「喜色満面」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
笑う顔が好き、という理由で同性異性関わらず、その人に対して好感を持つこと、ありますよね。
心からの笑顔は人を素直に見せる効果があるように思います。
魅力的な人ほど、笑ったときに子どものような純粋さが垣間見えるものですね。
さて、ここでは「喜色満面」ということばについてご紹介します。
目次
- 「喜色満面」の意味とは?
- 「喜色満面」の類語や言い換え・似たことば
- 「喜色満面」の使い方
- 「喜色満面」を使った例文
- 「喜色満面」を分解して解釈
- 「喜色満面」の対義語
「喜色満面」の意味とは?
「喜色満面」は、「隠しきれないほどの喜びが、表情として表れている状態」を意味します。
本当に喜ばしいことがあったとき、つい顔がにやけてしまうこと、ありませんか。
嬉しいときにはそれを隠す必要などないのかもしれませんが、大人になるにつれ、感情をあらわにすることが恥ずかしく思えてしまったりするものです。
それでも心のなかで押さえつけきれないほどの喜びが顔に出てしまっているとき、「喜色満面」ということばで表現することができるでしょう。
- 「喜色満面」の読み方
「喜色満面」の読み方
「きしょくまんめん」と読みます。
「気色」と書いても「きしょく」と読みますが、こちらは顔色のことを意味することばですので、「喜び」という意味は含まれません。
ここでは、「喜色」が正しいです。
「喜」は喜び、「色」は表情、「満」は満ちること、「面」は顔のことを意味します。
そこからも、「喜色満面」が、喜びの表情が、顔全体に満ちている、という意味が浮びあがってきますね。
「喜色満面」の類語や言い換え・似たことば
「喜色満面」ということばが使いづらいときや、会話のなかなどで言い換えをしたいときに使えることばを紹介します。
類語表現をたくさん知っていることで、語彙力もあがりますよ。
「喜色満面」だけでなく、類語や言い換えのことばも同時に覚えてしまいましょう。
- 「えびす顔」【えびすがお】
- 「破顔」【はがん】
- 「春風満面」【しゅんぷうまんめん】
「えびす顔」【えびすがお】
七福神の一人である恵比寿様はご存知かと思います。
関西ではとくに「えべっさん」として親しまれていますね。
恵比寿様はいつも嬉しそうに、目を三日月型に細めて笑っている顔で有名ですが、このように実に幸せそうで、福々しい表情を、「えびす顔」といいます。
「彼女は体型もさながら、いつもえびす顔をしており、なんとなく元気をもらえる女性だ」
「破顔」【はがん】
真顔をしていた人が、なにかをきっかけにその顔を崩す、ということから、表情が破れる、破顔、と書きます。
楽しいこと、面白いこと、嬉しいことがあったとき、人は思わず「破顔」することがあります。
「学校に着くまでは緊張で手が震えていたが、合格者のリストに自分の受験番号があるのを見つけ、思わず破顔した」
「春風満面」【しゅんぷうまんめん】
「喜色満面」によく似た表現で。
春の風が頬をなでていくような爽快なイメージを持つことばですが、意味あいとしては、顔中に喜びが満ちている、という意味になります。
「内定が決まったのだと、春風満面の彼は将来への希望に満ちていた」
「喜色満面」の使い方
「喜色満面の〇〇」「喜色満面だ」「喜色満面で〇〇する」のような使い方になります。
「喜び」ということばで考えるとわかりやすいのですが、「母は喜んで〇〇する」「父は喜んだ」という使い方になりますね。
「喜色満面」もほとんど同じように使うことができることばだと思うと使いやすいでしょう。
「喜色満面」を使った例文
では具体例をあげながら見ていきましょう。
だれが、どのような場面で「喜色満面」なのかを考えれば、あまりむずかしくなく、取り入れていけるでしょう。
自分だったらこういうときに使いたいな、と考えることで、より身近になりますので、ぜひいっしょに考えてみてください。
- 「喜色満面」の例文1
- 「喜色満面」の例文2
- 「喜色満面」の例文3
「喜色満面」の例文1
「試合には負けたものの、自己ベストを更新することができた彼は、家に帰ってもまだ喜色満面だった」
彼が、自己ベストを更新する、というできごとに対して「喜色満面」だったことを意味する例文です。
喜ばしいできごとがあって、「喜色満面」になる、という構図がわかりますね。
負けたのに笑っている、というところよりも、彼にとっては試合に勝つよりも嬉しいことが起きたのだ、ととらえることがポイントになります。
「喜色満面」の例文2
「ようやく退院できた妻は、喜色満面で我が子を抱いている。私もきっと、妻と同じような表情をしているのだろう」
出産時になにかがあり、ようやく退院できた女性の表情を表しています。
一年近くみごもった子どもを抱くときの喜びはひとしおでしょう。
また、妻と子のほほえましい光景に、自身も「喜色満面」になっている男性のことも表した例文になっています。
「喜色満面で〇〇する」のかたちの例文です。
「喜色満面」の例文3
「母から聞く祖父はずいぶん厳しかったそうだ。私が会いに行くといつも喜色満面の祖父からは想像もつかない」
「喜色満面の〇〇」のかたちの例文になります。
孫には弱い男性のすがたを描いています。
なにが起こったわけでなくても、ただ孫がいるだけで、会えるだけで嬉しい、という人間の根源的な喜びを示しています。
理由なしにかわいいのが孫なのでしょう。
「喜色満面」を分解して解釈
一文字ごとの意味は上述しましたが、ここでは「喜色満面」を、「喜色」と「満面」の二語に分けて説明していきます。
「喜色満面」は易しい字が多く、意味も理解しやすいですが、熟語などで知らない漢字が含まれていたり、全体を見ると意味がわからなくなることばに遭遇したときには、このように分解して考えてみると、理解が早まったり、深まったりすることがよくありますよ。
- 「喜色」
- 「満面」
「喜色」
「喜色」とは、嬉しそうな表情や喜んでいるさまを表すことばです。
「喜色をたたえる」「喜色を浮かべる」「喜色が満ち」のように使います。
「スれたところのない彼女は、すぐさま喜色をあらわにして、礼をいった」
また、「喜色」の対義語には「憂色」が挙げられます。
心を痛めたり、憂いを帯びた表情のことをいいます。
「満面」
「満面」は、顔全体、顔中、顔いっぱいという意味のことばです。
「満面の笑み」も、「喜色満面」と似た意味で、「満面」を使ったことばになります。
弾けるような、輝くような笑顔を表します。
ほかに、自信があるようすが顔にも表れていることを、「得意満面」といいます。
「右側にだけえくぼのできる彼女の満面の笑みを見ていると、ついつられて笑ってしまった」
「喜色満面」の対義語
では最後に、「喜色満面」の対義語を見ておきましょう。
反対の意味を持つことばを知ることで、さらに語彙が広がります。
ものごとはつねに陰と陽の表裏一体でできていますので、ぜひともどちらの表現も覚えてみてください。
- 「愁色」
- 「憂い顔」
- 「えんま顔」
「愁色」
「しゅうしょく」と読みます。
「愁い」と書いて、「うれ(い)」と読みます。
「憂い」の字は「憂鬱」などの熟語でよく知られていますが、「寂しい」と「淋しい」のように、「愁い」という漢字もあります。
愁いをたたえた表情、悲しみに沈んだようすを表すことばになります。
「あまり辛いところを見せない彼女だが、その日の横顔には愁色があった」
「憂い顔」
「うれ(い)がお」と読みます。
心配事を抱えていたり、不安げなようす、物思いに沈んでいる表情をいいます。
いつもなんとなく憂いた顔をしている人のことや、ふとした瞬間にこのような表情を見せることがある人もいるのではないでしょうか。
「彼女の儚げな憂い顔は、なんだか私を落ち着かなくさせる」
「えんま顔」
類語表現として「えびす顔」を紹介しましたが、「えびす顔」の対義語にあたるのが、「えんま顔」です。
喜びの反対は、憂いともいえますが、怒りと考えることもできますね。
閻魔様のようなおそろしい顔つきのことをいいます。
お金の貸し借りについて、「借りるときのえびす顔(地蔵顔)、返すときのえんま顔」などという文言があります。
「喜色満面」とは、喜びが顔いっぱいに満ちている表情のことをいうことばでした。
忙しさのうちに人は笑うことを忘れてしまいがちですが、同じ日常でも、そのなかにちょっとした喜び、きらきらとした驚きなどを見つけ、いつも笑顔でいられると、いつしか周りにも、「喜色満面」の人が増えていそうですね。