「瓢箪から駒」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
「瓢箪から駒」現代では大人でさえもこのことわざの意味を間違えて捉えていたり、正しく使えないという光景が見られます。
今一度確認していきましょう。
目次
- 「瓢箪から駒」の意味とは?
- 「瓢箪から駒」を言い換えると…?類語や言い換え、似たことわざ
- 「瓢箪から駒」の使い方
- 「瓢箪から駒」を使った例文
- 「瓢箪から駒」の成り立ちについて、語源や由来
- 「瓢箪から駒」の対義語
「瓢箪から駒」の意味とは?
「思いがけないところから思いがけないものが出る、思いもよらないことが実現する」という意味です。
「瓢箪から駒」は「瓢箪から駒が出る」と言われることもあります。
どちらにしても意味は同じで、「とんでもないこと」「思いがけないこと」「冗談が本当のことになること」「道理上で信じられないことが起きること」という意味があります。
予想の範囲を超えた出来事が起こる様子を表現することができます。
- 「瓢箪から駒」の読み方
「瓢箪から駒」の読み方
「瓢箪から駒」は「ひょうたんからこま」と読みます。
瓢箪は難しい漢字を使っていますが、読むことができますか?
瓢箪というのは、ウリ科の植物で、真ん中がくびれたかたちの実がなります。
軽くて丈夫なため、主に容器へ加工されて利用されることが多いです。
「瓢箪から駒」を言い換えると…?類語や言い換え、似たことわざ
「瓢箪(ひょうたん)から駒」とは、予想もしていなかった思いがけないことが起こる、また、冗談半分で言ったことが現実になるいう意味です。
簡単に言い換えるなら、「棚ぼた」「嬉しい誤算」「願ってもない話」という言葉で表現することもできます。
- 「瓢箪から駒」の類語や言い換え
- 「瓢箪から駒」の似たことわざ
「瓢箪から駒」の類語や言い換え
「瓢箪から駒」と似た意味を持つことわざには、「嘘から出たまこと」「虚は実を引く」「根もない嘘から芽が生える」「灰吹きから蛇が出る」があります。
特に、冗談や間違いで言ったことが本当に起こった、という場面で使うことができます。
「瓢箪から駒」の似たことわざ
「棚からぼた餅」「怪我の功名」も「瓢箪から駒」と似た意味を持つことわざです。
失敗や過失、あるいは何気なくしたことなどが偶然によい結果をもたらすことのたとえです。
あり得ないことが起こるという意味に加え、結果が予想以上に良い時に使うことができます。
嬉しい誤算に遭遇した時にぜひ使ってみましょう。
「瓢箪から駒」の使い方
「瓢箪(ひょうたん)から駒」の用法を見ていきましょう。
「瓢箪から駒」は、予想もしていなかった思いがけないことが起こるという意味ですが、使用する際に注意すべき点があります。
それは、未来において予測ができる範囲のことがらには使われないということです。
ですから、「そんなことが起こるはずがない」という場合に
のみ使用することができます。
「瓢箪から駒」を使った例文
では、実際に「瓢箪(ひょうたん)から駒」を用いた例文を挙げてみていきましょう。
「瓢箪から駒」は予想もしていなかった思いがけないことが起こるという意味で、
- 「ありえないようなことが起きてしまった」
- 「無理(そんなこと起きるわけない)」
- 「冗談で言ったことが本当になった」
という場合に、この「瓢箪から駒」ということわざで表現することができます。
- 「瓢箪から駒」の例文1
- 「瓢箪から駒」の例文2
- 「瓢箪から駒」の例文3
「瓢箪から駒」の例文1
今日、おばあちゃんからお小遣いもらったよ、瓢箪から駒だ。
期待していなかったところ、思いがけない臨時収入が入って、ラッキーという意味です。
「瓢箪から駒」の例文2
そんな話、瓢箪から駒もでなけりゃ、ありえないことだよ。
打消しの語を伴って使用することで、到底ありえないことが起こる様を表現することができます。
「瓢箪から駒」の例文3
初マラソンでゴールできればよいと思っていたが、まさか10位以内に入れるなんて、まさに瓢箪から駒だったよ。
あり得ないことが起こっただけでなく、結果が予想以上に良かったこと表現する際にも適したことわざです。
「瓢箪から駒」の成り立ちについて、語源や由来
「瓢箪(ひょうたん)から駒」の語源や由来を見てきましょう。
まず、先述した通り、瓢箪はウリ科の植物のことです。
大昔、水を持ち運ぶ為の容器を作る技術がなかった頃、人々は自然のままで使えるものを容器として用いていました。
その代表的なものが、瓢箪でした。
気温が高くなる夏でも瓢箪の中に入れた水はいつまでも冷たいままという保冷効果もあり、そのため昔の人は瓢箪を水筒として持ち歩くようになりました。
中国の老子も水やお酒を入れて腰からぶら下げていました。
続いて「駒」ですが、「駒」とは何を指すのでしょうか。
この駒は将棋の駒や子供の遊びで使う遊具の独楽(ベーゴマなど)の事ではありません。
実は、「瓢箪から駒」の「駒」は「馬」のことなのです。
そのことを踏まえて、「瓢箪から駒」の語源についてみていきましょう。
- 「瓢箪から駒」の語源
- 「瓢箪から駒」の別の由来
「瓢箪から駒」の語源
昔、中国の仙人「張果老」という人が各地を白馬に乗り放浪していた時の話です。
長旅に疲れ休憩をするも大きな馬を持て余し、挙句に馬を小さな瓢箪の中に入れてしまったというのです。
そして、ふたたび旅を始める時、また小さな瓢箪から大きな馬を出したのだとか。
そのことから、「瓢箪から駒(馬)」という表現は「とんでもないことをする」意味を表すようになりました。
瓢箪は口がとても小さい形をしていますよね。
そのような口の小さな入れ物に大きな馬を入れたり出したりするのは到底不可能です。
そのようなことから「瓢箪から駒」は「思いがけない事が起きる」「予想もしていなかったことが起きる」という意味で広く使われるようになったと言われています。
さらに、そこから「冗談で言ったことが本当に起きる」という意味も表すようになり、現在では「瓢箪から駒」は幅広い用法で使用されています。
「瓢箪から駒」の別の由来
中国の仙人である張果老の話のほか、「瓢箪から駒」の由来はもう一つの説があります。
日本の宇治拾遺物語に「腰折雀」という話があります。
その中に「雀を助けた老婆が、雀から瓢箪の種をもらい、それをまいて育てたところ瓢箪の実の中から米が出てきたという話があり、「いくらでも米が出てくる瓢箪」が登場します。
その魔法のような瓢箪こそが、「瓢箪から駒」の由来であるとも言われています。
ここでは馬は登場せず米でしたが、この話こそがことわざの元になったとされています。
以後、米ではなく馬が出る瓢箪となって伝わるようになったのが「瓢箪から駒」の語源という説もあるのです。
「瓢箪から駒」の対義語
「瓢箪(ひょうたん)から駒」の対義語はどのようなものがあるのでしょうか。
「取らぬ狸の皮算用」ということわざがありますが、不確実なものに期待して計画を立てることのたとえです。
「瓢箪(ひょうたん)から駒」を思いがけない好運を得るという意味で使う場合は、「取らぬ狸の皮算用」対義語、反対語になりますね。
「瓢箪(ひょうたん)から駒」について、意味や用法、また由来についてみてきました。
正しい意味や用法が理解できたでしょうか。
ことわざは聞き慣れないからと敬遠する人も多いですが、語彙力が高いと、それだけ相手と多くのコミュニケーションを取ることができるという大きなアドバンテージになるはずです。
また、余談ですが、「瓢箪から駒」は英語で「瓢箪から駒」を表現するときは、定型フレーズ“Mows may come to earnest”=「冗談が本当になること」と言います。
日常会話の口語表現としてはあまり使われることはありませんが、文面やメールなどで使われることが多いです。
覚えておくと損はないでしょう。
人は人生の中で、想像もしていなかったような驚くべき出来事に遭遇することも少なくありません。
「瓢箪から駒」は予想の範囲を超えた出来事が起こる様を意味しますが、願わくばその出来事は常に「良いものごと」であってほしいものですね。