「息を呑む」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
人には感情がありますが、喜びや悲しみを比喩的に伝える表現がたくさんあります。
それと同じように、驚きや心の動揺も直接的な表現ではなく、違う表現で言う時もあります。
たとえば「手に汗を握る」という言葉も、これに当てはまるでしょう。
そのような中で「息を呑む」という言葉がありますが、「息を呑むような美しさ」、「思わず息を呑むような光景」といった形で用いられることがあります。
この表現は、日常的に使われている言葉なので、特別に使い方が難しいということではありませんが、この言葉は具体的にどのような意味を持っていて、どのような場面で使うことができるのか、分かっているようで、正確に理解できていない人もいらっしゃるのではないかと思います。
ここで「息を呑む」という言葉の意味と使い方などを見ていくことで、私達の生活や仕事でさりげなく上手に使えるように理解して使ってもらいたいと思います。
目次
- 「息を呑む」の意味とは?
- 「息を呑む」の類語や言い換え・似た言葉
- 「息を呑む」の言葉の使い方
- 「息を呑む」を使った例文
- 「息を呑む」の英語
- 「息を呑む」の語源や由来
- 「息を呑む」を使った言葉や意味を解釈
「息を呑む」の意味とは?
「息を呑む」という言葉の意味は、「驚いたりして息を止めること」という内容や「緊張しながら、じっと見守ること」ということになります。
私達は生活している中や仕事をしている時、ふいに想定外のことが起こったり、降りかかって時は、「何かに驚いたり恐れたりして一瞬息を止める」ことがありますが、まさにそのような時に「息を呑む」という表現で例えることになります。
- 「息を呑む」の読み方
「息を呑む」の読み方
「息を呑む」の読み方は、「いきをのむ」となりますが、「のむ」という言葉は、「飲む」を使うことが多く一般的な漢字なので、一瞬、読み方が分からないこともあるかもしれません。
ここでよく理解しておいてください。
「息を呑む」の類語や言い換え・似た言葉
では、「驚いたりして息を止めること」という意味を持つ「息を呑む」に似ている言葉を見てみることにしますが、次に挙げる類義語も私達の生活の中でのか会話としては、身近な言葉ではないかと思います。
- 「唖然」【あぜん】
- 「絶句」【ぜっく】
「唖然」【あぜん】
「唖然」と書いて「あぜん」と読むこの言葉は、「息を呑む」の類語として挙げることができます。
「唖然」とは、「驚き、呆れてものもいえないさま」や、「開いた口が塞がらないさま」などの意味で理解することができる類義語で、使われる場面としては以下のようなケースがあります。
「僕より後から入社してきた後輩が先にトントン拍子に出世していったので、あまりの早さに唖然としてしまった」
「友人の書いた小説が受賞したいうニュースを見て唖然としたのです」
「部下に指示したデータ入力をチェックしてていくと、かなりの入力ミスが多くて唖然とした」
このような場面は、プライベートな場面だけではなく、ビジネスシーンでも経験することなので、この言葉が使われる頻度がかなり高いと言えるでしょう。
また、「唖然とする」の意味には、「呆れる」という解釈もあり、「意外なことがあって途方に暮れる」、「どうして良いか分からずに困る」というニュアンスがあります。
「絶句」【ぜっく】
「ぜっく)」という読み方をする「絶句」も「息を呑む」と同じ場面で用いられる言葉です。
「絶句」とは、「途中で言葉が詰まり、その後の話が続かないこと」の意味しており、この言葉を例文としては、次のようなケースで見ることができます。
「彼は妻から、突然、離婚のことを切り出され、思わず絶句してしまった」
「彼女は、友人の結婚式の挨拶で感情がすごく高ぶってしまい、絶句したのです」
感情の高ぶりや、驚きの気持ちの表れを如実に表現しています。
「息を呑む」の言葉の使い方
「息を呑む」という言葉が使われるシーンは、人が予想していなかったことが起こった時が多いのですが、悪い意味で使われるだけでなく、いい意味で使われることもかなりあります。
「息を呑む」を使った例文
では、どのような場面で「息を呑む」使えるか例文を見ていくことにしましょう。
- 「息を呑む」の例文1
- 「息を呑む」の例文2
- 「息を呑む」の例文3
「息を呑む」の例文1
「あの展望台から見る夜景の美しさは、とても美しく息を呑むので、多くのカップルが夜になると集まってきます」
夜景の美しいスポットに立つと、思わず心が動かされることがよくありますね。
このような時に「息を呑む」という表現がマッチしてていますし、そのような場所で彼女を感動させてあげることは男性にとってのこだわりかもしれません。
「息を呑む」の例文2
「山頂からの見下ろす景色は、思わず息を呑むような絶景だったのです。時間をかけて登ってきた甲斐があったというものです」
登山をする人は、絶景を求めて登っていることが多いのですが、山の頂きかた眺める景色を人の心を爽快にさせてくれる力があります。
「息を呑む」の例文3
「彼女は育ちの良さなのか、あの洗練された身のこなしには思わず息を呑んでしまいました」
「息を呑む」は、驚きや感動する時に使うことができる言葉ですが、このように人の行動に対しても使える言葉です。
この「彼女」のふるまいは、実にエレガントで誰でも真似できることではないのかもしれませんね。
「息を呑む」の英語
「息を呑む」を英語で表現するなら、どのような言葉になるのでしょうか?
「のむ」というと「飲む」を使うことが多いのですが、液体など飲む時の英語表現は、“drink”となります。
「息を呑む(のむ)」は英語で、“to catch one's breath”となりますので、「息」という言葉を含むことになりますが、英語で表現する方が「息を呑む」のニュアンスが理解しやすいかもしれません。
「息を呑む」の語源や由来
「息を呑む」の語源を考える時に、ポイントになってくるのが「呑む」です。
通常「のむ」で使われる「飲む」といった漢字で表われされますが、「水を飲む」、「薬を飲む」など、飲み込むという意味合いで使われています。
「息をのむ」で使われる「呑む」は、「涙を呑む」や「要求を呑む」など抽象的な表現でよく使われる漢字になります。
この2つの漢字を意味を整理すると、「飲む」は「液体を口に入れて、噛まずに体内に送り込む」という意味。
「呑む」は「固形物を口に入れて、噛まずに体内に送り込む」と言う意味。
このような意味で「飲む」と「呑む」はほぼ同じ意味を持っているのですが、使う方を細かく彫り上げて見ていくと、「呑む」にはに、他にも、「物事を受け入れる」や、「耐えて表に出さない」という感情的な動きや状況を表現する場合にも使うことができます。
人間の行動としての「呑む」だけではなく、「圧倒する」、「見下げる」、「受け入れる」、「折り合う」、「外に出さないで抑止する」といった意味合いを持つことから
「息をも呑む」という使い方が始まったのではないかと思われるのです。
「息を呑む」を使った言葉や意味を解釈
では、この他のもう少し「息を呑む」を使った言葉を見ていくことにします。
- 「息を呑む展開」
- 「緻密さに息を呑む」
- 「思わず息を呑む」
「息を呑む展開」
「今回の世界陸上の会場では、息を呑むレース展開が続いて白熱した」
「息の呑む」展開とは、「感動の連続」が展開する試合内容だったと理解することができます。
世界陸上は、多くの人を感動させる場面が数多くありますので、このような時に「息を呑む」が、とても似合う言葉です。
「緻密さに息を呑む」
「彼の描く狂気とも感じるような絵の緻密さに息を呑まざるをえない」
絵画でも人の心を感動させることが少なくありませんが、その時の心の動きは感動をこけて圧倒させられることもあります。
「思わず息を呑む」
「赤信号に気づかず横断歩道に飛び出した女の子に、周囲は思わず息を呑んだ」
小さな子供できを付けなければならないことは、急な動きをすることです。
このように横断歩道でも、幼い子供の飛び出しがあるので、親は十分に注意していく必要があります。
「息を呑む」の使い方を見ていくと、本当に色々な場面で見ることができることが理解できますが、「呑む」の使い方だけを見ても、「固唾を呑む」、「要望を呑む」、「条件を呑む」、「鵜呑み」などの表現ができる言葉です。
このように「息」単独の漢字に「呑む」がつながることで、実に多くの場面で利用されることができるので、非常に関心の高い言葉の1つです。