「蓼食う虫も好き好き」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「蓼食う虫も好き好き」の意味や類語を紹介します。
さらに「蓼食う虫も好き好き」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「蓼食う虫も好き好き」の意味とは?
- 「蓼食う虫も好き好き」の語源や由来
- 「蓼食う虫も好き好き」の言葉の使い方
- 「蓼食う虫も好き好き」を使った例文
- 「蓼食う虫も好き好き」と似た意味の熟語やことわざ
- 「蓼食う虫も好き好き」を使う時の注意点
「蓼食う虫も好き好き」の意味とは?
「蓼食う虫も好き好き」という言葉を知っているでしょうか。
比較的有名なことわざのひとつという事もあり、知っているという人の方が多いのではないでしょうか。
しかし、ことわざの意味を誰かに伝えられるほど、きちんとこの言葉の意味を知っている人は少ないかもしれません。
そこで「蓼食う虫も好き好き」の読み方と意味を紹介します。
あらためてこの言葉の読み方と意味を確かめておきましょう。
- 「蓼食う虫も好き好き」の読み方
- 「蓼食う虫も好き好き」の意味
「蓼食う虫も好き好き」の読み方
「蓼食う虫も好き好き」は「たでくうむしもすきずき」と読みます。
「蓼」を「たで」と読むのがポイントです。
「蓼」は植物の固有名詞ですので、これを機会に「蓼」は「たで」と読む事を知りましょう。
「だて」と間違いやすいので注意が必要です。
「蓼食う虫も好き好き」の意味
「蓼食う虫も好き好き」には、どのような意味があるでしょうか。
このことわざには、「人の好みは様々で、一概んい決める事ができない」という意味があります。
「蓼」という植物が好きな虫もいれば、そうでない虫もいます。
人間同士の好みも様々で、痩せている男性や女性が好きな人もいれば、太っている男性や女性が好きな人もいます。
また優しい人が好きな人もいれば、厳しい人を好む人もいて、人生経験を積むほどに、本当に人それぞれだと言う事が分かります。
このように「蓼食う虫も好き好き」という言葉には、「人の好みは様々だ」という意味があります。
「蓼食う虫も好き好き」の語源や由来
「蓼食う虫も好き好き」という言葉の語源を紹介します。
「蓼」は、「ヤナギタデ」という植物の事で、苦みがある事で知られています。
普通に考えた食べたくない味をしているヤナギタデを、好んで食べる虫がいる事から、人の好みは様々であるという例えになりました。
出典は中国の随筆集「鶴林玉露」で、「蓼虫は苦さを知らず…」と言うフレーズが掲載されています。
「蓼食う虫も好き好き」の言葉の使い方
「蓼食う虫も好き好き」という言葉を、どのような場面で使えばいいでしょうか
この言葉には「人の好みは様々である」という意味がありますから、そのように感じた時に使ってみましょう。
例えば自分の友達の中に、一般的な異性の好みと違う人がいるかもしれません。
明らかに不細工だと思えるような男性ばかり好きになる女性がいるとしたら、まさに「蓼食う虫も好き好き」のことわざ通りと言えます。
また「蓼食う虫も好き好き」という言葉を、自虐的に使用する事もできます。
例えばあなたが誰かに告白された時に、「蓼食う虫も好き好きだから、私を好きになる人もいるんだよ」と自虐ネタにして、照れ隠しをする事ができます。
「蓼食う虫も好き好き」は、特に男女間で使う事が多い言葉ですので、そのような場面で使ってみましょう。
「蓼食う虫も好き好き」を使った例文
「蓼食う虫も好き好き」を使った例文を紹介します。
様々な場面における「蓼食う虫も好き好き」を使った文章を見る事で、より具体的な使い方が見えてくるかもしれません。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける、「蓼食う虫も好き好き」を使った例文を紹介します。
「同じ職場のA君が結婚を発表した。社内恋愛だというから驚いたが、相手を聞いてさらに驚いた。社内一の美女と噂される、受付嬢のBさんだったからだ。A君には悪いが、彼は職場の中でも不細工な方で通っている。『蓼食う虫も好き好き』とはこの事だ」
「美女と野獣」という言葉がありますが、不細工な男性と美女のカップルを見ると、人の好みはそれぞれだと実感します。
まさに「蓼食う虫も好き好き」の好例と言えるでしょう。
例文2
恋愛の場面における「蓼食う虫も好き好き」を使った例文を紹介します。
「姉が結婚する事になった。姉はがさつでいい加減で、私から見れば欠点だらけの女性だが、結婚相手の男性からは魅力的に見えたのだろう。父親も、『蓼食う虫も好き好き』だな、と言って笑った」
身内が結婚する事が決まると、「嘘だろ」と思います。
家族の本当の姿を見ているため、どうしても点数が低くなり、結婚にふさわしい人には思えないからです。
このような時に家族の誰かが「蓼食う虫も好き好き」ということわざを口に出します。
またこのようなことわざで茶化す事で、寂しさを紛らわそうとする意図があるのかもしれません。
この例文は、「蓼食う虫も好き好き」を使う場面として、典型的な場面のひとつと言えるでしょう。
「蓼食う虫も好き好き」と似た意味の熟語やことわざ
「蓼食う虫も好き好き」と似た意味があることわざを紹介します。
「蓼食う虫も好き好き」の仲間に当たるようなことわざには、一体どのようなことわざがあるでしょうか。
- 「割れ鍋に綴じ蓋」
- 「十人十色」
「割れ鍋に綴じ蓋」
「割れ鍋に綴じ蓋」は「われなべにとじぶた」と読みます。
「割れ鍋」は「割れた鍋」の事で、「綴じ蓋」は欠けた部分を補修した蓋という意味があります。
割れた鍋に、新品の蓋は似合わず、逆もしかりです。
そのため、このことわざには、「どんな人にも、ふさわしい相手がいる」という意味があります。
変わった性格の持ち主同士が、幸せな家庭を築いたり、バツイチ同士で結婚して終生を共にするような仲の良いカップルもいます。
「蓼食う虫も好き好き」と同じように、自分が変わっていても、欠点が多くても、誰かが好きになってくれて、最高のカップルを作る事ができるという、独身者にとって勇気をもらえる言葉となっています。
「十人十色」
「十人十色」という四文字熟語も、「蓼食う虫も好き好き」ということわざとよく似た意味があります。
「十人十色」は「じゅうにんといろ」と読みます。
十人いれば、十の好みがあり、十の性格があり、人それぞれまるで違うという意味があります。
「蓼食う虫も好き好き」にも「人の好みは様々である」という意味がありますので、「十人十色」と似た意味がある事が分かります。
また「蓼食う虫も好き好き」には、「虫」という言葉が登場し、「割れ鍋に綴じ蓋」には「割れ」というややネガティブな言葉が登場します。
同じ意味で使うのであれば、「十人十色」の方がスマートで、言われた側が嫌な気持ちにならないかもしれません。
「蓼食う虫も好き好き」を使う時の注意点
「蓼食う虫も好き好き」は、人の好みはそれぞれだと思った時に使う言葉です。
ただし、「蓼食う虫も好き好き」には、「普通なら好きにならないような人を、好きになる人がいる驚き」が含まれた言葉で、「なんであの人と付き合うの?」などというツッコミの響きが入っています。
そのため、自分の事を「蓼」だと思っていない人にとっては、言われて嬉しい言葉ではないでしょう。
家族や親友に対して「蓼食う虫も好き好き」という言葉を使ってツッコむのは構いませんが、それほど親しくない人や、会社の関係者などに対して「蓼食う虫も好き好き」というたとえを使うのは避けた方が良いかもしれません。
「蓼食う虫も好き好き」ということわざの意味や使い方を見てきました。
とてもユーモラスで、使うと楽しいことわざです。
ただし、言われて不愉快になる人もいますので、乱発するのは避けましょう。
「蓼食う虫も好き好き」という言葉を人前で使う時は、その場にいるメンバーを見て、大丈夫だと確信が持てる時にしましょう。