「盲従」の意味・読み方・類語【使い方や例文】「妄信」と「盲信」の違い
「盲従」とは、「自分の頭で是非を判断せず、相手の言うがままに従うこと」や「何から何まで言われるがままに従うこと」です。
「盲従」の「意味・読み方・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・盲従を使った言葉・唯々諾々と盲従の違い」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「盲従」の意味とは?
- 「盲従」の類語や言い換え・似た言葉
- 「盲従」の言葉の使い方
- 「盲従」を使った例文や短文(解釈)
- 「盲従」の英語
- 「唯々諾々」と「盲従」の違い
- 「盲従」を使った言葉と意味を解釈
「盲従」の意味とは?
「盲従」という言葉の意味は、「自分の頭で是非を判断せず、相手の言うがままに従うこと」や「自分で善悪・是非を考えずに、何から何まで言われるがままに無批判に従うこと」です。
「盲従」という言葉は、「自分の頭で是非・善悪の分別をすることなく従うこと」を示しています。
「相手の指示(命令)・意見などに対して、疑念・異論を挟むことなく無批判に従うこと」が「盲従」なのです。
人は「盲従」している時には、相手の意見の真偽や善悪を分別することができなくなり、その相手の意見に無条件に従って心酔(信奉)しやすくなってしまいます。
特に、社会的地位・権威や経済的影響力、権力・暴力を持っている相手に対して、人は「悪い意見・命令」に対しても盲従しやすくなるので一定の注意が必要になってきます。
- 「盲従」の読み方
「盲従」の読み方
「盲従」の読み方は、「もうじゅう」になります。
「盲従」の類語や言い換え・似た言葉
「盲従」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「盲従」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「狂信」【きょうしん】
- 「イエスマン」【いえすまん】
- 「付和雷同」【ふわらいどう】
「狂信」【きょうしん】
「盲従」の類語・言い換えとして、「盲信(もうしん)・狂信(きょうしん)があります。
「盲信」とは「自分の頭でよく考えずに無条件に信じてしまうこと」であり、狂信とは「特定の人物・価値を熱烈に信奉して疑うことが全くできなくなること。
熱狂的にのめり込んで信じること」です。
「盲従」という言葉には、「自分の頭で是非善悪を分別せずに無批判に従うこと」の意味があります。
そのことから、「盲従」の類語として、「盲信・狂信」を上げることができます。
「イエスマン」【いえすまん】
「盲従」の類語・似た言葉として、「イエスマン・追随(ついずい)」があります。
「イエスマン」という言葉の意味は、何にでも「はい、はい」と返事をして絶対に否定や拒絶をしない人のことです。
「追随」という言葉の意味は、「相手の後を追うようにして無条件に従っていくこと」になります。
「盲従」の言葉の意味は、「自分の頭で是非善悪を考えずに、相手に言われるままに従うこと」です。
そのことから、「盲従」の類語として「イエスマン・追随」を上げることができます。
「付和雷同」【ふわらいどう】
「盲従」の類語・言い換えとして、「付和雷同(ふわらいどう)」という四字熟語があります。
「付和雷同」という四字熟語の意味は、「自分にしっかりとした考え・定見がなく、他人の言動にすぐ同調すること」になります。
付和雷同の「付和」とは、定見がなくすぐに他人の意見に賛成することです。
「雷同」とは、雷が鳴ると万物がそれに応じて響くように、反射的に他人に同調することです。
何でも人の言いなりになる「盲従」に似た言葉として、「付和雷同」を指摘できます。
「盲従」の言葉の使い方
「盲従」の言葉の使い方は、「自分の頭で物事・行為の是非善悪を考えることを放棄して、相手に言われるがままに従っている時」に使うというものです。
自分の頭で思慮・判断して相手に従っている場合には、「盲従」という言葉ではなく「従属・心酔(しんすい)・感服(かんぷく)・忠誠」などの言葉を使います。
「盲従」という言葉は、「相手の意見・指示・命令などに対して無批判あるいは無条件に従っている場合」に使うことができます。
例えば、「先輩の命令に盲従して後輩をいじめてしまった」や「権力に盲従したことでナチスドイツのホロコーストの悲劇が起こった」といった文章で「盲従」という言葉を使用することができます。
「盲従」の言葉は、「自分の頭で考えていない+無批判・無思慮・無条件で従っている」というニュアンスがある時に使うのです。
「盲従」を使った例文や短文(解釈)
「盲従」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「盲従」の例文1
- 「盲従」の例文2
- 「盲従」の例文3
「盲従」の例文1
「上司の意見にいつでも盲従する彼は、その部署でイエスマンとして有名であった」
この例文における「盲従」は、「上司の意見・指示がどんなものであっても反対することなく淡々と従うこと」を意味しています。
上司の意見に絶対にノーと言わない彼は、まさにイエスマンとして認識されているのです。
「盲従」の例文2
「自国民を監視・排除・虐待した歴史の悲劇の多くは、権力に盲従する大衆の密告や暴走によって引き起こされてきた」
この例文における「盲従」は、「国民に強制力を持つ権力に対して無条件に従うこと」を意味しています。
自分の頭で善悪を考えずに権力にただ盲従することによって、過去の歴史で多くの虐殺・監視・排除の問題が起こってきたのです。
「盲従」の例文3
「妻の尻に敷かれてただ盲従しているように見えるその夫は、本心から妻が笑顔でいてくれさえすればそれで良いという価値観を持っていた」
この例文における「盲従」は、「妻の言うことに反対することもなく言いなりになっていること」を意味しています。
しかし、妻に盲従しているようにしか見えない夫は、本心から「妻を喜ばせたい・妻が笑顔なら自分も幸せ」という価値観を持って従っていたのです。
「盲従」の英語
「盲従」の英語は、“blind obedience”や“implicit obedience”、“blind deference”などになります。
「〜に盲従する」は、“follow〜blindly”や“suffer oneself to be led by the nose”(慣用句で人に盲従する)“obey〜unquestioningly”になります。
“This weak attitude is called blind obedience(implicit obedience).” (その卑屈な態度が、盲従と呼ばれているのです。)
“I obeyed leader of group unquestioningly. ”(私はグループのリーダーに盲従していた。)
「唯々諾々」と「盲従」の違い
「唯々諾々(いいだくだく)」と「盲従」は非常に良く似た意味を持っていて、その違いは大きくありません。
古代中国の古典「韓非子(かんぴし)」に由来する「唯々諾々」という言葉の意味は、「自分の意見をまるで主張せずに、何でもはいはいと相手の言いなりになって盲従すること」です。
「唯々諾々」の「唯」と「諾」の漢字には、どちらも「はいという応答」の意味があります。
「唯々諾々」の意味は物事の是非善悪に関わらず、ただ人の意見に従って言いなりになることであり、「盲従」とほぼ同じ意味を持っています。
「盲従」を使った言葉と意味を解釈
「盲従」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「権力(権威)に盲従する」
- 「流行に盲従する」
- 「心にもない盲従・不本意な盲従」
「権力(権威)に盲従する」
「権力(権威)に盲従する」という言葉の意味は、「他者に強制する力である権力」や「社会一般に高い価値があると承認されている権威」に対して抵抗(反発)することなく従順に従うということです。
「権力・権威を持っている相手」に逆らって反対することには大きなリスクを伴うことがあり、実際的な不利益を被ることも少なくありません。
そのため、処世術として「権力(権威)に盲従する人」が非常に多いのです。
「流行に盲従する」
「流行に盲従する」という言葉の意味は、「今の時代に流行っている出来事・考え方の是非を検討することなく無条件に従うこと」になります。
「流行に盲従するメリット」として、マジョリティー(多数派)の一員として無難に生きることができ、大勢の人たちが興味関心を持っている物事を共有して一緒に盛り上がることができます。
「流行に盲従する人」はいわゆるミーハーな人であり、自分の頭で物事を考えずにみんながやっていることに合わせようとするのです。
「心にもない盲従・不本意な盲従」
「心にもない盲従・不本意な盲従」という言葉の意味は、「自分の本心ではない事柄に嫌々ながらも従っていること」や「本当は従いたくないけれど無批判に従っているように見せかけていること」になります。
大人の社会やサラリーマンの企業生活では「心にもない盲従・不本意な盲従」がどうしても増えてきますが、最低限の是非善悪くらいは自分の頭で考えて判断していきたいものです。
「盲従」という言葉について徹底的に解説しましたが、盲従には「自分の頭で是非を判断せず、相手の言うがままに従うこと」や「批判・検討することなく、何から何まで言われるがままに従うこと」などの意味があります。
盲従の類語・言い換え・似た言葉としては「盲信・狂信」「イエスマン・追随」「付和雷同」などがあります。
「盲従」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。