「希薄」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「希薄」の意味や類語を紹介します。
さらに「希薄」の対義語や、「希薄」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「希薄」の意味とは?
- 「希薄」の対義語
- 「希薄」を使った例文
- 「希薄」の類語
- 「希薄」を使った言葉と意味を解釈
「希薄」の意味とは?
「希薄」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
知っているという人もいるでしょうし、「希薄」という言葉を日常的に使っている人もいるかもしれません。
一方で、「希薄」という言葉を今回、初めて目にしたという人もいるかもしれません。
さらに「希薄」という言葉をどのように読めばいいのか、分からない人もいるでしょう。
そこで「希薄」の読み方と意味を紹介します。
使える幅が広い便利な言葉ですので、意味を知って使いこなせるようになってみましょう。
- 「希薄」の読み方
- 「希薄」の意味
「希薄」の読み方
「希薄」は「きはく」と読みます。
「きぼ」などと読み間違う人がいますので、これを機会に「希薄」は「きはく」と読む事を覚えておきましょう。
「希薄」の意味
「希薄」にはどのような意味があるでしょうか。
「希薄」には、「液体や気体などの密度が薄い事」という意味があります。
例えば、高い山の上の方に行くと空気が薄くて苦しく感じる時があります。
このような時、「希薄な空気」と言う事ができます。
さらに「希薄溶液」などという商品を見たことがある人もいるかもしれません。
また「希薄」には、「物事を感じ取る事、さらに物事に働きかけるなどの行動が弱い」という意味もあります。
「気持ちや意識が薄い、弱い」という意味もあります。
例えば、「彼は『希薄』な人だ」という場合、気持ちが弱く、感情的な要素が少ない人だという意味になります。
どれだけ感動的な映画を見ても、何も感じないタイプの人や、悲しい出来事が起こっても感情が動かない人などは「希薄」と呼ばれます。
「希薄」の対義語
次に「希薄」という言葉の対義語を見て行きましょう。
「希薄」という言葉と180度近く逆に位置する言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「濃い」【こい】
- 「濃厚」【のうこう】
「濃い」【こい】
「濃い」という言葉は、日常的に使用する言葉のひとつです。
「濃い」には、「液状のものの中に含まれている成分の割合が多い」という意味があります。
例えばラーメンが好きな人は多いと思います。
その中で「濃いラーメン」と呼ばれるラーメンがあります。
スープの中に含まれている、水以外の成分が多いラーメンが「濃いラーメン」と呼ばれます。
例えば、鳥や豚から溶けだしたタンパク質やカルシウム、油分などが多いほど「濃い」スープになります。
このように「濃い」には、液状のものの中に含まれている成分が多いという意味があります。
「濃厚」【のうこう】
「濃厚」は「「濃い事」を意味します。
「濃厚」は、正式な「希薄」の反対語のひとつですので覚えておきましょう。
先ほどの「濃いラーメン」も「濃厚なラーメン」と言い換える事ができます。
「希薄」を使った例文
「希薄」という言葉を使った例文を紹介して行きます。
様々な場面における、「希薄」を使った文章を見ると、「希薄」という言葉の使い方が見えてくるかもしれません。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける「希薄」を使った例文を紹介します。
「Aさんが提案した新しい企画には、目新しい内容がなかった。そのため課長から『お前の提案は希薄すぎる』と注意された」
仕事の場面では、新しい企画やアイデアの提出が求められる事があります。
そこでこの例文に登場するAさんのように、数だけ揃えようとあまり考えずに企画やアイデアを提出して、内容が薄すぎて「希薄」と言われる事があります。
できれば質を伴った企画やアイデアを提出するようにしましょう。
例文2
日常的な場面における、「希薄」を使った例文を紹介します。
「高校時代のクラスメートが集まる同窓会に参加した。懐かしい顔が揃っていたので、端から声を掛けて行ったが、誰も私の事を覚えていない。改めて自分はクラスで、「希薄」な存在だったのだと知った」
たくさんの人が集まる場所に行くと、空気のように「希薄」な存在になる人がいます。
この例文に登場する人物の気持が分かるという人も、少なくないでしょう。
存在感が無い、「希薄」な人、と呼ばれるのは切ないものですが、悪い目立ち方をしていないという意味で、社会マナーがしっかりした、いい人なのかもしれません。
「希薄」の類語
「希薄」の類語を紹介します。
「希薄」と同じような意味を持つ言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「薄い」
- 「消えぎえ」
「薄い」
「薄い」には「濃度や密度が少ない」という意味があります。
例えば墨を擦って書き初めなどをする時に、水の量が多すぎると墨汁の中の、墨の量が少なすぎてしまいます。
結果的に墨の濃度や密度が少なくなり、書いた線が「薄い」状態になります。
また空気の中の、酸素の密度が少ない場合、少し歩いただけで息切れをしてしまいます。
高い山を歩いている時などは、空気が「薄い」ため、呼吸が苦しくなるでしょう。
このように「薄い」という言葉には、「濃度や密度が少ない」という意味があり、「希薄」とほとんど同じ意味の言葉として使う事ができます。
「消えぎえ」
「消えぎえ」という言葉も、「希薄」とよく似た言葉です。
「消えぎえ」には、「消えそうなほど薄い様子」という意味があります。
例えば、初雪が降った時、雪の量が少ないとすぐに道路や地面に溶けて消えてしまいます。
このような消えそうなくらい薄い雪を見た時は、「消えぎえとした雪」と表現する事ができます。
とても「薄い」という意味の言葉を使いたい時に、この言葉を使ってみましょう。
「希薄」を使った言葉と意味を解釈
最後に「希薄」を使った言葉を紹介します。
「希薄」という言葉を使う時の、定型句のような言葉ですので、知っておくと便利でしょう。
- 「人間関係が希薄」
- 「内容が希薄」
- 「存在が希薄」
「人間関係が希薄」
「人間関係が希薄」というフレーズは、定型句のように良く使う言葉です。
例えば友達と会って飲み会をしたり、お茶を飲んだりする時間が楽しいと感じる人もいれば、楽しく感じない人もいます。
後者の人は、一人の時間が好きな人で、誰かと濃密な関係を築くのが苦手な人です。
このような人は誰とも濃い付き合いをしていないため、「人間関係が希薄」と言われてしまいます。
本人には「希薄」という意識がなくても、一般的に知られている人間関係よりも薄いとされる付き合いをする人は、「人間関係が希薄」と言われます。
「内容が希薄」
「内容が希薄」という言葉も、日常的に使う言葉です。
例えばミステリー小説を購入した時に、話の内容が薄いと感じたり、キャラクターの描かれ方が薄いと感じる時に、「内容が希薄」と表現します。
小説だけでなく映画やドラマ、論文などに対しても、「内容が希薄」という表現が使われます。
「存在が希薄」
「存在が希薄」という言葉も、「希薄」という言葉の定型句のような言葉です。
たくさんの人が集まる場所に行くと、まるで目立たない人がいますが、このような人は「存在が希薄」と呼ばれるタイプの人です。
繁盛している飲食店で、店員さんを呼ぶ時に、何度声を掛けても振り向いてもらえないような人は、「存在が希薄」な人と言えるでしょう。
「希薄」という言葉の意味や使い方を見てきました。
「希薄な存在」と呼ばれる事が多い人は、この言葉との付き合いが長い人かもしれません。
とはいえ、人には自分なりの振る舞い方やペースがありますので、「希薄」と言われても、気にし過ぎず、自分のペースで生きて行く事をおすすめします。