「空前絶後」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
とてもすごい事が起きた時に使う、「空前絶後」の意味や類語を紹介します。
さらに「空前絶後」の使い方や「空前」を使った言葉を紹介して行きます。
目次
- 「空前絶後」の意味とは?
- 「空前絶後」を分解して解釈
- 「空前絶後」の類語
- 「空前絶後」の言葉の使い方
- 「空前」を使ったその他の言葉
「空前絶後」の意味とは?
「空前絶後」という言葉を耳にした事があるでしょうか。
お笑い好きな人なら、ピンとくる人もいるかもしれません。
「空前絶後の」というフレーズは、サンシャイン池崎さんが使っている、自己紹介ギャグの一部に登場します。
「どんな意味だろう」と気になっていた人のためにも、「空前絶後」という言葉の意味や読み方を紹介します。
- 「空前絶後」の読み方
- 「空前絶後」の意味
「空前絶後」の読み方
「空前絶後」は「くうぜんぜつご」と読みます。
「空前」は「くうぜん」、「絶後」は「ぜつご」と読みます。
それぞれは単独の意味を持つ言葉で、似た意味を持つ言葉でもあります。
似た意味を持つ二つの言葉を並べることで、その言葉の意味を倍増する事ができます。
「空前絶後」の意味
「空前絶後」には、ここにも未来にもなかったという意味、さらにはこれからも起こる事が無いくらいの出来事という意味があります。
「空前絶後」はそれくらいすごい事、滅多にない事を意味しています。
すごい事はすごいけど、一年に数回くらいは起こりそうな出来事には、「空前絶後」という言葉は使いません。
少なくとも、生まれてから一度も見ていないような出来事に対して、「空前絶後」という言葉を使います。
また「空前絶後」は「空前絶後の○○」という使い方をする事が多いです。
新聞やネットニュースの見出しなどに、「空前絶後の事故」「空前絶後の不倫」などという使われ方をする事があります。
「空前絶後」を分解して解釈
次に「空前絶後」を分解して解釈してみましょう。
「空前絶後」は「空前」と「絶後」の二つの言葉に分ける事ができます。
「空前」の意味、そして「絶後」の意味を知ると、「空前絶後」の言葉の意味を、より深く知る事ができるでしょう。
- 「空前」
- 「絶後」
「空前」
「空前」は「かつてない事」「比べるような対象が無い事」を意味します。
「前は空(何もない)」という言葉で、以前はなかったという意味になります。
そのため「空前」という言葉を使う時は、少なくとも記憶にないような出来事でなくてはいけません。
そしてできれば、ネットなどで以前起こったことがあったかどうかを調べてから、「空前」という冠を付けたいところです。
例えばたくさん人が入ったコンサートについて「空前の動員数!」と発表した途端に、「去年の○○のコンサートの方が、動員数が多いよ」となってしまうと具合が悪いからです。
「空前」は、単なる煽りとして使って良い言葉から、一線を画するような言葉のひとつです。
「絶後」
「絶後」には、「今後起こるとは考えられない事」を意味します。
つまり「空前」は過去との比較において「あり得ない」事で、「絶後」は未来との比較において「あり得ない」事だと言えます。
未来の事は分からないので誰も断定する事はできませんが、現時点での合理的、客観的な判断で言えば、きっと未来も起こらないだろうという出来事を「絶後」と呼びます。
例えばメジャーリーグにおけるイチロー選手の活躍は、現段階では日本人には「絶後」と呼べるかもしれません。
もちろんイチロー選手の場合は、「空前」の記録の持ち主でもありますので、「空前絶後」の偉業になります。
このように、常識的に考えてこの先も起こるはずがないと思えるような事を「絶後」と呼びます。
「空前絶後」の類語
次に「空前絶後」の類語をチェックしてみましょう。
過去にも未来にも起こる事がない…そのような意味の言葉が登場します。
- 「未曽有」【みぞう】
- 「前代未聞」【ぜんだいみもん】
「未曽有」【みぞう】
ある政治家が「みぞうゆう」と読んで恥ずかしい思いをした事がありますので、間違わないように覚えておきましょう。
「未曽有」は、今まで起こったことが一度もない事を意味する言葉ですので、「空前絶後」の「空前」という言葉とほとんど同じ意味になります。
「未曽有」は「いまだかつてあらず」という文章を言葉にしたものです。
「未曽有」は良い出来事にも悪い出来事にも使われる言葉ですが、最近では「未曽有の大事件」など、どちらかというとネガティブな出来事に対して使われる事が多いかもしれません。
「前代未聞」【ぜんだいみもん】
「前代未聞」という言葉も「空前絶後」の仲間といえる言葉です。
そして「前代未聞」には「まだ聞いたことがない事」という意味があります。
「前代未聞の事件」「前代未聞の珍事」など、様々な出来事に対して使われます。
しかしどちらかというと、「未曽有」と同じように、ネガティブな出来事に対して使われる事が多いかもしれません。
最近は、良いニュースよりも悪いニュースの方が取り上げられやすい傾向がありますので、「前代未聞」も「未曽有」も、自然とネガティブな出来事と組み合わされる回数の方が多くなったからかもしれません。
「空前絶後」の言葉の使い方
「空前絶後」はかつて起こったことが無く、将来的にも起こらないだろうという意味の言葉です。
「空前」や「絶後」という冠だけでもすごいのに、「空前絶後」と二つすごい言葉が並んでいます。
そのため相当すごい出来事にしか「空前絶後」という言葉を使う事はできないでしょう。
「100年に一度」や「前代未聞」よりも、さらに珍しい出来事に使った方が良い言葉だと考えられます。
またすごい出来事を目の当たりにした興奮も、「空前絶後」という言葉には含まれている事が多いです。
「前代未聞」でも「未曽有」でも、表現できないくらいすごい!と感じた発信者の興奮が「空前絶後」という言葉のチョイスから伝わってきます。
「空前」を使ったその他の言葉
最後に「空前」を使った他の言葉を見て行きましょう。
「かつてなかった」という意味の「空前」を使った定型句のような言葉です。
- 「空前の大惨事」
- 「空前の大ヒット」
「空前の大惨事」
殺人事件や大事故などが悪質だったり、大規模だったりする時に「空前の大惨事」という言葉が使われやすいです。
もちろん実際のニュースの見出しにも使われる事もありますが、それよりも小説やドラマ、映画でも「空前の大惨事」が扱われる事が多いです。
フィクションではよりドラマチックな題材や舞台が選ばれやすいため、「空前の大惨事」に出会う主人公などの物語が描かれやすいです。
またフィクションなので「空前の大惨事」を思い切り描ける部分もあるでしょう。
「空前の大ヒット」
「空前の大ヒット」という言葉は、テレビなどで見かける事が多いと思います。
特に公開された映画に「空前の大ヒット」というキャッチコピーが付けられる事が多いです。
「ヒットした作品を観たい」という観客が多いため、「空前の大ヒット」がいちばんの売りになるからです。
実際には「空前」という言葉を使うほどではないケースもあります。
また「公開1日で」「公開一週間で」など、限定した世界における「空前」として、「空前」と謳う正当性を出す事もあります。
「空前絶後」は、「かつてない」の「空前」と、今後も起こらないであろうという「絶後」という迫力のある言葉が並んで作られています。
「過去も未来も起こらないだろう出来事」という意味があります。
「空前絶後」は、このような強い意味がありますので、身の回りで起こるようなささやかなハッピーやネガティブな出来事を表現するには向かない言葉です。
「これはかつてもなかったし、今後も起こらないだろうな…」そう確信した時に「空前絶後」という言葉を使いましょう。