「推して知るべし」の意味とは？類語、使い方や例文を紹介！

「推して知るべし」の意味とは?

「推して知るべし」の意味は、「状況・気持ち・考えなどを推し量れば分かるはずである」や「簡単に推測(推察)することができる」「ある事実をもとにして考えれば自明である」ということになります。

「推して知るべし」というのは、落ち着いて考えたり推測したりすれば、誰にでも分かるほどに状況や気持ちの理解が簡単であることを示しています。

「知るべし」は「知ることができるという可能性」を意味しているので、落ち着いて合理的に推測(推察)したり考察したりすれば簡単に分かるということを意味しているのです。

「現在の状況・問題の結論・相手の気持ち」などを容易に推測できるだけの前提条件が揃っているような時に、「推して知るべし」という言葉で「自分や他者が推測すれば分かる」ということを強調する言葉になっています。

• 「推して知るべし」の読み方

「推して知るべし」の読み方

「推して知るべし」の読み方は、「おしてしるべし」になります。

「推して知るべし」の類語や言い換え・似た言葉

「推して知るべし」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「推して知るべし」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。

• 「分かりきったこと」【わかりきったこと】
• 「想像に難くない」【そうぞうにかたくない】
• 「火を見るよりも明らか」【ひをみるよりもあきらか】

「分かりきったこと」【わかりきったこと】

「推して知るべし」の類語・言い換えとして、「分かりきったこと」があります。

「推して知るべし」という言葉には、「深く考えなくても結果は分かりきっている」や「普通に推し量れば簡単に理解することができる」といったニュアンスがあります。

物事の結果や相手の気持ち・考えなどが分かりきっていると感じられる状況で使う言葉が、「推して知るべし」なのです。

「推して知るべし」の類語として、「分かりきったこと」を上げることができます。

「想像に難くない」【そうぞうにかたくない】

「推して知るべし」の類語・似た言葉として、「想像に難くない」があります。

「推して知るべし」という言葉には、「簡単に推測することができる」や「ある事実をもとにして考えれば自明である」という意味合いがあります。

深く考えたり想像したりするまでもなく簡単に結論・気持ちが分かるような状況において、「推して知るべし」という言葉を使います。

そのため、「推して知るべし」に似た言葉として「想像に難くない」を指摘することができるのです。

「想像に難くない」は、「想像するまでもなく自明である・結果を想像することは難しくない」という意味合いを持っている言葉です。

「火を見るよりも明らか」【ひをみるよりもあきらか】

「推して知るべし」の類語・言い換えとして、「火を見るよりも明らか」があります。

「火を見るよりも明らか」という言葉の意味は、「物事や状況、気持ちがあまりにも明らかで、疑いを入れる余地がないこと」になります。

「燃えているものを見れば、それが火であることは明らかである」というところから生まれた慣用句が「火を見るよりも明らか」なのです。

「推して知るべし」には「簡単に知ることができる」という意味があるので、「推して知るべし」の類語として「火を見るよりも明らか」を上げることができます。

「推して知るべし」の言葉の使い方

「推して知るべし」の言葉の使い方は、「普通に推測・推量すれば、今の状況や相手の気持ちが簡単に分かる時(簡単に分かるだけの前提や原因がある時)」に使うというものです。

「推して知るべし」という言葉は「難しく考えなくても分かる」や「普通に推し量れば分かる」というニュアンスがあるので、「簡単(容易)に状況や気持ちを推測することができる時」に用いる言葉なのです。

「推して知るべし」という言葉は、自分自身が推し量れば簡単に分かるような時に使うことができますし、自分以外の相手や他者が推し量れば簡単に分かる時にも使うことができます。

例えば、自分が簡単に分かる時には、「私の学力では推して知るべし、やっぱり不合格だった」となり、他人が簡単に分かる時には、「彼の勤務態度の悪さを見れば、彼の人となりは推して知るべしだった」などになります。

「推して知るべし」の例文と解説

「推して知るべし」の例文を紹介していきます。

「推して知るべし」の例文における意味の解説もしています。

• 「推して知るべし」の例文1
• 「推して知るべし」の例文2
• 「推して知るべし」の例文3

「推して知るべし」の例文1

練習試合でさえあの強さなのだから、野球の名門として知られる強豪校の実力は推して知るべしだった。

本気を出し切っていない練習試合でもかなり強いということから、強豪校の圧倒的な実力を推測している例文になっています。

「推して知るべし」の例文2

彼のだらしない格好や片付けられていないデスク周りの様子を見れば、他は推して知るべしだろう。

彼の普段のだらしない格好や整理整頓ができていない状況から、それ以外の「だらしない性格・様子」を推察している例文です。

「推して知るべし」の例文3

初対面の人に対しても傲慢不遜な態度を取る社長、後は推して知るべしだった。

初対面の人に対してさえも礼儀・遠慮のない無礼な態度を取ることから、それ以外の「社長の傲慢・横暴な性格や振る舞い」を推測している例文です。

「推して知るべし」の英語

「推して知るべし」の英語は、“can easily be imagined(guessed, foreseen)”や“can be easily guessed”になります。

「簡単に推測できる・簡単に想像(予見)できる」という意味合いの英語表現を用いることで、「推して知るべし」の意味を伝えることができるのです。

“You can easily be guessed from her response. ”(彼女の返事から推測すれば、結果は推して知るべしである。)

「推して知るべし」の語源や由来

「推して知るべし」の語源・由来は「推す+知る+べし」によって構成されていて、「推測すること+知ることができる」の意味が結合した慣用句になっています。

「推す」の連用形の「推し」に接続助詞の「て」がくっついて「推して」になり、「知る」の終止形の「知る」に助動詞の「べし」がくっついて「知るべし」となっています。

「推して」の部分は、「推量(推測)して・推し量って(推測して考えて)」ということを意味しています。

「知るべし」の部分は、「知ることができる・知ることができるだろう(分かるだろう)」ということを意味しています。

助動詞の「べし」には「推量・当然・意志・適当・命令・可能」の意味がありますが、「推して知るべし」の場合には「推量(〜だろう)」と「可能(〜できる)」のニュアンスで「べし」が使われています。

「推す」の言葉が持つ2つの意味を解釈

「推して知るべし」には「推す」という言葉が使われています。

この「推す」という言葉が持つ「2つの意味」を分かりやすく解釈していきます。

• 「推す」の推薦するの意味
• 「推す」の推測するの意味

「推す」の推薦するの意味

「推す」という言葉には、ある人物やモノを薦めて(勧めて)推薦するという意味があります。

複数の人物の中から、代表者や特定の役割にふさわしい人物を推薦するような場合に「推す」という言葉を使用することができます。

最近は、芸能人・アイドルのグループの中で、自分が応援したり推薦したりしている人物のことを、名詞的用法で「推し」と呼ぶこともあります。

推薦するの意味で使う「推す」の例文ですと、「私は長年の付き合いがあり、その能力と人柄を認めているAさんを、次の学部長選挙で推したいと思っている」となります。

「推す」の推測するの意味

「推す」という言葉には、ある前提や物事から別のことを推測するという意味があります。

ある物事・根拠などの前提条件から色々なこと(結果・気持ちなど)を推し量る時に、「推す」という言葉を使用することができます。

推測するの意味で使う「推す」の例文ですと「『推す』と今までに手に入れることのできた情報や証言から推して、彼女がインサイダー取引に何らかの形で加担していたことはほぼ確実だろう」となります。