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「不遜」の意味とは?使い方や例文、対義語を紹介!

社会に出ると、対人関係や礼儀作法など、いわゆる社会的常識といわれるものに出会い、戸惑うこともしばしばです。

中でも、自分の言動に対する評価は、相手に全ての決定権があるだけに、気を付けることが肝心です。

何気ない言葉や態度で、信用をなくしたり、怒りをかったりします。

特に、若いうちは、自分では気付かないうちに、不遜な言動になっていることがありますので、十分に気を配ることが大事です。

不遜

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「不遜」の意味とは?使い方や例文、対義語を紹介!>


目次

  • 「不遜」の意味とは?
  • 「不遜」の読み方
  • 「不遜」の言葉の使い方
  • 「不遜」を使った例文
  • 「不遜」を使った言葉を解釈
  • 「不遜」の対義語


「不遜」の意味とは?

「不遜」の意味とは?

不遜の「遜」の字は、「孫」が音を表していて、語源は、逃れる意味をもつ「遯」からきています。

また、この「遯」には、走り去るという意味があって、ひいては、逃れる意味となります。

逃れるから転じて、ゆずる意となり、自分を差し置いて他の人をすすめるという意味につうながります。

しかし、「不」ですから、それできない。

つまりは、「思いあがって、慎みに欠ける、おごり高ぶって謙虚さに欠ける様子を表す言葉」になります。



「不遜」の読み方

「不遜」の読み方

「ふそん」と読みます。

「遜」の方は、この他にも、劣るや及ばないと言う意味での「遜色」(そんしょく)、自分を低くしへり下って、相手に対して控えめな態度をとる意味での「謙遜」(けんそん)など、同じように「そん」という読みをする熟語があります。

「不遜」の言葉の使い方

「不遜」の言葉の使い方

「不遜」は、主に書き言葉として、文章の中で使うことが一般的です。

「不遜な手紙」という言い方もありますが、事物やできごとに対して、「不遜な〜」と形容詞的に使うことは、あまりありません。

主に、相手の態度や言葉遣い、話の内容などについて「不遜な〜」と使われることが多く見られます。



「不遜」を使った例文

「不遜」を使った例文
  • 「不遜」の例文1
  • 「不遜」の例文2
  • 「不遜」の例文3
  • 「不遜」の例文4

「不遜」の例文1

今回のプロジェクト案に付いて説明する際に、「ここまではよろしいですか」と、スライドが変わる度に、念を押していったのは、ある意味、相手の理解力を確かめるような印象を与えることになって、不遜な態度だったと深く反省した。

「不遜」の例文2

みんなでカラオケに行った時、初めて歌った曲なのに、高得点を出した幸子が「ねぇねぇ、私って天才的じゃない」と言って、その後に歌う人それぞれに、アドバイスをし始めたのには、さすがに不遜な人だと、むかついてきた。

「不遜」の例文3

「以下の点について、よろしくご回答ください」と書かれた依頼書は、一見すると丁寧そうですが、よくよく見てみると、押しつけがましい、あまり丁寧な依頼文書でもなさそうです。

なぜなら「よろしく」を外してみると「以下の点について、ご回答ください」となって、回答することが当然とされている命令形の文書になります。

その意味では、上から目線の不遜な依頼書です。

例えば、これを「ご回答いただけると、幸甚に存じます」など、あくまでも回答をする、しないの決定権は、相手の側にあるように記して、不遜な依頼にならないよう気を付けることが、ビジネスの世界では重要です。

「不遜」の例文4

「課長。今回の僕の対応、抜群だったでしょう」

「うん。なかなかのもので、感心したよ」

「でしょう。あれくらい、ちょちょいのちょいですよ」

「だからといって、今回は、うまくいったけれども、調子に乗って、不遜な態度だけはとるなよ」

「不遜」を使った言葉を解釈

「不遜」を使った言葉を解釈
  • 傲慢不遜
  • 傲岸不遜
  • 出言不遜

傲慢不遜

「傲」は、音を表すゴウ「敖」に、意味付けをする「人」を加えて、気ままにするという意味から転じて、奢るという意味を表します。

また、無視するという意味をもつ「慢」には、人を侮るという意味もあって、事物までをもないがしろにするような、奢りたかぶった様子を表していることまでも含まれています。

それで、「傲慢」には、人を無視して、いい気になり、人を見下す態度が示されていることになります。

不遜が意味することと重なって、人を見下して、おごり高ぶり、謙虚さや慎みに欠ける様子を表す四字熟語となります。

傲岸不遜

「傲慢不遜」と同様に、「傲岸」とは、おごり高ぶって人に従わず、見下すような態度をとる様子を表す言葉です。

「岸」という字には、もともとは高いという意味もあって、山の高いことを表す漢字でした。

そこから転じて、水際の高くそそり立つ岸を意味するようになりました。

いわゆる水辺のがけを指します。

その岸辺のがけの上に立って、ものを言っているということから「見下す」という意味合いが、派生するわけです。

高い所から見下ろしているという位置関係から生じる当然の感情でもあると言えます。

そのことと「不遜」に表される思い上がりやおごり高ぶりとが、重なっ て、人を見下し、思い上がった上に、おごり高ぶり、謙虚さや慎みのない様を言う四字熟語です。

出言不遜

「出言」とあるように、言葉から生じた不遜な感情であることは、容易に想像できます。

それも、「出(言)」ですから、書いたものではなく、言として出て行ったもの、つまりは、言葉になります。

この時、不遜に当たるものには、二つあります。

一つは、言葉遣いです。

横文字をやたら並べて、その都度訳しながら話すとか、「超ヤバイ」「最高ッス」「自分って〜じゃないですか」などといった若者言葉を、平気でやたら使って話す事です。

もう一つは、話し方です。

語尾を揚げた「分かります」を何度もはさむなど「言ってることが、分かっているのか」と言わんばかりのいかにも相手を見下したような態度などです。

「不遜」の対義語

「不遜」の対義語

「不遜」とは「遜」「不」つまりは、自分のもっている能力や社会的地位などを隠して、人にゆずる、慎み深く、あらゆる言動が謙遜の意をもっている「遜」ですが「不」を頭に冠することで、否定する意の熟語に換わりますから、自分の能力や地位をひけらかすことなく、控えめに、慎み深い態度や様子を意味する言葉が、対義語となります。

  • 「謙遜」【けんそん】
  • 「謙虚」【けんきょ】
  • 「謙譲」【けんじょう】

「謙遜」【けんそん】

「謙遜」とは、横柄で傲慢な「不遜」と違って、自分がもっている優れたスキルや社会的な地位などを、あえて低く評価することを指します。

また、そうしたスキルや地位があるにも関わらず、万事、控えめに行動する様子のことを言います。

「能ある鷹は」ではありませんが、本物は、どっしりと構えて、自分のもつ力量を、やたらとひけらかさないものです。

逆に、底の浅い力量の持ち主ほど、攻撃は最大の防御なりと、よく吠えます。

「謙虚」【けんきょ】

「謙虚」とは何事にも控えめで、慎ましやかにふるまう姿のことを指す言葉です。

自分のもっている溢れんばかりの能力や社会的なに地位に溺れることなく、素直に、相手と対等の関係を結ぶ様子を表しています。

有り余る能力や相当な地位をもっているからこそ、ゆったりと構えて、人と接することができるのです。

余裕があってこそ、穏やかな言動は生まれます。

「謙譲」【けんじょう】

「謙譲」は、「謙」の旧字体「兼」が音を表していて、少ないを意味する「歉」(ケン)を語源とすることで、ことばが少ないということから、へりくだるの意に用いられ、「讓」ゆずると一緒になって、へりくだってゆずることを表すことになります。

慎みがなく、おごり高ぶって、謙虚さに欠ける「不遜」とは、まさに対極に位置する言葉です。

自分を低く位置づけることで、結果として相手を敬う、日本独特の尊敬の意の表現方法です。

一歩でも下がる気持ちのない「不遜」からは、ほど遠い気持ちかもしれません。

icon まとめ

「不遜」とは、固い言葉ですが、社会に出たら、立場というものが、大きな意味をもちます。

相手を立てるということが、いろんな場面で必要となり、ビジネスチャンスにもつながります。

「不遜」な態度は、横柄や生意気と言った言葉を生み出すだけで、チャンスには結びつきません。

自分では、気付きにくい面でもあるので、十分に気を付けるのが、社会人として大事なことです。