意味解説の読み物

meaning-book

meaning-bookは意味解説の読み物です

「馬耳東風」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

馬耳東風という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 少し古めかしい響きの四字熟語ですが、馬の耳に東の風と続いて、どうにも奇妙な印象を受ける言葉です。

ちょっと一見しただけでは意味が分かりづらいこの言葉ですが、一体どういう意味でどう使われるのでしょうか。

調査してみましたので、ご覧ください。

馬耳東風

Meaning-Book
「馬耳東風」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「馬耳東風」の意味とは?
  • 「馬耳東風」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「馬耳東風」の言葉の使い方
  • 「馬耳東風」を使った例文
  • 「馬耳東風」の英語
  • 「馬耳東風」の対義語
  • 「馬耳東風」の語源や由来
  • 「馬耳東風」と「馬の耳に念仏」の違いはある?


「馬耳東風」の意味とは?

馬耳東風の意味を辞書で調べてみると、以下のように記載されています。

かぐわしい春風が馬の耳を吹きぬけても、馬になんの感動もないこと。

他人の忠言や批評などを聞いてもまったく心に留めず、少しも反省しないことのたとえ。

ちょっと詩的な表現ですね。

くだけて言うと、人の話を全然聞かない人のことと言えそうです。

  • 「馬耳東風」の読み方

「馬耳東風」の読み方

馬耳東風の読み方を確認しましょう。

これは「ばじとうふう」と読みます。

普通に音読みをすればいいのですね。

「ばじ」という響きに、なんとも間の抜けた感じがあって、楽しい言葉ですね。



「馬耳東風」の類語や言い換え・似た言葉

馬耳東風の類語を調べてみました。

  • 豚に真珠
  • 猫に小判
  • 暖簾に腕押し

豚に真珠

貴重なものを価値を理解しない者に与えても意味がないという言葉です。

馬耳東風と同じく動物がモチーフとなっていますね。

このちょっと間抜けな感じのする言葉、語源は意外にも古く、なんと聖書に出てくる言葉です。

新約聖書マタイ伝7章6にある「真珠を豚に投げ与えてはならない」という言葉が元になっています。

猫に小判

価値あるものを与えても反応がないことを表す言葉です。

こちらも動物がモチーフとなっています。

この言葉を逆手に取った、猫が小判を抱えている招き猫の置物はよく見かけますよね。

暖簾に腕押し

力を入れても手応えが得られず、空回りしてしまうという意味の言葉です。

人の話を全く聞かない人に対して、「あの人には何を言っても無駄で、暖簾に腕押しだよ」などと使うことが出来ます。

確かに、暖簾に腕押ししても仕方がありませんよね。

調べてみると、馬耳東風の類語はたくさんあることがわかりました。

それだけ普遍的な意味を表す言葉なんですね。

「馬耳東風」の言葉の使い方

使い方を確認していきましょう。

「あの人には何を言っても無駄だよ」と言いたいときに「あの人に何を言っても馬耳東風だよ」と使うことが出来ます。

また、度が過ぎるような人に対しては「あの人は馬耳東風が過ぎる」なんて言い方もできます。

他にも「馬耳東風に聞き流す」「馬耳東風な態度」など、形容詞的な使い方もできます。



「馬耳東風」を使った例文

例文を確認しましょう。

  • 「馬耳東風」の例文1
  • 「馬耳東風」の例文2
  • 「馬耳東風」の例文3

「馬耳東風」の例文1

「若者が国会前でデモ活動を行ったが、政治家はまるで馬耳東風だった」

「馬耳東風」の例文2

「兼業主婦である妻は夫に育児参加を求めたが、育児に無理解な夫は馬耳東風だった」

「馬耳東風」の例文3

「川でキャンプをする若者達に、管理人がこれから増水するので避難しろと忠告したが、若者達は馬耳東風に聞き流した」

これで新聞などでこの言葉が使われても大丈夫ですよね。

「馬耳東風」の英語

馬耳東風 meaning in english

馬耳東風を英語で表したいとき、一体どうすればいいのでしょうか。

有名な二つの表現を紹介します。

  • 「馬耳東風」の英文例1
  • 「馬耳東風」の英文例2

「馬耳東風」の英文例1

「耳から耳へ抜ける」という意味の“in one ear and out the other”

“in one ear”は片方の耳から入ってくるという意味です。

“the other”はもう一つの方という意味なので、片方の耳から入ってもう片方から出るという意味になります。

これも人の話を全然聞かない人のたとえとして相応しいですね。

「馬耳東風」の英文例2

「壁に向かって話す」という意味の“talking to a wall”

“talking to ”は〜に向かって話すという意味。

“a wall”は壁なので、壁に向かって話すという意味になります。

これは話しかけても何の反応もないことの比喩としてピッタリですね。

これ以外にも様々な表現が存在しますが、代表的なものとして今回こちらを紹介しました。

「馬耳東風」の対義語

様々な言いかえ表現がある馬耳東風ですが、対義語はあるのでしょうか。

調べてみましたが、しっくりくる対義語はないようです。

元々、当たり前に出来るはずことが出来ない人を表現する言葉なので、わざわざ対義語が必要になることもなかったのかもしれません。

しかしせっかくなので「人の話を聞く」に関連した言葉をご紹介します。

  • 付和雷同(ふわらいどう)
  • 唯唯諾諾(いいだくだく)

付和雷同(ふわらいどう)

しっかりとした考えを持たずに、すぐ人の考えに同調することです。

「付和」はすぐに人の考えに同調することを表します。

「雷同」は雷が鳴ると、地上の様々なものが雷鳴に応じて震えるように、やたらに同調することを表します。

雷をモチーフにした力強い言葉ですが、表されているのはなんとも情けない人のことですね。

唯唯諾諾(いいだくだく)

ことの良し悪しを考えずに、はいはいと従うことです。

「唯」「諾」「はい」という応答の意味です。

これは韓非という中国の戦国時代の思想家が残した言葉です。

役者や道化師、従者や付き人は主人が命じる前から「はい」と言って従うような人たちである、という韓非の言葉が語源となっています。

「馬耳東風」の語源や由来

馬耳東風という言葉の語源を紹介します。

まず「東風」ですが、これは東から吹く暖かい風、つまり春風のことです。

「馬耳」は言葉通り馬の耳を表します。

人は東風(春風)が吹けば寒い冬が終わり、暖かい春がやってくると喜びますが、馬は耳が春風で揺れても何も感じない、ということを表します。

ここから、他人の話を全然聞かない人、異なる意見を全く取り入れない人を馬耳東風と表すようになりました。

この言葉、生み出した人がはっきりしています。

中国の盛唐時代の詩人、李白です。

李白は中国詩歌史上最高の詩人とされている、偉大な詩人です。

李白の著作『答王十二寒夜獨酌有懐』に、以下のような詩があります。

詩を吟じ賦を作る 北窗の裏、萬言直せず、一杯の水。

世人此れを聞きて皆頭を掉る、東風の馬耳を射るが如き有り。

これはいくら優れた詩を作っても、世の人々は素晴らしさを理解できずに頭を振り、まるで馬の耳に東風が吹くのと同じように気にも留められない、という意味です。

大詩人・李白の無念、嘆きから生まれた言葉だったのですね。

「馬耳東風」と「馬の耳に念仏」の違いはある?

馬耳東風と非常に似た意味の言葉に、「馬の耳に念仏」という言葉がありますが、この二つの言葉に違いはあるのでしょうか。

結論としては、ほとんど違いのない、同じ意味の言葉です。

馬の耳に念仏は一体どういう成り立ちの言葉なのか調べてみたところ、非常に面白い説を見つけました。

その説によると、この二つの言葉はもともと全く逆の意味で「馬は東風に春を感じることはないが、注意深く様々な情報を収集している」という意味だったそうです。

しかもこの言葉の語源が聖徳太子だったというから驚きです。

この言葉が遣隋使か遣唐使によって中国の李白に伝えられた際に、李白が「馬は東風に春を感じない」という部分だけを切り抜き詩を詠んだことによって、馬耳東風という言葉が生まれました。

そしてこの言葉が日本に逆輸入された際に、より分かりやすく改変され、馬の耳に念仏、となったそうです。

なんとも興味深い説ですね。

icon まとめ

以上、馬耳東風の意味、語源、類語をご紹介しました。

最終的には聖徳太子まで登場する歴史のロマンを感じ取ることが出来ました。

この言葉、日常会話ではそう耳にすることはありませんが、新聞などでは目にする機会の多い言葉ですので、意味を忘れずに覚えておきたいですね。