事だ」という事を強調したい時に、「屁の河童」という言葉を使います。
また「河童の屁」という言い回しで使う事もあります。
「屁の河童」の語源や由来
「屁の河童」という言葉には、どのような語源があるのか、気になる人も多いと思います。
そこで「屁の河童」の語源を紹介します。
- 「木っ端の火」説
- 「水の中の屁」説
「木っ端の火」説
まず「屁の河童」には、「木っ端の火(こっぱのひ)」が「河童の屁」に転化したという説があります。
焚火の時などに木の切れ端に火をつけても、それほど大きな炎が上がる事はありません。
そのため「屁の河童」と同じように「大した事が無い」という意味があります。
この「木っ端の火」という言葉が、「こっぱのひ」「かっぱのへ」、さらに「へのかっぱ」とダジャレのように言葉が変化して行ったと考えられています。
- 「木っ端の火」説
- 「水の中の屁」説
「水の中の屁」説
さらに、河童は水の中に住む妖怪ですので、屁も水の中ですると考える事ができます。
おそらく、水の中でする屁には勢いがないので、「河童の屁」は、「大した事ない」「何も問題がない」という意味になったという説もあります。
そして「屁の河童」という言葉が、「河童の屁」が反転したのは、江戸時代にそのような言葉遊びが流行ったからではないかと考えられています。
このように「河童の屁」には、二つの説の語源があると覚えておきましょう。
「屁の河童」の言葉の使い方
「屁の河童」という言葉は、少しユニークな言葉だけに、使い場所に困るかもしれません。
「屁の河童」には「何も問題がない事」、さらには「簡単にできる事」という意味があります。
そのため何かの作業に取りかかる前に、「これは何も問題ない事」だと思ったら、「屁の河童」という言葉を使ってみましょう。
また、本当に「何も問題がない事」「簡単にできる事」だと思っていなくても、それをあえてアピールしたい時に「屁の河童」という言葉を使う事もあります。
例えば好きな女性の前で重い荷物を運ぶ時、本当は重くても「大した事ない」とアピールしたくなるのではないでしょうか。
そんな時に「こんな荷物を持つのは『屁の河童』だ」と強気のアピールをします。
このように、何かをする時に、「何も問題がない事」「簡単な事」だと主張する時、または少し強がってみたい時に「屁の河童」という言葉を使ってみましょう。
「屁の河童」を使った例文
「屁の河童」という言葉を使った例文を紹介して行きます。
様々な場面における、「屁の河童」を使った文章を見て、この言葉の使い方のコツを覚えていきましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける「屁の河童」を使った例文を紹介します。
「ラグビー部出身のA君は、体力自慢の頑張り屋さんだ。人の倍くらいの量の仕事を与えられても、タフな心と体力で『屁の河童』という感じで乗り切ってしまう。どの部署もA君のような人材を求めているのではないだろうか」
体育会系出身の新人社員が入ると、周囲の人を驚かせるような頑張りを見せる事があります。
どんな大変な仕事にも、「問題ないです」という返事をして取り組みます。
若い本人は「屁の河童」という言葉を使わないかもしれませんが、見ている人が例文のように「屁の河童」という言葉を使いたくなるような活躍ぶりです。
例文2
日常的な場面における、「屁の河童」を使った例文を紹介します。
「義理の両親の引越しの手伝いをする事になった。重い荷物を運ぶ時に『屁の河童です』と元気よく答えると、妻が嬉しそうな顔をする。しかし余裕はなく、カラ元気を出しているだけだった」
例文のように、義理の両親の前などで力仕事を任された男性は、力がある事をアピールしようと頑張り過ぎてしまう傾向があります。
言葉でも余裕をアピールしたくなり、「屁の河童」という言葉を使う事があります。
しかし、本当に余裕がある男性は、「屁の河童」という言葉を使わずに、黙々と作業を繰り返すかもしれません。
このように「屁の河童」という言葉を使う人の中には、余裕度をアピールしたい目的の人も含まれています。
「屁の河童」の類語
最後に「屁の河童」とよく似た言葉を紹介します。
少しユニークで最近あまり使われていませんが、「屁の河童」と同じような意味を持つ言葉が登場します。
特に若い世代の人が覚えておくと、高齢の人との飲み会の席などで楽しい会話ができるかもしれません。
- 「平気の平左」【へいきのへいざ】
- 「余裕のよっちゃん」【よゆうのよっちゃん】
「平気の平左」【へいきのへいざ】
「平気の平左」の意味は、「平気である事」です。
ちなみに「平気の平左」の「平左」は、「平左衛門」という名前です。
「平気」という言葉を語呂合わせてして、架空の名前にした、テンポの良い言葉です。
ぜひ、黙読ではなく「平気の平左」と口に出して欲しいと思います。
例えば「俺は転んでも『平気の平左』だ」などという文章を作る事ができます。
「失恋しても『平気の平左』」などと口に出してみると、本当に平気になってくるかもしれません。
「余裕のよっちゃん」【よゆうのよっちゃん】
「余裕のよっちゃん」も、「屁の河童」のような言葉です。
「何も問題がない」「心配ない」という意味が含まれた、余裕をアピールするための言葉です。
「平気の平左」が「平気の平左衛門」であるのと同じように、語呂を合わせて言葉遊びをしているうちに生まれた言葉だと考えられています。
この言葉が生まれたのは昭和50年代とされていますので、40代以上の人なら聞いた事や使った事があるかもしれません。
今では聞かれなくなりましたが、とても懐かしい言葉のひとつです。
ぜひ、これを機会に「余裕のよっちゃん」という言葉を覚えて、40代以上の人に使ってみましょう。
「この仕事なら『余裕のよっちゃん』です」などと言うと、上司が喜ぶかもしれません。
「屁の河童」という言葉の意味や使い方を見てきました。
クラシカルで最近使われなくなった言葉ですが、このまま埋もれさせてしまうのはもったいないくらい、使って楽しい言葉です。
今後とも「平気だ」というアピールをしたい時に、「屁の河童」という言葉を積極的に使ってみましょう。