「指示を仰ぐ」の意味・対義語【使い方や例文】
社会人になってから、学生時代ではあまり使うことのなかった言葉をよく使うようになってきます。
「こんな言葉ってあったっけ?」と思うことが時々出てくるのではないでしょうか?
そのような体験は、ビジネスシーンでは上司など立場の上の人から、「指示を仰ぐこと」でよく経験することです。
しかし、ここで出てきた上司や先輩など、目上の人に「指示を仰ぐ」という言葉も日常的な行動ですが、どんな意味ばあるのかさえ理解していない侵入社員の人も入るのではないかと思います。
ここでは、仕事で当たり前のように使われてる「指示を仰ぐ」という言葉について見ていくことにします。
目次
- 「指示を仰ぐ」の意味とは?
- 「指示を仰ぐ」を分解して解釈
- 「指示を仰ぐ」の言葉の使い方
- 「指示を仰ぐ」を使った例文・短文(解釈)
- 「指示を仰ぐ」の英語
- 「指示を仰ぐ」時の敬語の表現例
「指示を仰ぐ」の意味とは?
「指示を仰ぐ」という言葉は「上司などの目上の人から目的や担当している仕事について理想的なあるべき対策や方法の指導を受ける」という意味があり、自分でどのような方法がベストなことなのか迷った時に、相談したり、お願いする時に使います。
- 「指示を仰ぐ」の読み方
「指示を仰ぐ」の読み方
「指示を仰ぐ」は、「しじをあおぐ」という読み方になります。
「指示を仰ぐ」を分解して解釈
では、「指示を仰ぐ」を「指示」と「仰ぐ」の2つに分解して意味を見ていくことにしましょう。
- 「指示」
- 「仰ぐ」
「指示」
「指示」という言葉の意味は、「これがそうだと指をさして示すこと」や「こうしなさいと指図(さしず)する」ということを言っています。
特にビジネスシーンにおける「指示」は、「物事のやり方や方法を指し示す」という意味合いになってきますので、「指導する」、「指揮を取る」といったようなイメージになるでしょう。
「仰ぐ」
「仰ぐ」には、色々な意味がありますが、「天を仰ぐ」や「山頂を仰ぐ」のような使い方のように「上を向いて高い所を見る」や「見上げる」という意味がある他に、「人を尊敬する」という意味もあります。
「師と仰ぐ」という言い方を聞いたことがあるでしょう。
しかし、「指示を仰ぐ」の時の「仰ぐ」とは、「目上の人や尊敬する人などに教示や援助を求める」や「恩恵を受ける」という意味が当てはまります。
「仰ぐ」という言葉は「受ける」の謙譲語で、「教えや援助を求める」ような意味合いが含まれています。
「指示を仰ぐ」の言葉の使い方
「指示を仰ぐ」の使い方は、自分が何か物事で悩んだ時は、選択肢が多くてどの方法を選べばいいのか迷った時に使うことになります。
また、全くアイデアが出てこなくて、白紙の状態で上司に「指示を仰ぐ」こともあります。
「指示を仰ぐ」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「指示を仰ぐ」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「指示を仰ぐ」の例文1
- 「指示を仰ぐ」の例文2
- 「指示を仰ぐ」の例文3
「指示を仰ぐ」の例文1
「現在、提案中の商品はコストが合わずに他の商品に変更して提案したいと考えています。しかし、変更したいと考えている商品は、以前に納品した実績のあるお客様なので判断に悩んでいます。ご指示を仰ぎたくお願い申し上げます」
営業マンだと、このように提案している商品を何らかの理由で変更して再提案せざるをえないというケースがよくありますが、本人ではどうにも判断がつかないことも多々出てきます。
このような時に上司に相談することになります。
「指示を仰ぐ」の例文2
「4月上旬実施予定の説明会の開催場所変更についてご相談があります。毎年大阪ホテルの会場で実施していましたが、今年は既に満杯で予約が取れない状態です。近郊に同じ広さの会場が2つあることが確認できたのですが、いずれも大阪ホテルの会場よりも費用が3割ほど高くなってしまい、予算が厳しい状況です。開催地区を変更すると、予算内に収まるのですが、この件で地区の変更は問題ないでしょうか?私だけで判断がつかないためにご指示を仰ぎたく」
この場合は、年度初めの取引先を招待しての説明会なのでしょう。
しかし、場所の制約上、予算と実施効果、および慣習的な変更まで踏み込んだ悩ましい課題を自分自身では判断ができないために、上司に指示を仰いでいます。
「指示を仰ぐ」の例文3
「山下課長お疲れ様です。山下です。3月15日に竹下株式会社に継続販売の商品変更について、問題がないかご意見を伺いたく存じます。提案している商品Aがソフトトラブルで商品販売が一旦停止となっています。このままでは、取引先にご迷惑をおかけしますので、別の商品に変更して提案しようと思っています。しかし、変更商品と現行商品は価格的に2割程アップするのですが、現行商品と同じ価格で提供せざるをえない状況です。私の考えで進めていいものか悩んでおり、ご指示を仰ぎたくお願い致します」
これも前の例文と似たようなケースでのシーンですが、販売商品が自社のソフトトラブルから販売を一旦停止しています。
代替品はコストアップになるものの、取引先からは、現行商品と同価格での供給を要請しているのかもしれませんが、このような時だからこそ、上司に相談すべき事項だと思います。
「指示を仰ぐ」の英語
「指示を仰ぐ」を英語で言い換えると、“To seek direction”、“ask for instructions”となります。
「指示を仰ぐ」時の敬語の表現例
「指示を仰ぐ」時の敬語の表現事例を見ていきますが、次のような言い方ができます。
- 「指導を仰ぐ」
- 「判断を仰ぐ」
- 「協力を仰ぐ」
- 「教示を仰ぐ」
「指導を仰ぐ」
「指導」とは、「ある目的に向かって教え導くこと」という意味になりますので、上司に指導してもらう場面で使われる言葉です。
その他にも、恩師や先生から「指導を仰ぐ」というケースもあるでしょう。
「判断を仰ぐ」
「判断」は「ある事柄について、考えをまとめて定めること」や「その断定した内容」ということになります。
いくつかの選択肢のアイデアや対策案が出てきたものの、どの選択肢が一番効果的なのか悩んだ時に、上司など目上の人の「判断を仰ぐ」ということになります。
「協力を仰ぐ」
「協力」とは、「目的に向かって心を合わせ努力すること」という意味です。
「協力を求める」という場合は、同僚や後輩なども含めて、自分と立場が近い相手に使うことになりますは、上司などに対する場合は、「協力を仰ぐ」となります。
「教示を仰ぐ」
「教示」とは、「教え示すこと」です。
やり方や方法、手段などを教え示すことをお願いする意味で使われることになりますが、自分が知らないことについて、経験のある人や知識のある人にアドバイスを求める時に「教えを乞う」という意味で使われます。
「指示を仰ぐ」という場面は、社会人になったなら、いつでも起こりうることです。
相談を受けた上司は、その相談について真剣に頭を悩まして、適切な指示を部下に出します。
しかし、このような行動は、数年後には、あなた自身が後輩や部下に出す立場になるかもしれませんので、「指示を仰ぐ」時は、上司がどのような思考で物事を判断しているかもしっかりと見て勉強しておくことです。