「何ものにも代え難い」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
何ものにも代え難いという言い方は、それなりに聞くことがある表現です。
アニメや映画の中などでもよく使われており、それだけ大事、大切だということを表現できる慣用句です。
目次
- 「何ものにも代え難い」の意味とは?
- 「何ものにも代え難い」を分解して解釈
- 「何ものにも代え難い」の使い方
- 「何ものにも代え難い」を使った例文と解釈
- 「何ものにも代え難い」を英語で表現すると?
- 「何ものにも代え難い」の類義語や関連した表現
「何ものにも代え難い」の意味とは?
何ものにも代え難いは、「どんなものにも代えることができないほど」という意味で使います。
この表現を見掛けたら、それほどまでに大事だったり、大切にしているのだと解釈してください。
その対象は物だったり、人であったり、思い出ということもあります。
このように、特に対象を限定することなく、自分がそれをそれだけ大事、大切だと思えば、何を対象としても使える表現です。
- 「何ものにも代え難い」の読み方
「何ものにも代え難い」の読み方
「何ものにも代え難い」は、「なにものにもかえがたい」と発音してください。
「難い」は「にくい」とも読めますが、そう発音してしまうのは間違いです。
それでも一応意味は通りますが、人前でそのように使ってしまうと、間違って覚えていると思われてしまい、恥ずかしい思いをしてしまうかも知れないので注意してください。
「何ものにも代え難い」を分解して解釈
「何ものにも代え難い」を2つに分解して、それぞれの意味から、詳しくこの慣用句について見ていきましょう。
1つの文章として完成している表現ですが、遭えて分けて考えてみると、もっと深くこの慣用句について知ることができるでしょう。
- 「何ものにも」【なにものにも】
- 「代え難い」【かえがたい】
「何ものにも」【なにものにも】
ここで言う「何もの」とは、物や人、その他も含めたあらゆる全ての「もの」です。
「どんなものにも」ということがよく分かる表現となっています。
例えば、それが巨万の富であったり、どんな体験だったり、(男性なら)誰もがうらやむような美女だったとしてもということです。
「代え難い」【かえがたい】
「代え難い」は、「代用はできない」と解釈します。
「難い」を「がたい」と発音することで、その意味がよく分かるのが特徴です。
間違って「にくい」と読んでしまうと、「代用はしづらい」という意味にもとれてしまい、この慣用句の意味が少し弱くなってしまうことが考えられます。
その為、この「代え難い」は、必ず「かえがたい」と発音してください。
「何ものにも代え難い」の使い方
何ものにも代え難いは、それだけの対象がある時に使う言葉です。
ですが、無理に使う慣用句でもありません。
この表現で表せるほどの大事、大切な存在があったとしても、それを無理に人に伝える必要はないからです。
また、少々大袈裟になってしまうことも、実際にこの慣用句をあまり使う場面がない理由の1つです。
本当に必要があった場合にのみ使ってこその表現です。
「何ものにも代え難い」を使った例文と解釈
何ものにも代え難いを使った例文を挙げていきますが、実際にもこのように使われることがほとんどです。
どれも難しい使い方ではないので、用例として覚えてしまうと、応用にも役に立つでしょう。
- 「今年の合宿では、何ものにも代え難いほどの経験をした」
- 「自分にとって、この時計は何ものにも代え難い」
- 「確かに大切だけど、何ものにも代え難いとまで言うのは大袈裟だと思った」
「今年の合宿では、何ものにも代え難いほどの経験をした」
その合宿での経験が、それほど大事なものになったという使い方です。
それだけの経験ができたのはとても貴重なのは言うまでもなく、そのまま大事に心にしまっておいて欲しいと思います。
「自分にとって、この時計は何ものにも代え難い」
そこまで言うほどの時計とは、大切な人から譲り受けた物などだと推測できます。
または、自分がとても苦労としてお金を溜めて買った(その思い出も詰まった)一品なのかも知れません。
「確かに大切だけど、何ものにも代え難いとまで言うのは大袈裟だと思った」
何ものにも代え難いは、そう簡単に使う表現ではない為、このように思うこともあるでしょう。
中には簡単に使う人も居ますが、それではこの慣用句の価値が下がってしまうことから、そのような軽い使い方はおすすめしません。
「何ものにも代え難い」を英語で表現すると?
何ものにも代え難いを英語にすると、“no substitute for”という表現になります。
最後の“for”の後に、何がそれほど大事、大切なのかを付け加えて使います。
例として、“no substitute for the health”とすると、「health(健康)は何ものにも代え難い」という意味になり、英語圏でもごく普通に使われる表現です。
「何ものにも代え難い」の類義語や関連した表現
「何ものにも代え難い」と似た使い方をする言葉や慣用句をいくつか紹介していきます。
この言葉の方がそれらより意味が強かったり、対象が限定されないという使い勝手のよさがありますが、そこまでではなかったり、対象を限定して表現したい場合には、是非これらも使ってください。
- 「唯一無二(の)」【ゆいいつむに(の)】
- 「掛け替えのない」【かけがえのない】
- 「余人をもって代え難い」【よじんをもってかえがたい】
「唯一無二(の)」【ゆいいつむに(の)】
「唯一つ、それだけしか存在しない」という意味の言葉で、それこそ何ものにも代え難い存在です。
尚、この言葉は対象が物や人だと考えていいでしょう。
「形にできないもの」に対してはあまり使いません。
しかし、使う場面によっては、「何ものにも代え難い」より大袈裟な表現になってしまうことがあるので、簡単に使うべきではありません。
「掛け替えのない」【かけがえのない】
この言葉もまた、「何ものにも代え難い」とそのまま置き換えることができます。
ただ、その対象が無くなってしまう(失ってしまう)ことにも使うこともある言葉なので、「何ものにも代え難い」や「唯一無ニ」と比べると、少々弱い表現だと考えていいでしょう。
例として、チケットの最後の1枚に対して、「掛け替えのない1枚だったのに」のように使うことがあります。
結局無くなってしまったが、それだけ大事だったということです。
「余人をもって代え難い」【よじんをもってかえがたい】
「何ものにも代え難い」の「代え難い」対象が人物に限定された慣用句です。
物や想い出などに対しては使うことができず、「それだけ大切な人」だということを表現する時に使います。
このようにまで言われる人もそうは居ないでしょうが、大事な役職に就いた人などに周りの人から使われることがある表現です。
何ものにも代え難いという慣用句を使うと、それなりに大袈裟な表現なのと同時に、結構堅い文体になります。
その為、使う場面は限られますが、そういった点も含めて覚えておきましょう。