「荼毘に付す」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「荼毘に付す」とは、「亡くなった方の遺体(死体)を火葬にすること」や「亡くなった方の遺体を埋葬すること」です。
「荼毘に付す」の「意味・読み方・分解した解釈・語源・例文と解釈・英語・類語や言い換え」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「荼毘に付す」の意味とは?
- 「荼毘に付す」を分解して解釈
- 「荼毘に付す」の語源
- 「荼毘に付す」を使った例文・短文(解釈)
- 「荼毘に付す」の英語
- 「荼毘に付す」の似た意味の言葉・類語や言い換え
「荼毘に付す」の意味とは?
「荼毘に付す」の意味は、「亡くなった方の遺体(死体)を火葬にすること」や「亡くなった方の遺体を埋葬すること(多くは火葬をした後に埋葬すること)」になります。
「荼毘に付す」という言葉は仏教の火葬の慣習と馴染みが深いものであり、「荼毘」という漢字表記は元々は古代インドのパーリ語やサンスクリット語で「火葬」を意味する言葉に由来していると言われています。
そのため、「荼毘に付す」は「仏教用語」としても解釈されます。
仏教では、紀元前383年頃に開祖の釈迦(ブッダ)がクシナガラで入滅(死去)しますが、釈迦(ブッダ)は香料の薪をくべた炎によって火葬されたと伝えられています。
そういった釈迦(ブッダ)火葬の歴史から、仏教では死者の弔い方として火葬が一般化してパーリ語・サンスクリット語に由来する「荼毘に付す(火葬する)」という言葉が日本伝来後に普及することになったのです。
- 「荼毘に付す」の読み方
「荼毘に付す」の読み方
「荼毘に付す」の読み方は、「だびにふす」になります。
「荼毘に付す」を分解して解釈
「荼毘に付す」という慣用句を「荼毘」と「付す」に分解して、それぞれの意味を解釈していきます。
- 「荼毘」
- 「付す」
「荼毘」
「荼毘(だび)」という言葉の意味は、「火葬」になります。
現代では「(火葬後の)埋葬・(火葬後の)墓地や納骨堂への遺骨安置」まで含めて、「荼毘」という言葉で表現しています。
「荼毘」の語源は、古代インドの仏教共同体で経典研究に使われていたパーリ語の「jhpeta」とサンスクリット語の「dhyapayati」にあるとされています。
「付す」
「付す」という言葉の意味は、「〜を処理する・〜を決定する・〜の措置をする」といった意味になります。
「付す」という動詞は多義的な言葉で、それ以外にも「一緒に付いていく」「〜を与える」「取り付けられる」などの意味があります。
しかし、「荼毘に付す」という慣用句では、「火葬(埋葬・納骨)の処理や措置をする」といった意味になってきます。
「荼毘に付す」の語源
「荼毘に付す」の語源は、「荼毘(だび)」という言葉が古代インドの仏教共同体(サンガ)の経典研究に使われていたパーリ語やサンスクリット語の「火葬を意味する言葉」が語源になっています。
上座部仏教(小乗仏教)の経典に使われるパーリ語では火葬を「jhpeta」という言葉で表現し、大乗仏教で使われるサンスクリット語では火葬を「dhyapayati」という言葉で表現していました。
それらのパーリ語とサンスクリット語の火葬の音が、中国で「荼毘」という漢字の音読みに置き換えられ、538年(589年)頃に日本に中国・朝鮮半島を経由して仏教が伝来しました。
その後、「遺体を火葬にする」という意味で「荼毘に付す」という言葉が日本に広まっていき、現在では「火葬・埋葬の両方を含めた意味」で使われています。
「荼毘に付す」を使った例文・短文(解釈)
「荼毘に付す」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「荼毘に付す」の例文1
- 「荼毘に付す」の例文2
- 「荼毘に付す」の例文3
「荼毘に付す」の例文1
亡くなった祖父は、昨日、荼毘に付されることになり、遺骨は菩提寺の先祖代々の墓へ納骨された。
この例文における「荼毘に付す」は、亡くなった祖父の遺体・死体を火葬にして弔ったこと、火葬後の祖父の遺骨を先祖が眠る菩提寺(ぼだいじ)のお墓に納骨したことを意味しています。
「荼毘に付す」の例文2
どんな善人もどんな悪人も、荼毘に付されて遺体が燃やされてしまえば、もう生前の功績や罪悪をあれこれ議論しても詮無きことになってしまうものだ。
この例文における「荼毘に付す」は、生前の善行も悪行も虚しいものにしてしまう「遺体の火葬」のことを意味しています。
「荼毘に付す」の例文3
寝たきりの介護状態に陥っている母を、きちんと荼毘に付す日まで世話することが、息子として出来る最後の親孝行になりそうである。
この例文における「荼毘に付す」は、過去に優しく育ててもらった恩義のある母親が寝たきりの介護になり、その母親が亡くなって火葬されることを意味しています。
この例文は、母親が亡くなって火葬するその日までは、最後の親孝行として介護・世話をしていきたいということを意味しています。
「荼毘に付す」の英語
「荼毘に付す」の英語は、「cremate(火葬する)」「to cremate the dead(死体を火葬にすること)」や「to cremate one's remains(遺体・遺骸を火葬にすること)」になります。
“I cremated my grandmother.” (私は祖母を荼毘に付した。)
“The expression to 'practice Dabi' means to cremate.” (荼毘に付すという表現は、火葬することを意味している。)
「荼毘に付す」の似た意味の言葉・類語や言い換え
「荼毘に付す」の似た意味の言葉・類語や言い換えには、どのようなものがあるのでしょうか?「荼毘に付す」の似た意味の言葉・類語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「火葬する」
- 「埋葬する」
- 「火葬後に墓地・納骨堂に遺骨を納める」
「火葬する」
「荼毘に付す」の似た意味の言葉・類語として、「火葬する」があります。
「荼毘に付す」という言葉は、語源・由来からしても「火葬すること」を意味しています。
そのため、「荼毘に付す」のもっともストレートな類語として、「火葬する」を指摘できます。
「埋葬する」
「荼毘に付す」の似た意味の言葉・言い換えとして、「埋葬する」があります。
「荼毘に付す」という言葉は、現代では「火葬すること」に加えて「埋葬すること・火葬後に納骨すること」の意味でも使われています。
そのことから、「荼毘に付す」という言葉は「埋葬する」という言葉で言い換えることができます。
「火葬後に墓地・納骨堂に遺骨を納める」
「荼毘に付す」の似た意味の言葉・言い換えとして、「火葬後に墓地・納骨堂に遺骨を納める」があります。
「荼毘に付す」という言葉の元々の意味は「火葬すること」ですが、現代では火葬後に墓地や納骨堂に遺骨を安置することまで意味するようになっています。
そういった言葉の意味の歴史的変化も考慮して、「荼毘に付す」に似た言葉として「火葬後に墓地・納骨堂に遺骨を納める」を上げることができます。
「荼毘に付す」という言葉について徹底的に解説しましたが、荼毘に付すには「亡くなった方の遺体(死体)を火葬にすること」や「亡くなった方の遺体を埋葬すること」の意味があります。
荼毘に付すの類語・言い換え・似た言葉としては「火葬する」「埋葬する」「火葬後に墓地・納骨堂に遺骨を納める」などがあります。
「荼毘に付す」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。