「茫然自失」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「茫然自失」の意味や類語を紹介します。
さらに「茫然自失」の使い方や、「茫然自失」の例文を紹介します。
目次
- 「茫然自失」の意味とは?
- 「茫然自失」の類語や言い換え・似た言葉
- 「茫然自失」の言葉の使い方
- 「茫然自失」を使った例文
- 「茫然自失」と「呆然自失」の違い
「茫然自失」の意味とは?
みなさんの中には「茫然自失」といえるような経験をした事があるでしょうか。
もし、経験があるなら、その時は大変だったのではないでしょうか。
まだ「茫然自失」な経験がない人は、ラッキーな人かもしれません。
人生でも記憶に残るような感覚を表現する言葉のひとつ、「茫然自失」について紹介します。
- 「茫然自失」の読み方
- 「茫然」と「自失」の意味
- 「茫然自失」の意味
「茫然自失」の読み方
「茫然自失」は「ぼうぜんじしつ」と読みます。
「茫然」は「ぼうぜん」、「自失」は「じしつ」と読みます。
「茫然」という文字は、日常的に見る事がない漢字ですので、「ぼうぜん」と読む事を覚えておきましょう。
「茫然」と「自失」の意味
「茫然自失」の意味をチェックしてみましょう。
まず「茫然」にはどのような意味があるでしょうか。
「茫然」とは気が抜けてしまう事、気持ちが集中できずにぼんやりとしてしまう事などを意味します。
何か驚きの出来事が起こった時に、口を開けてぼーっとしている人がいますが、あれは「茫然」と言えるような状態です。
また、「自失」は我を失う事を意味します。
「自分を失う」という言葉の意味通り、自分という意識がどこかに飛んで行ってしまい、魂が抜けたようにぼーっとしてしまいます。
「茫然自失」の意味
「茫然」にも「自失」にも、我を失ってぼーっとしてしまうという意味があります。
「茫然自失」は同じような言葉を二つ並べて、その意味を強調するタイプの言葉です。
「茫然自失」には、あまりの事にあっけにとられたり、あきれ果てたり、驚きすぎたりして、何も考えられない、集中できないような状態になるという意味があります。
このような状態になった事がある人も、少なくないかもしれません。
「茫然自失」の類語や言い換え・似た言葉
「茫然自失」を他の言葉に言い換える事はできるでしょうか。
似た意味を持つ言葉にはどのようなものがあるのかを紹介します。
- 「開いた口がふさがらない」【あいたくちがふさがらない】
- 「上の空」【うわのそら】
- 「うつろ」【うつろ】
「開いた口がふさがらない」【あいたくちがふさがらない】
「開いた口がふさがらない」という言葉があります。
両親が自分がしでかした事に対して、「開いた口がふさがらない」と言っていた…そのような記憶がある人もいるかもしれません。
「開いた口がふさがらない」は、驚いて呆然とする様子を言葉にしたものです。
「茫然自失」ととても似た意味の言葉です。
「上の空」【うわのそら】
「上の空」は心がそこになくなって、ぼーっとしてしまう状態を意味する言葉です。
授業中に好きな男女の事を考えて、授業を受けている事を忘れてしまう時などは、「上の空」状態と言えるでしょう。
「茫然自失」の「茫然」も、心がどこかに行ってしまった様子を表現していますので、「上の空」は意味が近い言葉だと言えます。
「うつろ」【うつろ】
「うつろ」という言葉もあります。
「うつろ」は「空ろ」と書きます。
「空」という感じを使われているのが特徴的です。
「うつろ」は、ぼんやりしていて集中できない様子や、心がどこかに行ってしまった様子を言葉にしたものです。
「うつろな表情」「うつろな様子」をイメージすると、「茫然自失」している人の姿をイメージする事ができます。
「上の空」よりも、より心配な雰囲気を漂わせているかもしれません。
「茫然自失」の言葉の使い方
「茫然自失」は大きなショックを受けた時に、自分や周囲の誰かが陥る状態と言えます。
例えば大きな災害に遭ってしまった時、誰でも「茫然自失」と呼べるような状態になってしまうでしょう。
また世界的に大きな影響を与えるようなニュースを見た時も、「茫然自失」する事があるかもしれません。
例えばブラックマンデーのような世界株安が起こった後、個人投資家の方は「茫然自失」するでしょう。
またずっと応援していたスポーツ選手が引退を発表した時なども、その選手の事を好きなら好きなほど「茫然自失」状態になりそうです。
このように、何か大きなショックを受けた人が、魂が抜けたような状態になった時、「茫然自失」という言葉を使ってみましょう。
「茫然自失」を使った例文
「茫然自失」を使った文章を作りましょう。
そのために「茫然自失」を使った例文をいくつか紹介します。
様々な場面で登場する「茫然自失」を見て、言葉の意味をより深く理解しましょう。
- 「茫然自失」の例文1
- 「茫然自失」の例文2
- 「茫然自失」の例文3
「茫然自失」の例文1
誰かの事が大好きな人が、その人を失った時、「茫然自失」してしまう事が多いです。
それは恋愛シーンであるかもしれませんし、アイドルのファンかもしれません。
そのような様子を「茫然自失」を使った文章にしてみましょう。
「10年以上付き合った彼女に、『別れよう』と言われて『茫然自失』状態になってしまった」とか、「地下アイドルだった頃から応援していたAが、結婚をして引退する事になった。これからという時だったので、『茫然自失』してしまった」などです。
また「同級生で最後のプロ野球選手が引退した。もうプロ野球選手が全員年下なのだと気付き『茫然自失』状態になった」という感じの文章も作る事ができます。
好きな人が目の前から去る喪失感は、「茫然自失」状態になりやすい出来事です。
「茫然自失」の例文2
大きな事故や災害に遭ってしまった時も「茫然自失」してしまうでしょう。
その様子を、「茫然自失」を使った文章にしましょう。
「飛行機が落ちて、乗客がみな亡くなったというニュースを見て『茫然自失』状態になった」「自動車事故に遭った女性が『茫然自失』したように、空を眺めていた」、「大きな地震で家を失った男性が『茫然自失』したように、家があった場所をぼーっと見ていた」などです。
大きな事故や災害ほど、人を「茫然自失」とさせる事はないでしょう。
「茫然自失」の例文3
ビジネスシーンでも「茫然自失」してしまうような出来事が起こります。
その様子を「茫然自失」を使った文章にしましょう。
「ずっと後を追っていた専務が突然失脚し、『茫然自失』した」、「子供が生まれたばかりなのに海外支店への転勤が決まり『茫然自失』状態になった」、「会社が倒産する事になった。「茫然自失」とした社員たちが、社内をゾンビのように埋め尽くした」などです。
ビジネスシーンは人生の大きな部分を占めますので、意外な出来事があると、『茫然自失』としてしまうかもしれません。
「茫然自失」と「呆然自失」の違い
「茫然自失」と似た意味の言葉に「呆然自失」があります。
どちらも、驚きの出来事が起こって、気抜けが起こってしまう、我を失ってしまうという意味の言葉です。
ただし「呆然」という言葉を使った時の方が「あきれ返る」という意味合いが強くなります。
例えば旦那が浮気をして、しかも隠し子まで作っていたという場合、「茫然自失」を選んだ時は、ショックで何も考えられないという様子を表現できます。
一方で「呆然自失」という言葉を使うと「あきれ果てて、言葉が出ない」という感じを出す事ができます。
ほとんど同じ意味ですし、同じ場面で使う事ができますが、「あきれ返る」かどうかで、使い分けをすると良いでしょう。
「茫然自失」という言葉の意味や使い方を見てきました。
人生は長く単純ではありませんので、ショックな出来事があり、自分を失ってぼーっとしてしまう、そんな経験をした事がある人も多いと思います。
仕事で挫折をしたり、恋愛で挫折をした経験がある人も、「茫然自失」の言葉の意味が理解できると思います。
「茫然自失」した経験がある人は、人の心の痛みが分かる、素敵な大人になれる人かもしれません。