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「薄氷を踏む」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

人が生きていく上で色々な場面に遭遇していきますが、常に楽しいことや嬉しいこと、心がウキウキするようなことばかりではありません。

むしろハラハラ、ドキドキするように怖いことや大変なことに会うこともあります。

むしろそちらの方が多いのかもしれませんが、そのようなことを何度も繰り返して来て人は成長していきます。

そのような波乱万丈の人生の過程において、「薄氷を踏む」という言葉が使われる場面があるかと思います。

しかし、「薄氷を踏む」という言葉の意味をよく知らなかったり、どのような場面で使うことができるのかを理解している人は意外と少ないのかもしれません。

ここでは「薄氷を踏む」の意味や使える場面を見て正しい使い方を説明して行きたいと思います。

薄氷を踏む

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「薄氷を踏む」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「薄氷を踏む」の意味とは?
  • 「薄氷を踏む」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「薄氷を踏む」の言葉の使い方
  • 「薄氷を踏む」を使った例文
  • 「薄氷を踏む」の英語
  • 「薄氷を踏む」の語源
  • 「薄氷」を使った言葉と意味を解釈


「薄氷を踏む」の意味とは?

「薄氷を踏む」の意味とは?

「薄氷を踏む」とは、「水面に薄く張った氷の上に乗るように、非常に危険な場面に望む心境であるさま」「ひやひやする様子」という意味があります。

今でいうと、「ヤバイ状態にある」ということになりますが、言わば「危険な状況にあること」ということです。

確かにこの表現では「薄い氷」の上を踏みながら渡っていこうという例えなのですが、いつ割れてもおかしくない状況下にあるので、とても緊迫感のある雰囲気が伝わって来ます。

  • 「薄氷を踏む」の読み方

「薄氷を踏む」の読み方

「薄氷を踏む」は、「はくひょうをふむ」という読み方になります。

決して難しい読み方ではありませんが、「薄氷」自体を日常生活の中で使う機会が少ないために、読み方が分からないと思ったり、深読みし過ぎて「はっぴょう」などと読まないようにしてください。



「薄氷を踏む」の類語や言い換え・似た言葉

「薄氷を踏む」の類語や言い換え・似た言葉

「ひやひやしている状態」のことを指している「薄氷を踏む」を他の言葉で例えてみると、次のような類義語が挙げられます。

  • 「一触即発」
  • 「予断を許さない」

「一触即発」

「一触即発」は、「いっしょくしょくはつ」という読み方はなりますが、この言葉の意味は、元々は「少し触れただけですぐにでも爆発してしまいそうな状態」の意味があるのですが、そこから転じて「極めて緊迫した状態」を意味するようになりました。

「薄氷を踏む」と同じように「ひやひやしている状態」ですが、「一触即発」の中に、含まれている「即」にはは「すぐに」という意味もあり、「弓を引き絞り放たれるのを待っている緊張の状態」という意味もあることから、その緊迫度はかなりのものだと推測できます。

「両国は一触即発の状態なので、いつ戦争が起きても不思議ではない」

このような場合で使われていることを耳にしたことのある人も結構いるのではないかと思います。

「予断を許さない」

「予断を許さない」も同義語として挙げることができるでしょう。

「予断」とは「予測すること」「予めすること」といった意味がありますが、「予断を許さない」という表現になると、「この後の展開がどのようになるかが分からない」「予測不能である」といった意味になってきます。

「薄氷を踏む」の言葉の使い方

「薄氷を踏む」の言葉の使い方

「薄氷を踏む」とは、かなりの緊迫感のある環境下において、何とかその困難な状況を乗り越えようとしている時に使われることが多い言葉です。

尚、この言葉の後には、「〜思い」という言葉が付いてくることがほとんどで、「薄氷を踏む思いで」となり、「ひやひやする思いで」というような意味を持つことになります。



「薄氷を踏む」を使った例文

「薄氷を踏む」を使った例文

では、ここから「薄氷を踏む」を使った例文を見ていくことにします。

  • 「薄氷を踏む」の例文1
  • 「薄氷を踏む」の例文2
  • 「薄氷を踏む」の例文3

「薄氷を踏む」の例文1

「黒字経営になるまで、薄氷を踏む思いで頑張ってきたわが社です」

いつ倒産してもおかしくはないギリギリの環境下でなんとか、経営を踏ん張ってきた会社です。

やっと黒字経営に切り替わって行ったのですが、それまでの緊張感は言葉では言い表すことができない程のことだったかもしれませんね。

「薄氷を踏む」の例文2

「幸い薄氷を踏む思いの長い10分間は、やっと無事に過ぎてくれたのです」

時間の経過は、人が置かれている立場や環境でもやたら長く感じることがあります。

10分間という時間の長さは、決して長いものではありませんが、ひやひやして危ない状況にある人は、もしかすると、とても長い時間なのかもしれません。

「薄氷を踏む」の例文3

「このタイミングが来ることを私は、父の顔色を気にしながら、薄氷を踏む思いで待っていたのです」

この例文から見て、もしかすると父親はとても厳しい人なのでしょうか?そのために「私」はとても厳しい状態をずっと耐え続けて脱出するタイミングを図っていたのです。

「薄氷を踏む」の英語

「薄氷を踏む」の英語

「薄氷を踏む」を英語に訳すと、“Stepping on thin ice”と直接的な表現になりますね。

「薄氷を踏む」の語源

「薄氷を踏む」の語源

「薄氷を踏む」の語源は「詩経」「戦々兢々として、深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」から来ていると言われています。

「詩経」とは、中国最古の詩篇で昔は古くはシンプルに「詩」と呼ばれており、周の時代に作られたことから、「周詩」とも呼ばれていたこともありました。

儒教の基本経典・五経、十三経の1つで漢詩の起源ともいわれていて、このようなことわざの元になった言葉があるのです。

「薄氷」を使った言葉と意味を解釈

「薄氷」を使った言葉と意味を解釈

では、「薄氷」を使った言葉を使っているケースをもう少し見ていくことにしましょう。

  • 「薄氷を踏む思いでいる日々」
  • 「薄氷を踏む思いで逃げ回る」
  • 「薄氷の勝利」

「薄氷を踏む思いでいる日々」

「薄氷を踏む思いでいる日々を語りたくはなかった」

誰でも長い人生の中においては、とても危険な環境や困難な場面に晒されていることがあったはずです。

このような時は息を潜めて静かに時が経つことを待っているのですが、その時のことを思い出したくないということは、当然のことかもしれませんね。

「薄氷を踏む思いで逃げ回る」

「1日1日薄氷を踏む思いで逃げまわっている犯人」 「薄氷を踏む思いで逃げ回る」ということは、心が穏やかにならない状態で、いつも誰かに追われている強迫観念を抱きながら、逃げ回っているということになるでしょうか。

犯罪を犯した人間は常に捕まらないように逃げ回っていることで、「薄氷を踏む思い」を持っているはずなのですが、反面、早く穏やかになって静かに余生を送りたいとも思っているのかもしれません。

「薄氷の勝利」

「薄氷」を使う言葉は、は、「薄氷を踏む」だけではなく「薄氷の勝利」という表現もあります。

この言葉に意味は、「辛うじて勝ち得た勝利」「負けても何ら不思議ではない状況で勝利を収めたさま」を意味しています。

この時も「薄氷」ということから、いつ環境が逆転してもおかしくはない試合やゲーム展開が容易に想像できます。

icon まとめ

仕事をしていると、いつもハラハラするようなことが起きても不思議ではないでしょう。

まさに「薄氷を踏む」ような心境で、目と前に立ち塞がってきた問題や課題に立ち向かいながら、進んでいった人もたくさんいることでしょう。

ビジネスの世界においては、数多くの成功事例がありますが、その裏には多くの失敗や苦しみがあったはすです。

その失敗した経験を糧に、挫折することなく飽くなき攻めの姿勢で努力してきたからこそ、成功に結び付いたはずです。

しかし、その時も「薄氷を踏む」思いで心中穏やかではなかったことでしょう。

そのような辛く厳しい環境を耐え抜いたことで、やっと大きな成功につながったはずです。

私達の人生とは、「薄氷を踏む」連続なのかもしれません。