「一抹の寂しさ」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
人は、1人では生きていくことができない生き物と言われることがありますが、自分の周りを見渡してみた時に、自分の思いや悩みを打ち明けることができる人がいなかったなら、これほど辛いことはないでしょう。
心を通わせることができる家族や恋人、友人、あるいは同僚や隣人がいるのであれば、とても幸せなことです。
しかし、そうでない人はどんなに精神的に強い人でも、ふと「一抹の寂しさ」に駆られることがあるはずです。
でも、この「一抹の寂しさ」という言葉にどのような意味が込められているのか、どんな場面で使われるのか、分からない人も少なくありません。
ここでは、この「一抹の寂しさ」について、この言葉の意味や活用場面を例文形式で見ていきたいと思います。
それによって、この表現についての理解を深めてください。
目次
- 「一抹の寂しさ」の意味とは?
- 「一抹の寂しさ」を分解して解釈
- 「一抹の寂しさ」の使い方
- 「一抹の寂しさ」を使った例文・短文(解釈)
- 「一抹の寂しさ」の英語
- 「一抹の寂しさ」の類語や言い換え
「一抹の寂しさ」の意味とは?
「一抹の寂しさ」とは、「ほんの僅かな心寂しさ」を意味している言葉です。
「我が子の独り立ちに一抹の寂しさを覚えてしまった。」というような言い方をして使われています。
- 「一抹の寂しさ」の読み方
「一抹の寂しさ」の読み方
「一抹の寂しさ」は、「いちまつのさびしさ」という読み方になります。
「一抹の寂しさ」を分解して解釈
では、「一抹の寂しさ」を「一抹」と「寂しさ」に分けて、2つの言葉の意味を個別に解釈していくことにします。
- 「一抹」
- 「寂しさ」
「一抹」
「一抹」とは、「ぼかして塗ること」という意味がありますが、ここでは「ほんの少し」、あるいは「ほんの僅かなこと」という意味があります。
「一抹」は、「一抹の不安」などでも使われている言葉ですが、「僅かな不安」という意味で解釈することができます。
「寂しさ」
「寂しさ」は、「淋しさ」という漢字で使われることもあり、形容詞の「寂しい」に接尾語の「さ」により体言化した形の語句です。
「寂しさ」とは、「心が満たされず、物足りない気持ちのこと」や「仲間や相手になる人がいなくて心細い気持ち」、「人の気配がなくて、ひっそりとしている」という意味があります。
「一抹の寂しさ」の使い方
「一抹の寂しさ」は、「ほんの僅かな心寂しさを意味する語句で「息子の独り立ちに一抹の寂しさを覚える」などのようなケースの時に「心の寂しさ」を描写する場面で使われます。
「一抹の寂しさ」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「一抹の寂しさ」を使った例文を見ていくことにします。
- 「一抹の寂しさ」の例文1
- 「一抹の寂しさ」の例文2
- 「一抹の寂しさ」の例文3
「一抹の寂しさ」の例文1
「私は感謝したい気持で一杯だったが、やはり一抹の寂しさが残り、涙が溢れていたのです」
人への感謝の気持ちを込めてお礼を言った「私」は、その人との別れでもあったことから、寂しい気持ちになっていたような場面で使われているのかもしれません。
お世話になった人への感謝の気持ちはとても大切なのですが、その一方で別れがあった場合に、このような心の中に空しさが生まれてくるのかもしれません。
「一抹の寂しさ」の例文2
「この嬉しさと同時に一抹の寂しさを感じるのはなぜだろう」
この例文も、前の例文と似たような心理状態を描写しています。
あまりの嬉しさに喜びを気持ちで一杯にはつている一方で心の中に寂しい気持ちも僅かながら、同居しているのかもしれません。
大きな目標に向かって一生懸命に頑張っている時は、脇目も降らずに走り続けていたのが、その目標を達成した後に次なる目標を見つけることができずに、放心状態になったり、寂しい気持ちなった時に、「一抹の寂しさ」という言葉が当てはまると思います。
「一抹の寂しさ」の例文3
「エリート街道をまっしぐらに突き進んできた山中さんとしては、一抹の寂しさがあるかもしれない。」
エリート社員として仕事に力をいれて、社会的地位を築いたことはよかったのですが、自分の人生を振り替えってみると、独身で愛する人がいないことに寂しいと空しさを感じた彼がいたのです。
「一抹の寂しさ」の英語
「一抹の寂しさ」を英語で表現はするなら、“oneliness of hatching”となります。
「一抹の寂しさ」の類語や言い換え
では、感謝の一抹の寂しさを他の言葉で表現するなら、どのような言葉があるのてしょうか?
- 「ちょっとした侘しさ」
- 「僅かな孤独感」
- 「心に穴が開く」
「ちょっとした侘しさ」
「一抹の寂しさ」の類義語として出て来るのが、「ちょっとした侘しさ」かもしれません。
「孤独や見捨てられることから生じる悲しみ」という意味が「侘しさ」にあるのですが、そのような気持ちが少しだけあるのが、「ちょっとした侘しさ」です。
何処か心の奥底で、切なく1人ぼっちのことがあるのでしょう。
「僅かな孤独感」
「孤独(こどく」とは、「他の人々との接触・関係・連絡がない状態」を指していますが、「時折、自分が1人である」というような心理状態に陥る「孤独感」を指しています。
職場でも、いつもは賑やかでユニークな人がいるかもしれませんが、このようなタイプの人でも、実は寂しがり屋で1人でいることが耐えられないということがあります。
この手の人は、「僅かな孤独感」でも、辛いことから、明るく振る舞って人の関心を惹こうとしている節があります。
「心に穴が開く」
「心の穴が開く」とは、「大切な人と別れた場合や、大事な物を失った場合」に「当然のものが無くなった喪失感を言い表す」言葉です。
自分の大切にしていた物を無くした時や、愛する人が遠ざかっていったり、失ってしまった時に、「心に穴が開く」という表現が使うことがあります。
「心にポカンと穴が空いたような気持ちになって、今は何もする気力がありません」
こんな言葉を聞いたことがある人もいるのではないかと思うのですが、恐らく悲しい出来事が身に降りかかってきて、身体から力が抜けていき、何もする気力がないといったような状態を指しています。
「一抹の寂しさ」というと、普段はとても明るく賑やかな振る舞いや行動をしている人が、1人になると寂しい気持ちで表面上では把握することがない心の闇のような状態を言っているのかもしれません。
誰でも、ふとした時に孤独な気持ちになることがありますが、それで人は、前向きに生きていこうと努力します。
ただ、心の奥底に横たわっている寂しい気持ちが込み上げてくる時に、幼い時代の悲しい出来事や記憶が蘇ってくるかもしれません。