「趣を異にする」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「趣を異にする」の意味や読み方を紹介します。
さらに「趣を異にする」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「趣を異にする」の意味とは?
- 「趣を異にする」を分解して解釈
- 「趣を異にする」の言葉の使い方
- 「趣を異にする」を使った例文
- 「異にする」を使った言葉
「趣を異にする」の意味とは?
「趣を異にする」という言葉を目にした事があるでしょうか。
それほど一般的な言葉ではないので、初めて見たと言う人も多いかもしれません。
それでも、「趣を異にする」という言葉は使用範囲が広いため、覚えておくと便利な言葉で、また「読み間違えがとても多い」言葉でもあります。
そんな「趣を異にする」という言葉の読み方や意味を紹介していきます。
- 「趣を異にする」の読み方
- 「趣を異にする」の意味
「趣を異にする」の読み方
「趣を異にする」という言葉は、多くの人が読み間違える言葉として有名です。
「趣を異にする」は「おもむきをことにする」と読むからです。
「趣」を「おもむき」と読めた方でも、「異にする」を「ことにする」と読めた人は少ないのではないでしょうか。
「異」を使った有名な言葉に「異を唱える」という言葉がありますが、この場合は「異」を「い」と読みます。
また「趣」は「趣味」という言葉の「趣」なので、「しゅ」と読んでしまう事があるかもしれません。
「趣を異にする」を「おもむきをことにする」と読めるだけでも自慢できるので、これを機会に読み方を覚えておきましょう。
「趣を異にする」の意味
「趣」には「事情や趣旨」、「感じや気分」、さらに「味わいやおかしみ」、「内容」などの意味があります。
また「異にする」には、「別にする」「違う」という意味があります。
そのため、「趣を異にする」には、「事情が違う」「感じが違う」「味わいが違う」「内容を別にする」などの意味があります。
「趣」をどのような意味に捉えるかで、「趣を異にする」という言葉の意味が変わってきます。
まずは「何かを別にする」「何かが違う」という意味だという事を、覚えておきましょう。
「趣を異にする」を分解して解釈
次に「趣を異にする」という言葉を、分解して解釈してみましょう。
「趣を異にする」は、「趣」と「異にする」の二つの言葉に分ける事ができます。
それぞれの意味を見る事で、言葉全体の意味が分かりやすくなるかもしれません。
- 「趣」
- 「異にする」
「趣」
「趣」にはいくつかの意味があります。
例えば「趣の違う話」という時は、「その中に含まれている事情や趣旨が違う」と言う意味になります。
つまり「事情」や「趣旨」という意味があり、さらに「山里の趣がある」というケースでは、「趣」には「そのような感じ、気分」という意味があります。
「山里らしい風情がある」という意味になります。
また「趣のある景色」という場合は、「趣」には「しみじみ感じられる味わい」という意味があります。
さらに会議中などに「趣を理解しました」という場合は、「趣」には「内容や要点」という意味があります。
「趣を異にする」という場合も、「趣」は様々な意味があります。
「異にする」
「異にする」には「別にする」、「違う」という意味があります。
「彼と意見を異にする」という場合は、「彼と意見を別にする」という意味になります。
「異にする」という言葉を使う時のポイントとして、「別にする相手を否定していない」という点です。
「彼との意見を異にする」のケースでも、彼とは違う意見を持ちますが、ただ別にしただけで、彼の意見を否定しているわけではないという事です。
一方で「彼の意見に異を唱える」という場合は、「彼の意見が違うと否定する」という意味になります。
基本的に「異」の読み方が「こと」の場合は、別なだけで否定的な意味を持たないという事、「異」の読み方が「い」の場合は、否定的な意味を持つと覚えておくとよいでしょう。
「趣を異にする」の言葉の使い方
「趣を異にする」という言葉は、どのような場面で使えば良いでしょうか。
「趣」という言葉には「事情や趣旨」「内容」「おかしさ」などの様々な意味があります。
そのため適応範囲がとても広く、使う場面も多くなります。
ただし「異にする」という言葉には、否定的な意味がないというポイントがあります。
そのため、「趣を異にする」という言葉を使う時は、「異にする」相手や物事を否定しない場面に限られます。
「単純に趣が違う」「特に何の感情を持たずに、趣を別にする」、そんな時に「趣を異にする」という言葉を使うようにしましょう。
「趣を異にする」を使った例文
「趣を異にする」という言葉を使って文章を作ってみましょう。
どのような場面で「趣を異にする」という言葉を使えばいいか、使い方や言葉の意味がより深く理解できるかもしれません。
- 「趣を異にする」の例文1
- 「趣を異にする」の例文2
「趣を異にする」の例文1
ビジネスシーンで「趣を異にする」という言葉を使った場面を、文章にしてみましょう。
「彼の意見と私の意見は、『趣を異にしている』ようです」、「課長が進めているプロジェクトと、私が提案するプロジェクトは『趣を異にしている』ようです。別プロジェクトとして立ち上げたいと考えています」、「A君と私では、この仕事に対する『趣を異にしている』と感じるな」という感じです。
意見や感じ方に違いがあるものの、同じ職場にいる人と、喧嘩になったり険悪なムードになるような気配を感じません。
「趣を異にする」の例文2
個性的な人は、何かと他の人とは「趣を事にする」傾向があります。
そこで、誰かの事を「趣を異にする」という言葉を使って、文章にしてみましょう。
「彼の行動を見ていると、他の人とは『趣を異にする』人だという事が良く分かる。実におもしろいな」、「彼は同じ学校を卒業しているのに、他の卒業生とはまるで『趣を異にしている』。本当に不思議な男だ」、「彼の女性の趣味は一般的な男性と『趣を異にしている』。だから女性を取り合った経験がないようだ」などです。
「あいつは変わっている」「変だ」と言うと、否定的な意味が出てしまいますが、「趣を異にする」という言葉なら、角が立たずに済みます。
「異にする」を使った言葉
最後に「趣を異にする」の「異にする」を使った、他の言葉を見て行きましょう。
「別にする」という意味がある「異にする」は、どのような言葉として使う事が多いのでしょうか。
- 「意見を異にする」
- 「立場を異にする」
「意見を異にする」
「意見を異にする」は、「異にする」という言葉のポピュラーな使い方です。
誰かと別の意見を言う時などに「意見を異にする」という表現をします。
「異にする」には否定的な意味がないので、「意見を異にする」という場合も、意見が違うだけで、否定的な意味は含まれていません。
そもそも会議などでは、一方向からの意見ではなく、様々な方向から異なる意見が飛び出す方が盛り上がります。
またその方が、結果的に良い話し合いになる事が多いです。
そのため「意見を異にする」事は、様々な場面で有用です。
相手に遠慮せずに「意見を異にする」を実践して行きましょう。
「立場を異にする」
「立場を異にする」という言葉も、ビジネスシーンなどで良く使います。
仕事に関する考え方や取り組み方が違えば、自然と立場も違ってきます。
そのような場合、「Aさんとは『立場を異にする』」「いつの間にかBさんと『立場を異にする』事になった」などと表現します。
建設的な話し合いができれば、「立場を異にする」事はデメリットにはなりません。
別のプロジェクトでは、同じ立場を取る事もあるでしょう。
「趣を異にする」というという言葉の意味や読み方、使い方を理解できたでしょうか。
特に「異にする」を「ことにする」と読む事は、知っておくと良いでしょう。