「あと味が悪い」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
日本語には、色々言葉がありますが、その中には、比喩的な表現で物事のありさまや事象を例えることがあります。
このような比喩的な表現は、昔から伝わることわざや、四字熟語で言い表すこともあるのですが、現代的な語句で語ることもあります。
その一つに「あと味が悪い」という言い方がありますが、このような表現は、テレビドラマや小説の中でしか用いられるセリフではないかなと思いきや、意外と私達の身近な生活シーンの中でも、使われている言葉です。
ここでは、この「あと味を悪い」という言葉について見ていくことにします。
目次
- 「あと味が悪い」の意味とは?
- 「あと味が悪い」の「あと味」とは?
- 「あと味が悪い」の使い方
- 「あと味が悪い」を使った例文・短文(解釈)
- 「あと味が悪い」の英語
- 「あと味が悪い」の類語や言い換え
「あと味が悪い」の意味とは?
「あと味が悪い」の「あと味」とは、「ものを飲み食いした後に口に残る味のこと」を指していますが、そこから意味が転じて、「ものごとが終わったあとの気分」を意味する慣用句としても使われています。
ただ、しかしこの「あと味」の使い方を注意して見ると、「化学調味料で調理された料理は、あと味が悪い」、「犯人の事故で幕引きとなってしまったあと味のよくない事件だった」というように「悪い」、「よくない」と否定的な意味合いで使われていますので、食べているときは、美味しいと思っていてもも、あとに口に嫌な味が残ってしまっている場合や、ものごとに取り敢えず、それなりの一定の決着は見たものの、何処かすっきりしない気分が残ったままで、素直に喜べないといったケースで、この言葉を使って、そのときの心境を表すことになります。
- 「あと味が悪い」の読み方
「あと味が悪い」の読み方
「あと味が悪い」とは、「あとあじがわるい」という読み方になり、決して難しいことはありません。
ちなみに「あと味」を漢字で書くと、「後味」となります。
「あと味が悪い」の「あと味」とは?
「あと味」は、料理を食べた後に「後味がいい料理だね」
と誉めたとしても、シェフやコックさんから見ると「あと味はよいと言われても、食べたときの味は大したことないってことを言いたいの?」と、「あと味が悪い」褒め方になってしまいますので、誉めたつもりが結果的には、けなしているとしか受け止められないのです。
このように「あと味が悪い」という表現のときの「あと味」とは、何か気分的に「スッキリとしない」ような気持ちを言い表わしていることになります。
「あと味が悪い」の使い方
「あと味が悪い」を使う場面を考えてみると、食後の味に対する感想を述べるのではなく、ものごとの結果を見て、何処か心の中で飲み込めない、あるいは受け入れることができない場合に使われることになるでしょう。
「あと味が悪い」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「あと味が悪い」を使った例文を見ていくことにします。
- 「あと味が悪い」の例文1
- 「あと味が悪い」の例文2
- 「あと味が悪い」の例文3
「あと味が悪い」の例文1
「これほど捜査関係者にとって、後味の悪い事件も、近年ではなかった」
世の中には色々なタイプの事件・事故にも起こります。
その中には、何とか解決にはいたったものの、何故か心が晴れない「あと味の悪い」事件もありますね。
「あと味が悪い」の例文2
「あの映画は、見終わったあと味が悪くて、あまり好きになれないのでした」
映画を見て感動するストーリーであればいいのですが、その終わり方が中途半端で、スッキリしないものもありますね。
前評判がよかっただけに、納得できない映画であれば、なおさら「あと味の悪い」作品としか思えないかもしれません。
「あと味が悪い」の例文3
「せっかく試合に勝ったのに、主審の誤審騒動で、あと味の悪いものとなりました」
試合に勝つことで必死に練習してきた結果、悲願の全国優勝を果たしたのに、主審の誤審でドタバタ騒ぎ。
何とか勝つことはできたものの、チーム全員の心の中に残ったものが「あと味の悪い記憶」なのかもしれません。
「あと味が悪い」の英語
「あと味が悪い」を英語で訳すと、「悪いあと味を残す」という解釈から、“leave a bad taste in the mouth”と表現することになります。
「あと味が悪い」の類語や言い換え
また、「あと味が悪い」という表現を他の言葉で言い換えると、次のような言葉で言うことができます。
- 「解せない」
- 「釈然としない」
- 「疑問の残る」
「解せない」
「解せない」は「げせない」という読み方なりますが、「納得する」という意味の可能動詞「解せる(げせる)」を否定的な助動詞の「ない」が付いた連語であり、意味は「納得できない」ということになります。
「今回の事件で特に解せないのは、事件の3ケ月前に掛けられた多額の死亡保険のことです」
刑事ドラマ出でくるようなセリフですが、日常的な会話の中ででら、「納得すること」を「解す」と言うことはまずありまさゆ。
しかし、「解す」を否定する「解せない」は、今も通常の身近な会話の中でも、使われている言葉ですね。
「釈然としない」
「釈然としない」とは、「疑念や迷いが晴れずにスッキリとしないさま」や「腑に落ちない」という意味になります。
「釈然としない」は、疑問が完全には解決しなかった場合に、自分自身に言い聞かせるように使ったり、解決策を投げ掛けた相手や周囲の人に対して使われますが、「釈然としない」という言い方は、日常的にはあまり頻繁に使う言葉ではないので、他に身近な言い回しをする方が、多いのではないかと思います。
中高年の人のように一定の年齢に達している人が使ったり、目上の一握り対する会話の中で、かしこまった場面で使われることが多くなっている印象があります。
相手の言い分に対して、「釈然としない気持ちになった」というような使い方をしますが、「釈然としない」は自分の気持ちを表現している言葉で、そこに「気持ち」を付けると相手に対して、その心境を強調することができます。
「疑問の残る」
「疑問が残る」とは、「事案が終了していても、何処か未だに釈然としない部分や理由のわからない部分がある」といった意味合いの表現です。
「君の言っていることは、ある意味、正しいかもしれないが、まだ疑問が残るんだ」
このような使い方になってきます。
「あと味が悪い」という言葉を調べてみると、私達の生活の中や仕事の場面でも、何処か心の奥底で疑問が残ってしまうことがありますね。
人は、心境的にどんなことでも、徹底的に納得したいものなのかもしれません。
特に仕事においては、妥協することなく、自分が理解するまでこだわる気持ちを持つことも必要です。