「空々しい」の意味・読み方・類語【使い方や例文】

「空々しい」の意味とは?

みなさんは、「空々しい」という言葉を知っているでしょうか。

社会人として活躍されている人は、「空々しい」という言葉を知っているかもしれません。

また知ってはいるものの、「空々しい」の正確な意味までは知らないという人もいるでしょう。

一方で「空々しい」という言葉の読み方も知らないという人も多いと思います。

特に若い世代の方は、「空々しい」という言葉に耳なじみがなさそうです。

しかし、「空々しい」という言葉には、人間の態度のカテゴリー分けする時に、便利な言葉です。

知っていると目の前の人がどのような態度を取っているのかが、手に取るようにわかるようになるでしょう。

そこで知っておくと人生が豊かになる「空々しい」の読み方と意味を紹介します。

• 「空々しい」の読み方
• 「空々しい」の意味

「空々しい」の読み方

「空々しい」は「そらぞらしい」と読みます。

「空」を二回重ねて、「空々しい」となり、二回目の空は「ぞら」とにごります。

「そらそらしい」「からからしい」などと読み間違わないようにしましょう。

「空々しい」の意味

それでは「空々しい」には、どのような意味があるでしょうか。

「空々しい」には、「見え透いた事をする」という意味や、「真心がこもっていない様子」という意味があります。

例えば、遅刻をしてきた同僚が、頭を下げて謝ったとします。

形だけはきちんとしていて、頭はしっかりと下がっていますが、声のトーンや表情を見ると、心がこもっていない事が分かったとします。

この時の遅刻した同僚の態度は、「空々しい態度」という事になります。

また後輩にお世辞を言われた時に、明らかに見え透いた、口先だけの言葉だと感じた時は、後輩は「空々しいお世辞」を言った事になります。

このように「空々しい」には、「見え透いた事をする」、さらに「真心がこもっていない様子」という意味があります。

「空々しい」の類語や言い換え・似た言葉

「空々しい」の類語や、言い換えられる似た意味の言葉を紹介します。

「空々しい」という言葉を、他の言葉に言い換える時に、どのような言葉を選べばいいかが分かります。

• 「おためごかし」【おためごかし】
• 「親切ごかし」【しんせつごかし】

「おためごかし」【おためごかし】

「おためごかし」という言葉があります。

「おためごかし」には、相手のためになるように見せかけて、実際には自分の利益を図る事という意味があります。

例えば、家族のためになるからと、ゲームを購入し、実際にゲームを楽しんでいるのは自分だけという時は、「おためごかし」となります。

また友達のために合コンをすると言ったのに、実は自分が主役になれるようなメンバーを集めていた場合も、「おためごかし」となります。

「おためごかし」を連発するような人とは、できるだけ距離を置いたほうがいいでしょう。

「親切ごかし」【しんせつごかし】

「親切ごかし」という言葉には、「親切のように見せかける」という意味があります。

「おためごかし」な行動の中の「親切に見せかける」事に特化した言葉と言えるでしょう。

例えば両親を旅行に連れて行くと言いながら、旅費を親に出させて自分だけが楽しんだり、みんなに差し入れを用意したと言いながら、経費で済ませて、自分の好きなものを買ってくるような行動は、「親切ごかし」となります。

「おためごかし」も「親切ごかし」も、行動や言葉だけを切り取ると立派に見えますが、トータルで見ると嘘をついているという点で、「空々しい」と似た意味があります。

「空々しい」の言葉の使い方

「空々しい」という言葉を、どのような場面で、どのように使えばいいでしょうか。

「空々しい」には、「見え透いた事をする」、さらに「真心がこもっていない様子」という意味があります。

そこで、そのような見え透いた態度を見た時、さらに心がこもっていない様子の人を見た時に、「空々しい」という言葉を使ってみましょう。

例えば、片想いの相手に告白した時に、「友達でいよう」と言われて断られたとします。

このような場面での相手の態度は、たいてい心がこもっていないため、「空々しい態度」という事になります。

また自分が「空々しい」事を言ってしまう事があるかもしれません。

友達が作曲した曲を聴いた時、本当はいいと思っていないのに褒める時は、「空々しい」感じになるはずです。

このように、誰かや自分が、見え透いた態度、心がこもっていない様子になった時、「空々しい」という言葉を使ってみましょう。

「空々しい」を使った例文

「空々しい」を使った例文を紹介します。

様々な場面における「空々しい」を使った例文を見る事で、「空々しい」という言葉の使い方がやり鮮明になるかもしれません。

• 例文1
• 例文2
• 例文3

例文1

ビジネスシーンにおける「空々しい」を使った例文を紹介します。

「課長が自分の仕事ぶりを褒めてくれたが、目は全然笑っていなかった。なんて『空々しい』褒め方なんだ」、「私が転職する事になり、みんなが寂しがってくれた。しかしどことなく『空々しい』態度だ。きっと本心では寂しいなどと思っていないのだろう」、「みんなは『すごい』と言ってくれるが、『空々しい』ので心に響かない。本当に『すごい』と言ってもらえるように頑張ろう」という感じです。

ビジネスシーンでは建前と本音が違うのが当たり前の世界ですから、「空々しい」と感じる事も多くなるでしょう。

例文2

恋愛の場面における「空々しい」を使った例文を紹介します。

「彼に浮気を問い詰めたら、『絶対にしていない』と言った。しかし『空々しい』感じがする。やはり彼は浮気をしたに違いない」、「さっきまでラブラブだったのに、みんなの前に来た途端、単なる友達という態度になった。なんて『空々しい』態度だ」などです。

浮気の言い訳など、恋愛上の嘘は「空々しい」感じになりやすいでしょう。

例文3

日常生活における「空々しい」を使った例文を紹介します。

「コンビニの店員さんが、『空々しい』感じで、『ありがとうございます』と言った。あまり嬉しくない」、「出前が遅いので催促の電話をしたら、『もう出ています』という答えが返ってきた。『空々しい』声だったので、まだ当分来なそうだ」などです。

コンビニなど、マニュアルで接客するお店は、「空々しい」態度の人が多くなります。

「白々しい」について

最後に「空々しい」とよく似た言葉、「白々しい」を紹介します。

「白々しい」は「しらじらしい」と読みます。

「空々しい」は「空」を二回重ねた言葉ですが、「白々しい」は「白」を二回重ねた言葉です。

「白々しい」には、「知っていながら知らないふりをする」という意味があります。

例えば、同じ職場の誰かが離婚したという噂が流れる事があります。

その情報が確実だとしても、本人から聞くまでは「知らない」ふりをしなくてはなりません。

このような時は、つい「白々しい」態度になりがちです。

離婚する本人が、「実は私、離婚したの」と打ち明けた時に、「え!」と驚く素振りをしますが、実は知っているので「白々しい」リアクションになってしまいます。

このように「白々しい」には「知っていながら知らないふりをする」という意味があります。