「前代未聞」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「前代未聞」とは、「今までに一度も聞いたことがないこと」や「今まで聞いたことがないほどとても珍しいこと」です。
「前代未聞」の「意味・分解した解釈・使い方・例文と解釈・英語・類語や言い回し・対義語・反対語」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「前代未聞」の意味とは?
- 「前代未聞」の漢字を分解して解釈
- 「前代未聞」の使い方
- 「前代未聞」を使った例文・短文(解釈)
- 「前代未聞」の英語
- 「前代未聞」の類語や言い回し
- 「前代未聞」の反対の意味を持つ言葉・言い回し
「前代未聞」の意味とは?
「前代未聞(ぜんだいみもん)」の意味は、「今までに一度も聞いたことがないこと」や「今まで聞いたことがないほどにとても珍しいこと」になります。
「前代未聞」という言葉は「前の時代から現在の時代に至るまで、一度も聞いたことがない」という意味であり、「今までに一度も話を聞いたことがないほどに非常に珍しい物事や特別な現象」のことを示唆しているのです。
「前代未聞」という言葉は、良い意味でも悪い意味でも使われます。
例えば、「前代未聞の超人的な記録が出た」や「前代未聞のとんでもない犯罪が起こった」などの文章で使うことができます。
「前代未聞」の漢字を分解して解釈
「前代未聞」の漢字を「前代」と「未聞」に分解して、それぞれの意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「前代」
- 「未聞」
「前代」
「前代(ぜんだい)」という漢字の意味は、「前の時代・過去の時代」になります。
「前代」というのは、「今の時点よりも前の時点(時代)」を示唆しているのです。
「前代」という言葉によって、「過去の時代から現在に至るまでずっと」という「時間の長さ(自分が過去からずっと未体験であること)」のニュアンスを出しています。
「未聞」
「未聞(みもん)」という漢字の意味は、「未だ聞かず(いまだきかず)」で「まだ聞いていない・まだ聞いたことがない」という意味になります。
実質的な「未聞」の意味は、「まだ聞いていないし見てもいない=まだ経験(体験)したことがない」というニュアンスになります。
「前代+未聞=前代未聞」で、「前の時代から今の時代に至るまで一度も聞いたことがない(一度も聞いたことがないほど珍しい)」の意味になります。
「前代未聞」の使い方
「前代未聞」の使い方は、今まで聞いたことも見たこともないようなとても珍しい出来事が発生した時に使うというのが基本になります。
普段の日常生活や人間関係の中では、まず経験することがないような珍しい物事・現象が起こった時に、「前代未聞」という言葉を使用することができます。
例えば、「前代未聞の珍事にみんなが驚いた」や「前代未聞の大記録を打ち立てた」などの文章で、過去に聞いたこと(見たこと)もないという意味で「前代未聞」を使えるのです。
「前代未聞」を使った例文・短文(解釈)
「前代未聞」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
月に上陸した宇宙飛行士は、前代未聞の偉業を成し遂げることになった。
この例文の「前代未聞」は、「過去から現在に至るまで月に人類が上陸したことがないこと」を意味しています。
1969年7月20日に、米国のアポロ11号に乗っていた宇宙飛行士のアームストロングとオルドリンが人類初の月面上陸をしたとされています。
例文2
東日本大震災では前代未聞の原発事故が起こり、国民は長く不安に襲われた。
この例文の「前代未聞」は、「以前の時代から今まで福島第一原発事故レベルの深刻な原発事故が起きていなかったこと」を意味しています。
例文3
現職大臣による前代未聞の不祥事が明らかになり、首相は内閣総辞職を選んだ。
この例文の「前代未聞」は、「過去から今まで聞いたことがないレベルの現職大臣の不祥事」を意味しています。
不祥事による支持率低下や国民の不満に耐え切れず、内閣総辞職に追い込まれたのです。
「前代未聞」の英語
「前代未聞」の英語は、“unheard-of”(聞いたことがない)”や“unparalleled”(並ぶものがない・前代未聞の)”、“unprecedented”(前例のない・空前の・前代未聞の)”などになります。
“Don't miss unprecedented business opportunity. ”(前代未聞のビジネスチャンスを逃すな。)
“He had unparalleled attention to details. ”(彼は前代未聞の細部に対する注意力を持っていた。)
「前代未聞」の類語や言い回し
「前代未聞」の類語や言い回しには、どのようなものがあるのでしょうか?
- 「空前絶後・前人未到」
- 「記録的・歴史的」
- 「未曾有」
- 「前代未聞の大事件・珍事件」
「空前絶後・前人未到」
「前代未聞」の類語として、「空前絶後(くうぜんぜつご)・前人未到(ぜんじんみとう)」があります。
「空前絶後」とは「これまでに例がなく、今後も有り得ないということ」を意味しています。
「前人未到」とは、「過去から現在に至るまで誰もそこに到達した人がいない」という意味です。
今まで経験したことがないほど珍しいの意味を持つ「前代未聞」の類語として、「空前絶後・前人未到」を指摘できます。
「記録的・歴史的」
「前代未聞」の類語として、「記録的・歴史的」があります。
「前代未聞」とは「今までに聞いたことがないほどに珍しいこと」であり、それに似た意味を持つ類語として、「記録的・歴史的」を上げることができます。
「記録的」とは「過去の記録に比べて特別優れている」という意味であり、「歴史的」とは「歴史に残るほどに特別に珍しい・優れている」ということを意味しています。
「未曾有」
「前代未聞」の類語として、「未曾有(みぞう)」があります。
「未曾有」という言葉の意味は、過去に聞いたことも見たこともない「前代未聞」とほぼ同じ意味になっています。
「未曾有」とは「未だ曾て有らず(いまだかつてあらず)」で、「今までに一度もなかったこと」や「一度も経験したことがないほどに非常に珍しいこと」を意味しています。
「前代未聞の大事件・珍事件」
「前代未聞」で良く使われる言い回しとして、「前代未聞の大事件・珍事件」という言い回しがあります。
過去に前例がないほどに大きな事件が起こった時には「前代未聞の大事件」と言われ、今まで聞いたこともないほどにとても珍しい事件が起こった時には「前代未聞の珍事件」と言われるのです。
「前代未聞」の反対の意味を持つ言葉・言い回し
「前代未聞」の反対の意味を持つ言葉・言い回しには、どのようなものがあるのでしょうか?
- 「ありふれている・珍しくない」
- 「日常茶飯事・陳腐」
「ありふれている・珍しくない」
「前代未聞」の反対の意味を持つ言葉・言い回しとして、「ありふれている・珍しくない」があります。
「ありふれている」というのは、「どこにでもあるもので、特別さや珍しさがないこと」を意味しています。
「珍しくない」というのは、「特別ではない・数や例が多くてどこにでもある」を意味する言葉です。
そこから、「前代未聞」の反対語として、「ありふれている・珍しくない」を指摘することができます。
「日常茶飯事・陳腐」
「前代未聞」の反対の意味を持つ言葉・言い回しとして、「日常茶飯事(にちじょうさはんじ)・陳腐(ちんぷ)」があります。
「日常茶飯事」とは、「日常的で平凡なこと」や「凡庸でありふれていること」を意味する言葉です。
「陳腐」という言葉は、「使い古されていて真新しさがないこと」や「今までに同じようなものがあり月並みなこと」を意味しています。
「日常茶飯事・陳腐」は、今までに聞いたことがないを示す「前代未聞」と反対の意味を持つ言葉になっています。
「前代未聞」という言葉について徹底的に解説しましたが、前代未聞には「今までに一度も聞いたことがないこと」や「今まで聞いたことがないほどとても珍しいこと」などの意味があります。
前代未聞の類語・言い回しには、「空前絶後」「記録的・歴史的」「未曾有」などがあります。
前代未聞の対義語は、「ありふれている」「日常茶飯事」などになります。
「前代未聞」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。