「帯に短し襷に長し」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「帯に短し襷に長し」の意味や類語を紹介します。
さらに「帯に短し襷に長し」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「帯に短し襷に長し」の意味とは?
- 「帯に短し襷に長し」の類語や言い換え
- 「帯に短し襷に長し」の言葉の使い方
- 「帯に短し襷に長し」を使った例文(解釈)
- 着物を使ったことわざ
「帯に短し襷に長し」の意味とは?
「帯に短し襷に長し」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
すでに「帯に短し襷に長し」という言葉を知っていて、意味する思いを持った事がある人も、中に入るのではないでしょうか。
一方で、この言葉を聞いたことが無いという人も少なくないでしょう。
そこで、「帯に短し襷に長し」の読み方と意味を紹介します。
- 「帯に短し襷に長し」の読み方
- 「帯に短し襷に長し」の意味
「帯に短し襷に長し」の読み方
「帯に短し襷に長し」は「おびにみじかしたすきにながし」と読みます。
「帯に」は「おびに」、「短し」は「みじかし」、「襷」は「たすき」、「長し」は「ながし」です。
「帯」と「襷」は、読み方が難しい言葉ですので、「帯」は「おび」、「襷」は「たすき」と読むと覚えておきましょう。
「帯に短し襷に長し」の意味
「帯に短し襷に長し」にはどのような意味があるでしょうか。
ちなみに、「帯」は着物をまとめるひも状のもので、和服を着る時に使います。
「襷」もひも状のもので、和服をたくし上げる時に使う道具です。
「帯に短し襷に長し」には、「帯として使うには短すぎて、襷にして使うには長すぎる」という意味があります。
長さの中途半端なひもをイメージすると、言葉の意味が分かりやすくなるかもしれません。
ひもに限らず、大きさや長さが中途半端で、どのように使っていいか分からないものがあります。
このように物事が中途半端で、結局なんの役にも立たないものを「帯に短し襷に長し」と言います。
「帯に短し襷に長し」の類語や言い換え
次に「帯に短し襷に長し」の類語や、言い換えられる似た意味の言葉を紹介します。
同じような意味を持つ言葉を知ると、より「帯に短し襷に長し」の意味が理解しやすくなるかもしれません。
- 「次郎にも太郎にも足りぬ」【じろうにもたろうにもたりぬ】
- 「あちらを立てればこちらが立たず」【あちらをたてればこちらがたたず】
「次郎にも太郎にも足りぬ」【じろうにもたろうにもたりぬ】
「次郎にも太郎にも足りぬ」という言葉は、「帯に短し襷に長し」に似た意味を持つ言葉です。
「次郎にも太郎にも足りぬ」にも、「帯に短し襷に長し」と同じように、「中途半端で使い道がない」という意味があります。
「あちらを立てればこちらが立たず」【あちらをたてればこちらがたたず】
「あちらを立てればこちらが立たず」という言葉も、「帯に短し襷に長し」と同じようない意味がある言葉です。
片方の面目を保とうとすると、もう片方の面目がつぶれてしまうような意味がある言葉です。
例えば同じ職場で言い争いをしたふたりがいて、どちらかの面目を立てて手打ちにしようとすると、どちらかが面目を失って怒ってしまうという事が起こりがちです。
双方が傷つかないように事を収めるのはそれくらい難しいという意味があります。
「帯に短し襷に長し」の言葉の使い方
「帯に短し襷に長し」という言葉は、どのような場面でどのように使えばいいでしょうか。
そこで、「帯に短し襷に長し」の基本的な使い方を紹介します。
- 中途半端で役に立たないもの
- もの以外でも使えます
中途半端で役に立たないもの
「帯に短し襷に長し」には、物事が中途半端で、結局なんの役にも立たないものという意味がありますから、そのようなものをみつけた時に使うようにしましょう。
帯には短くて、襷には長いひものように、中途半端でどっちつかずなものが、周囲にないでしょうか。
例えばファッションアイテムの中に「帯に短し襷に長し」なものがあるかもしれません。
例えば、会社に来ていくには派手なデザインだけれど、友達と遊びに行くには地味すぎるデザインの洋服は、「帯に短し襷に長し」のひとつになります。
もの以外でも使えます
また旅行に出かける時にも、一泊旅行で行くには物足りないけれど、日帰りで行くには遠すぎるというような観光地があるかもしれません。
「帯に短し襷に長し」という言葉は、このようにひもやファッションアイテムなどの、もの以外にも使う事ができます。
例えば、○○君は、営業をするには気が弱すぎるけれど、事務仕事に専念させるには、社交性が高すぎるというケースもあるかもしれません。
「中途半端で使えない」と感じるものを見た時に、「帯に短し襷に長し」という言葉を使ってみましょう。
「帯に短し襷に長し」を使った例文(解釈)
「帯に短し襷に長し」を使った例文を紹介します。
様々な場面における、「帯に短し襷に長し」のを使った例文を見る事で、この言葉の具体的な使い方のコツを身につけましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける「帯に短し襷に長し」を使った例文を紹介します。
「○○君は、鉄鋼部に置くにはもったいない人材だし、資源部に置くにはものたりない人物だ。結局『帯に短し襷に長し』で使いにくい男だな」、「この定規は、細かい書類を作る時に使うには大きすぎ、模造紙を使った大きな資料を作る時には、小さすぎる。『帯に短し襷に長し』とはこの事だ」という感じです。
同じ会社の中に、どの部署にもはまらないような、ちょっと中途半端な感じがする人がいるかもしれません。
そして「帯に短し襷に長し」のように、各部署で仕事が長続きせず、職場を転々とするでしょう。
例文2
日常生活における、「帯に短し襷に長し」を使った例文を紹介します。
「この服は夏に着ると暑く感じ、冬に着ると寒すぎる。『帯に短し襷に長し』で、着る期間が少なすぎる服だ」、「新居の部屋のひとつが『帯に短し襷に長し』だと感じる。書斎にするには広すぎ、寝室にするには狭すぎる。どう使っていいか頭を悩ませている」などです。
使いにくい部屋や、いつ着ればいいか分からない服はたくさんあります。
みなさんも部屋の中を見渡すと、「帯に短し襷に長し」なものがみつかるかもしれません。
着物を使ったことわざ
日本は着物文化が長かったので、着物を使ったことわざは、「帯に短し襷に長し」以外にもたくさんあります。
その中のいくつかの言葉を紹介して行きます。
- 「襟を正す」
- 「真綿で首を絞める」
- 「袖を分かつ」
「襟を正す」
「襟を正す」という言葉は、日常的に良く使う言葉です。
身だしなみを整えるという意味もありますが、「気持ちを引き締める」という意味が使う事が多くなっています。
「慣れた頃に失敗をするといいます。
『襟を正して』作業を続けてください」などと、従業員の引き締めの言葉として使う事もあります。
「真綿で首を絞める」
「真綿で首を絞める」という言葉の、「真綿」も着物の材料です。
「真綿で首を絞める」には、時間を掛けてじわじわと責めるという意味があります。
例えば浮気をした彼氏を責める時に、一気に詰め寄る方法もあれば、時間を掛けてじわじわと責める方法もあります。
彼からすれば、じわじわと「真綿で首を絞める」ように責められた方が精神的に辛いかもしれません。
「袖を分かつ」
「袖を分かつ」には、仲の良い人やパートナーとの関係を断つという意味があります。
親友や、彼氏や彼女、結婚相手や、仕事上の大切なパートナーなど、それまで親密だった人との別れに使う事がほとんどです。
「帯に短し襷に長し」は「中途半端で使えない」と言う意味があります。
身の回りに「帯に短し襷に長し」と感じる物が、山ほどあるという人もいるかもしれません。
また職場や学校で、自分の事を「帯に短し襷に長し」だと感じるという人もいるでしょう。
もう少し性格が違っていれば、持っている資格が違っていれば良かったと思う事も多いかもしれません。
いつか、自分の居場所をみつける事ができると信じて、前向きに努力を続けて行きましょう。