「残当」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
インターネット内には専門用語と言われる所謂【ネットスラング】というものが存在します。
当然インターネット上で交わされる言葉ではありますが、中にはその垣根を飛び出し、日常的に使われている言葉もあります。
その一つである「残当」という言葉について今回は解説してみたいと思います。
目次
- 「残当」の意味とは?
- 「残当」の類語や言い換え・似た言葉
- 「残当」の使い方
- 「残当」を使った例文と解釈
- 「残当」の英語
- 「残当」の語源や由来
- 「残当」を使った言葉と意味を解釈
- 「残当」の間違った使い方
「残当」の意味とは?
「残当」は【ざんとう】と読み、意味としては、残念ながら当然の結果・結末」になります。
どちらかといえば、悔やまれて惜しまれるというニュアンスで使われる事は少なく、当然そうなるであろう結果や違和感なく受け入れる事ができる状況といった意味で使われ、「残念感」はなく「適切感」が強い言葉だといえます。
もちろん「残念ながら」と本当に思っている場合もあるので、状況や発言者の考えを推し量る必要がありますが、言葉に《予想ができたはずなのに》あるいは《全く見当が付かなかった訳ではない》という意味が含まれるため、「残念感」が弱まってしまいます。
「残当」の類語や言い換え・似た言葉
「残当」とは造語なため、ピッタリと該当する単語はありませんが、似た意味合いをもつ言葉があるので幾つか挙げてみたいと思います。
- 「至極真っ当」【しごくまっとう】
- 「妥当」【だとう】
「至極真っ当」【しごくまっとう】
「至極」とは《これ以上にない・たいへん理にかなっている》という意味があります。
つまり現象や結果、状況、状態に対して「そりゃそうだ」と納得することをいいます。
そして「真っ当」とは《筋の通った・まとも》という意味があります。
つまり「至極真っ当」とは「これ以上にないほどにまとも」や「たいへん理にかなっており筋が通っている」といった意味になります。
「残当」は「残念ながら」が文頭には来ますが、全体の意味としては同じような意味になります。
「あんな結果になって本人は文句を言っているが、周囲は至極真っ当だと思っているので冷ややかだ」など。
「妥当」【だとう】
「妥当」とは《実情によくあてはまっていること・筋も通っていて無駄がなく適切であること》という意味になります。
おおよそ誰の目から見ても、価値観からしても「良くも悪くもそれくらいだろう」となる程度のことを言います。
「残当」のように「残念」な状態かは別として、「妥当」も「残当」もその状態が《適正》であるという事は同じだといえるでしょう。
「少々可哀想に思うけど、あの判断は妥当だと思われる」など。
「残当」の使い方
言葉通り、「残念ながら当然」という意味で使いますが、最近では殆どの場合「残念ながら」の要素は含まれません。
もちろん先述した通り、本気で残念だと思っている場合もありますが、結論から言うと『当然』を強調したいけれど状況や状態、環境や相手の心情や感情を"一応"慮って「残念ながら」をつけたと言う場合が多いといえるでしょう。
ですから発言する本人は正直なところ「当たり前」くらいにしか思っていない場合が多いので、使い方としてははっきりと「当然だ」「妥当だ」と言えない場合に使う言葉になります。
「残当」を使った例文と解釈
基本的にはインターネット上で使用される言葉ではありますが、より分かりやすくするために具体的に例文を見ながらより解釈を深めていきたいと思います。
- 「残当」の例文1
- 「残当」の例文2
- 「残当」の例文3
「残当」の例文1
「確かに彼の行動は目に余るものがあったけれど、残当というのは言い過ぎだと思う」
例えば、事件や事故など大きな出来事が起こった時に、人はそれについて色々と意見を言うものです。
特にインターネット内では匿名で意見が出来るため、辛辣なものも多く行き過ぎた発言や表現が溢れているのも事実です。
そのような時にこのように一つの意見として咎める発言をする時に使用する事があります。
「残当」の例文2
「自己中心的で他力本願、結局周りから誰もいなくなってしまった現状は残当だといえる」
自他共にそんな状況で過ごしているのだから仕方がないといった場合に使う表現になります。
道徳的にも倫理的にも人としてダメな場合は、望むような結果にならない事はやはり残念だけど仕方がないのではないでしょうか。
「残当」の例文3
「努力してきたと思うけれど、結果が出なかったという事は、努力が足りなかったのだと言われても残当だと思う」
相手がいる場合に対して使う表現になります。
単純に「当然」と言わず「残当」という事で言われる立場の人を思いやる効果があります。
「残当」の英語
英語はストレートであり、日本語のように曖昧で、"はっきり言いたいところだけど気持ちを推し量る"といった表現はありません。
ボディランゲージやニュアンスで言いにくそうにはしますが、「残念ながら当然」というように真逆の意味を一つの言葉の中に詰めるような事をしないので、「残当」をそのまま英表現にした言葉は難しいですが、ニュアンスの近いものをご紹介します。
- “Naturally”【自然】
- “of course”【もちろん】
“Naturally”【自然】
「当然」を訳すと幾つか単語が出てきますが、特にこの単語は英表現らしいといえるでしょう。
その様な状況になったのは「普段の生活や過ごし方、考え方を積み重ねたもので、言わば"自然"な流れといえる」という解釈になります。
- “being justly natural”【そうなって自然・当然である】
- “natural consequence”【当然の結果】
など。
“of course”【もちろん】
“of course”は比較的有名な単語なのでご存知の方も多いと思います。
【もちろん(大丈夫ですよ)】と返事をする時によく使われますが、もっと砕くと「既に当たり前に受け入れている」「当然そのつもり・流れ」というニュアンスを含んでいます。
「残当」とは真逆でポジティブではありますが言いたい事は共通しています。
“It's a matter of course”【それは当然です】など。
「残当」の語源や由来
2006年にネット掲示板である2ちゃんねる(現在5ちゃんねる)において、当時「なんJ」と呼ばれていた「なんでも実況」という野球情報をやりとりするサイト内での不謹慎な内容が発端となっていると言われています。
勿論、全て嘘の内容であり架空の話なのですが、その中である監督が発した「残念だが当然。
男らしい最期といえる」が語源だと言われています。
「残当」を使った言葉と意味を解釈
- 「残当な結果」
- 「残当な関係性」
「残当な結果」
残念ながら当然な結果という意味になります。
一生懸命せず怠けたり、チャンスがあったのに適当に過ごしたりしていた場合には、こう言わたり思う事があるかもしれません。
「残当な関係性」
普段から信頼関係が築けていなかったり、うわべの付き合いで過ごしているといざという時に、「残当な関係性」痛感してしまうかもしれません。
勿論自ら望んで薄い人間関係を構築していたのであればともかく、その様子を見た周りは「残念な人だ」と思う可能性もあるでしょう。
「残当」の間違った使い方
「残当」は「残念ながら当然」という意味ですが、中には「残念でもないし当然」という意味として使われている事もあるようです。
そうなると「残念」の意味が全くなくなってしまいますし最初から「当然」と表現すればいいので「残当」にはあたりません。
言葉は生き物なので時代と共に変化はしますが、「残念でもないし当然」のように気持ちを慮る部分もない意味で使うと「残当」自体の意味が変わってしまいます。
聞き慣れない言葉だと意味がわからず戸惑ってしまうものですが、新しい言葉は日々生まれています。
「残当」も活字ならわかりやすいですが、会話になると難しくなるかもしれません。
今後はこんな言葉もあるんだという参考にして頂ければと思います。