「怒り心頭」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
地球上にはたくさんの言語があり、約5000種類もの言語があると言われています。
その中でも日本語は難しい言語のトップ10に入るといわれるほど外国の方からはわかりにく言語なのです。
あなたは、きちんとした日本語の意味・使い方をご存知でしょうか。
今回は「怒り心頭」について触れていきたいと思います。
目次
- 「怒り心頭」の意味とは?
- 「怒り心頭」の類語や言い換え・似た言葉
- 「怒り心頭」の言葉の使い方
- 「怒り心頭」を使った例文
- 「怒り心頭」の英語
- 「怒り心頭」を分解して解釈
- 「怒り心頭に発する」の意味
- 「怒り心頭」の語源や由来
「怒り心頭」の意味とは?
「怒り心頭」とは、怒りが心の中に生まれる、激怒するという意味で使われます。
「怒り心頭に発する」という慣用句の略とされています。
一見、心頭とは心のことを表すのか頭のことを表すのかよくわかりませんが、正しい意味は「心、心の中」を現す単語です。
つまり、心の底から怒りがこみあげてくる様を表す非常に強い怒りを表す言葉となっているのです。
- 「怒り心頭」の読み方
「怒り心頭」の読み方
「怒り心頭」は「いかりしんとう」と読みます。
少し前までマツコ・デラックスさんと有吉弘行さんの同じ読み方の視聴者からの怒りの投稿を紹介するテレビ番組がありましたが、あちらは「怒り新党」ですので漢字を間違えないように注意しましょう。
「怒り心頭」の類語や言い換え・似た言葉
前項で説明したように激しく怒る様を表す言葉は他にもいくつかありますので紹介していきたいと思います。
- 逆鱗に触れる
- 憤慨する
- 激高する
- 堪忍袋の緒が切れる
- はらわたが煮えくり返る
逆鱗に触れる
逆鱗に触れるは「げきりんにふれる」と読み、主に目上の人を激しく怒らせてしまった際に使う言葉です。
逆鱗とは竜のあごの下にある1枚の逆さまにはえた鱗のことを指し、この鱗に触れると普段おとなしい竜が怒り必ず殺されるという伝説からできた言葉と言われています。
憤慨する
憤慨は「ふんがい」と読み、普段生活している時に感じる怒りの感情に比べより強い怒りを感じた際に使用する言葉です。
ですから、こちらも怒り心頭同様非常に強い怒りを表す言葉となっております。
「憤慨される」「憤慨している」「憤慨を覚える」等といった使い方をされます。
激高する
激高は、「げっこう」「げきこう」と読み、気持ちが高ぶり怒っている様子を表す言葉です。
「激昂」という漢字を使用することもあります。
一般的には立場の上の人が下の人に対して怒る時に使用する言葉です。
感情上手にコントロールできず激しく怒っている人に使うことが多く、周囲の人からするとそこまで怒らなくてもいいのに…と思わずにはいられない時に使用することも多いようです。
こういう怒り方をする人は自分が正しいと思い込んでいるようですので、怒られないように上手に接することが一番です。
堪忍袋の緒が切れる
堪忍袋の緒が切れるは「かんにんぶくろのおがきれる」と読みます。
しばらく我慢していたが、もう我慢ができなくなって怒りが爆発する様子を表す言葉です。
我慢できるところまでは我慢したという意味が含まれています。
堪忍袋とは我慢できる心の広さを袋に例えている言葉です。
使い方の例としては「幼馴染とはいえ彼の図々しさには堪忍袋の緒が切れた」など、ずっとしていた我慢が爆発した時に使います。
周囲の誰かの堪忍袋の緒を切れさせないように気を付けましょう。
はらわたが煮えくり返る
はらわたが煮えくり返るは「はらわたがにえくりかえる」と読みます。
言葉に現せないほどの怒りや激しい怒りにどうしても耐えられない様子を表す言葉です。
使い方としては「浮気をした恋人にはらわたが煮えくり返る」など激しい怒りを表す時に使います。
「怒り心頭」の言葉の使い方
では怒り心頭はどういった使いかたをするのでしょうか。
先ほども説明しましたが、「怒り心頭」は「怒り心頭を発する」(いかりしんとうをはっする)の略です。
間違った使い方で「怒り心頭に達する」(いかりしんとうにたっする)という使い方をしている人が多いですが正しい使い方ができるようにきちんと覚えておきましょう。
「怒り心頭」を使った例文
次に「怒り心頭」を使った例文をいくつか紹介していきます。
- 「怒り心頭」の例文1
- 「怒り心頭」の例文2
- 「怒り心頭」の例文3
「怒り心頭」の例文1
「娘の素行の悪さ、成績の悪さに怒り心頭に発した父は彼女の携帯電話をとりあげ3ヶ月のお小遣いを500円に減額した」
思春期の女子学生のみなさん、親がおこらない程度の遊びと多少のわがままを許してもらえる成績は大事です。
要領よく生きないと例文のような罰が与えられてはたまったものではありません。
気を付けましょう。
「怒り心頭」の例文2
「彼女は僕の浮気に気づき、怒り心頭に発した」
これは完全に彼氏が悪いですね。
浮気はダメです。
彼女はさぞかし怒ったことでしょう。
どうしても好きな人ができた場合はきちんとお別れしてから次の人に行くようにしましょう。
「怒り心頭」の例文3
「親友が勝手に私のものを使うため、怒り心頭に欲した」
親しき中にも礼儀ありです。
勝手に使うのはよくありません。
どうしても貸して欲しい時はきちんとお願いをし、返す時は感謝の気持ちと物を渡すと今後も良い関係が保てることでしょう。
「怒り心頭」の英語
非常に起こっている様子を表すことから、“raging mad”、“getting very angry”、“to become very angry”等と表されることが多いようです。
“raging mad”の“raging”は日本語訳すると「激しい」という意味になります。
“mad”は「立腹」という意味を持っているため「激しく立腹する」という意味から使われるようです。
また、“getting very angry”、“to become very angry”は“very angry”という言葉から「とても怒っている」という意味があるため「怒り心頭」の英語訳として使われます。
「怒り心頭」を分解して解釈
「怒り心頭」という言葉を見た時に心頭という言葉の意味がいまいちわからないという方は多いのではないでしょうか。
最初に少し説明しましたがそれぞれ分解して詳しく意味を考えていきましょう。
- 「怒り」
- 「心頭」
「怒り」
「怒り」はみなさんご存知のように「怒る、憤り」などの意味です。
こちらは普段の生活の中で使用したり、耳にする機会も多いので問題ないことと思います。
「心頭」
「心頭」は普段あまり耳にしない言葉です。
心頭とは本来「心、心の中」という意味ですが、間違って頭と解釈してしまう人も多いので注意しましょう。
「怒り心頭に発する」の意味
「怒り心頭に発する」は「いかりしんとうにはっする」と読みます。
「発する」はそこから外に放ちだす」という意味があるため怒りの感情を自らの中から外に放つという意味になるのです。
「怒り心頭」の語源や由来
昔の人は、怒りは心からスタートし頭をゴールとすると考えられていたという説があります。
ですから、激しい怒りを表す言葉は「トサカに来」たり、さらには「怒髪天を衝く」など頭に関する言葉が多いのですが「怒り心頭」は怒りのスタートである「心、心の中」から発するといった意味を持つ言葉ですので間違えないように注意しましょう。
以上で怒り心頭の説明は終わりになります。
「怒り心頭に発する」正しく使えてましたでしょうか。
また、「心頭」の意味はきちんと理解できてましたでしょうか。
怒りを表す際に「頭にくる」とい慣用句をよく使いますが、このようにきちんと意味を一つ一つ調べれば激しい怒りは心からくるものだとあらわされていることがわかりました。
普段よく耳にしたり口にする言葉は案外間違っていることも多いものです。
現代はスマートフォンやパソコンなどすぐにインターネットで調べることができる環境ですので、きちんと調べ、間違った日本語を使うことのないように気を付けましょう。