「暗礁に乗り上げる」の意味・読み方【使い方や例文】
「暗礁に乗り上げる」の意味や語源を紹介します。
さらに「暗礁に乗り上げる」の使い方や「暗礁に乗り上げる」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「暗礁に乗り上げる」の意味とは?
- 「暗礁に乗り上げる」の語源や由来
- 「暗礁に乗り上げる」の言葉の使い方
- 「暗礁に乗り上げる」を使った例文
- タイタニック号の事故
「暗礁に乗り上げる」の意味とは?
みなさんは「暗礁に乗り上げる」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
社会人生活が長い方なら、「暗礁に乗り上げる」という言葉の意味を知っているかもしれません。
知っているだけでなく、何度か「暗礁に乗り上げる」という経験をした人もいるでしょう。
一方で、まだ若い世代の方は、順調に人生を送っていて、この言葉とは無縁かもしれません。
とはいえ、これからの長い人生を考えれば、「暗礁に乗り上げる」という言葉を知り、その克服法を知っておくのも悪くないでしょう。
そこで、人生の厳しさを教えてくれる言葉、「暗礁に乗り上げる」の読み方と意味を紹介します。
- 「暗礁に乗り上げる」の読み方
- 「暗礁に乗り上げる」の意味
「暗礁に乗り上げる」の読み方
「暗礁に乗り上げる」は「あんしょうにのりあげる」と読みます。
「暗礁」は「あんしょう」と読み、「乗り上げる」は「のりあげる」と読みます。
特に「暗礁」という言葉は読み方が難しいため、読み間違える人も多いかもしれません。
これを機会に「暗礁」は「あんしょう」と読み、「暗礁に乗り上げる」は「あんしょうにのりあげる」と読む事を知っておきましょう。
「暗礁に乗り上げる」の意味
「暗礁に乗り上げる」にはどのような意味があるでしょうか。
「暗礁に乗り上げる」には、「思わぬ障害などにぶつかり、物事がスムーズに進まなくなる事」を言います。
例えば「婚約寸前で『暗礁に乗り上げて』、式の準備が進まなくなった」という文章は、思わぬ障害が出て、結婚自体が危うくなってしまった状態を表現しています。
「暗礁に乗り上げる」の語源や由来
「暗礁に乗り上げる」の語源を紹介して行きます。
そもそも「暗礁」とは何か、知らない人も多いと思います。
「暗礁」は、海の中にある岩の塊のようなもので、船の上からは見えないようなわずかな高まりの事を言います。
岩石やサンゴ礁などからできていて、視認できない分、船で乗り上げてしまうような事故が起こりやすいとされています。
「暗礁に乗り上げる」はまさに航海中の事故が語源になっています。
船が暗礁に乗り上げて動けなくなってしまう状況が、思わぬ障害に遭い物事がスムーズに進まなくなる状況と似ているため、「暗礁に乗り上げる」という言葉が生まれました。
映画「タイタニック」を見た人なら、タイタニック号が氷山に乗り上げて、ついには沈没してしまうシーンが記憶にあると思います。
あのような状況を彷彿とさせるのが「暗礁に乗り上げる」という言葉です。
「暗礁に乗り上げる」の言葉の使い方
「暗礁に乗り上げる」という言葉を、どのような場面で、どのように使えばいいでしょうか。
そこで「暗礁に乗り上げる」という言葉の基本的な使い方を紹介します。
- 「思わぬ障害」と「停滞」というポイント
- 予想できる場合は「暗礁」らしくない
「思わぬ障害」と「停滞」というポイント
「暗礁に乗り上げる」には、思わぬ障害などにぶつかり、物事がスムーズに進まなくなるという意味があります。
「思わぬ障害」と「物事がスムーズに進まなくなる」というのがポイントです。
例えば、結婚が「暗礁に乗り上げる」という場合は、「彼が浮気をしていた事が発覚した」、「彼が失業していたことが分かった」、「彼女がひどい嘘をついていた」など、「思わぬ障害」が立ちはだかり、「結婚式の日取りが決まらない」など、停滞ムードが漂うような状況がふさわしいでしょう。
予想できる場合は「暗礁」らしくない
逆に「家柄がふさわしくない」「経済面で差がある」など、以前から予想できた理由で結婚式への準備が進まなくなった場合は、「暗礁」らしさがないため、「暗礁に乗り上げる」という言葉としっくりきません。
また停滞ではなく、婚約解消をしたり、別れたりする場合は、「暗礁に乗り上げる」という言葉はふさわしくありません。
このように「思わぬ障害」と「物事がスムーズに進まなくなる」というのがポイントを備えた状況を、「暗礁に乗り上げる」という言葉で表現してみましょう。
「暗礁に乗り上げる」を使った例文
次に「暗礁に乗り上げる」という言葉を使った例文を見て行きましょう。
様々な場面における「暗礁に乗り上げる」を使った文章を見る事で、この言葉の使い方が見えてくるかもしれません。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける、「暗礁に乗り上げる」を使った例文を紹介します
「順調に進んでいた仕事が、突如『暗礁に乗り上げる』事態となった。取引先の担当者が不祥事を起こし、会社を辞めたのが原因だ」
「暗礁に乗り上げる」には、「思わぬ障害」が登場し、物事がスムーズに進まなくなる事を言います。
取引先の担当者が、不祥事を起こしたり、病気になるなどして、仕事を外れてしまうという出来事は「思わぬ障害」にふさわしいでしょう。
こうなると、取引先の後任人事が決まるまで、仕事は停滞する事になります。
また新しい担当者の意向次第で、白紙からやり直すような事態になる事も考えられます。
この例文はビジネスシーンにおける、「暗礁に乗り上げる」の典型例と言えるでしょう。
例文2
恋愛の場面における「暗礁に乗り上げる」を使った例文を紹介します。
「Aさんは婚約し、後は結婚式が来るのを待つだけだった。
しかし突然Aさんの父親が『この結婚には賛成できない』と言い出した。
Aさんは動揺し、結婚式はキャンセルされた。
『暗礁に乗り上げた』結婚は、式だけでなく結婚そのものがどうなるか予断が許さない状況だ」
順調に進んでいる結婚式への準備が、鶴の一声で「暗礁に乗り上げる」事があります。
両親想いの新婦なら、父親の反対に逆らってまで結婚する事はできないでしょう。
悲しい事ではありますが、もう一度立ち止まり、本当にこの結婚はするべきかどうかを考えるチャンスを与えられたとも言えます。
「暗礁に乗り上げる」事が必ずしもマイナスではなく、将来振り返ってみて、有意義だったと思えるかもしれません。
恋愛や結婚は、両者の想いが熱いため、つい突き進んでしまいがちです。
速度が速くなり「暗礁」にも気づかなくなってしまいます。
一度冷静になり、気付かぬ障害がないかどうか、周囲を見渡すべきでしょう。
タイタニック号の事故
映画「タイタニック」でも知られる豪華客船タイタニック号の事故は20世紀最大の海難事故と言われています。
1912年4月14日の深夜に、北大西洋上の氷山に接触し、タイタニック号は沈没します。
タイタニック号は、4月10日にイギリスのサウサンプトン港から、ニューヨークへと処女航海に出ました。
その途中、氷山に衝突して沈没し、1500人以上もの犠牲者を出したと言われています。
「氷山の一角」という言葉があるように、氷山は視認できる部分が全体のほんのわずかで、白波が立っていると、見分けるのが難しいとされています。
「暗礁」とかなり近い障害物だと言えるでしょう。
このように「暗礁に乗り上げる」という言葉を思う時に、当時世界最大だったタイタニック号の悲劇が思い出されてしまう人は、多いかもしれません。
「暗礁に乗り上げる」という言葉の意味や使い方を見てきました。
順調に進んできた出来事が、思わぬ障害にぶつかり、停滞してしまう事は良くある事です。
そのような事態になった時に、人間力が試さるのではないでしょうか。
「暗礁に乗り上げる」時は、冷静な判断と、冷静な対処が必要になる、人生のターニングポイントかもしれません。