「残す」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「残す」とは、「後に留めて残しておくこと」や「元のままにしておくこと」「後世に残すこと」などを示す言葉です。
「残す」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文・英語・残すと遺すの違い・対義語」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「残す」の意味とは?
- 「残す」の類語や言い換え・似た言葉
- 「残す」の言葉の使い方
- 「残す」を使った例文
- 「残す」の英語
- 「残す」と「遺す」の違い
- 「残す」は「○○のみ」の意味
- 「残す」の対義語
「残す」の意味とは?
「残す」という言葉には非常にたくさんの意味があります。
「残す」の言葉が示す意味には、「後に残しておくこと」「元のままにしておくこと」「全体の一部に手をつけないままにしておくこと」「死後(後世)に残して伝えること」「消さないでそのままにしておくこと」「金銭などを溜め込む(貯め込む)こと」などがあるのです。
「残す」は「後に留めて残しておくこと」の意味では、「メッセージを残して立ち去る」などの例文があります。
「元のままにしておくこと」の意味では、「農村の景観を残すことは環境保護の一環である」というように使えます。
「死後(後世)に残して伝えること」の意味では「歴史に自分の名前を残す」、「金銭などを溜め込む(貯め込む)こと」の意味では「節約して財産を残す」などの例文があります。
「全体の一部に手をつけないままにしておくこと」の意味では、「楽しみにデザートのいちごを残す」などで使えます。
- 「残す」の読み方
「残す」の読み方
「残す」の読み方は、そのまま「のこす」になります。
「残す」の類語や言い換え・似た言葉
「残す」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「残す」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「取っておく」【とっておく】
- 「留める」【とどめる】
- 「溜め込む」【ためこむ】
- 「伝える」【つたえる】
「取っておく」【とっておく】
「残す」の類語・言い換えとして、「余らせる・取っておく」があります。
「残す」には「全部を使い切らずに一部を余らせる」や「全体の一部を後に残しておいて余らせる」という意味合いがあります。
そのため、「残す」の類語として「余らせる・取っておく」を上げることができるでしょう。
この余らせるの意味の「残す」の例文として、「非常用の電源のために単一電池を10本ほど残しておいた」などがあります。
「留める」【とどめる】
「残す」の類語・似た言葉として、「留める(とどめる)・保存する」があります。
「残す」という言葉には、「変えずに元のままに留めておく」や「消さないでそのままの状態に留めておく」という意味合いがあります。
そのため、「残す」に似た言葉として「留める・保存する」を指摘することができます。
この留めるの意味の残すの例文として、「久しぶりに帰った故郷は、子供時代に見たままの景色をまだ残していた」などを上げることができます。
「溜め込む」【ためこむ】
「残す」の類語・言い換えとして、「溜め込む・貯め込む」があります。
「残す」という言葉には、「使わずに溜め込むこと」や「金銭・価値あるものを貯め込むこと」の意味合いがあります。
そのため、「残す」という言葉は「溜め込む・貯め込む」という言葉で言い換えることができます。
ためこむの意味の例文として、「可愛い孫のために幾ばくかの財産を残してあげたい」などがあります。
「伝える」【つたえる】
「残す」の類語・似た言葉として、「伝える」があります。
「残す」という言葉には、「死後に後世に伝える」や「自分の人生で獲得した何かを伝える」という意味合いがあります。
そのため、「残す」に似た言葉として「伝える」を上げることができます。
伝えるの意味の例文として、「自分の偉大な仕事の功績を残す」や「立志伝中の人物として名前を残す」などがあります。
「残す」の言葉の使い方
「残す」の言葉の使い方は、「後に何かを留めて残す時」や「全部を使い切らずに一部を残す時」に用います。
例えば、「伝言を残して帰ることにした」や「いざという時のためにおやつを残しておいた」などの形で使うことができます。
更に、「元の状態のままにしておく時」や「消さないでそのままにしておく時」に、「残す」という言葉を使用することができます。
「少女時代の面影を残したまま成長する」や「昔の記憶をしっかりと残している」などの文章で使われます。
「残す」という言葉は、「自分の死後に後世に伝える」や「金銭・価値あるものをためこむこと」の意味でも使用することができます。
例えば、「いつ亡くなっても家族が困らないように遺言を残す」や「数十億円以上にものぼる巨額の財産を残した祖父が、死後も大勢の親族の生活を支えているようなものだった」などの文章において「残す」という言葉を使えるのです。
「残す」を使った例文
「残す」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「残す」を使った例文について紹介していきます。
- 「残す」の例文1
- 「残す」の例文2
- 「残す」の例文3
「残す」の例文1
修学旅行の引率の先生が、生徒を駅のホームに残したまま、自分のお土産を急いで買いに行っていた。
「残す」の例文2
15年ぶりの再会だったが、子供時代の面影が残っていたので、幼馴染みの優子ちゃんだということはすぐに分かった。
「残す」の例文3
「子孫に美田を残さず」ということわざ(諺)があるが、子供達・孫達に大きな財産を残してあげたがために、骨肉の財産争い(相続争い)になる事例は世の中に多い。
「残す」の英語
「残す」の英語は、“leave”、“leave behind”、“appropriate”、“save”、“reserve”、“earmark”、“set aside”、“allow”などになります。
“She left her name to posterity.”(彼女は後世に名前を残した)というような英文として使用することができます。
以下で、「そのまま残す」や「作品を残す」という日本語の文章を英語でどのように表現できるかを紹介していきます。
- 「そのまま残す」
- 「作品を残す」
「そのまま残す」
「そのまま残す」という日本語は、“leave it intact”や“leave it as it is”という英文で表現することができます。
“intact”という英単語は、「そのままで、手をつけないままで、失われた部分がなくて完全な状態で」という意味を持っています。
「作品を残す」
「作品を残す」という日本語は、“leave a piece(leave a piece of work)”や“leave a product(leave a production)”という英文で表現することができます。
「芸術作品を残す」という意味では“leave a work of art”、「文学作品を残す」という意味では“leave a literary work”という英文で言い表すことができるでしょう。
「残す」と「遺す」の違い
「残す」と「遺す」の違いは、「残す」は一般的に「後に留めること・元のままであること・全体の一部を余らせること・ためこむこと」などを意味していますが、「遺す」は「死んだ後・立ち去った後に何かを残して伝えること」の意味合いがあるということです。
失わずに留めたり保存したりするや変化せずに元のままで留める、全体の一部を余らせるという一般的な意味の「のこす」はすべて「残す」という漢字で表記することができます。
「遺す」には「遺言・遺産」などの言葉があるように、「死後や立ち去った後に何かを残す」というニュアンスが強くなっていて、「財産を遺して亡くなる・メモを遺して立ち去る」や「歴史に名前を遺す」などの文章で使われます。
「残す」は「○○のみ」の意味
「残す」という言葉には、「全体の中の一部だけを取っておくこと(余らせておくこと)」の意味合いがありますが、この場合には「全体(全部)の中の価値があるもののみ・意味があるもののみ」を余らせておくというニュアンスがあります。
「残す」という言葉には、「自分にとって価値や意味があるもののみ(主観的あるいは客観的に価値があるもののみ)」を後のために留めておく(何かのために保存しておく)という「選択・選別の意味合い」も備わっているのです。
「残す」の対義語
「残す」の対義語は、「使い切る」「捨てる・浪費する」「変わる・変える」などを上げることができます。
「残す」には「全部・全体を使い切らずに一部を取っておくこと」の意味があるので、その対義語として「使い切る」があります。
また、「残す」には「ためこむこと」の意味があるので、その対義語として「捨てる・浪費する」を上げることができるでしょう。
「元のままに留めること」という意味も「残す」にはあるので、その対義語として「変わる・変える」があります。
「残す」という言葉について徹底的に解説しましたが、残すには「後に留めて残しておくこと」や「元のままにしておくこと」「後世に残すこと」などの意味があります。
残すの類語・言い換え・似た言葉としては「余らせる・取っておく」「留める」「溜め込む・貯め込む」「伝える」などがあります。
「残す」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。