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「万難を排して」の意味とは?漢字、類語や使い方、例文を紹介!

幼馴染の結婚式の招待状が来た。

交際をはじめて何度か会わせてもらった彼女と、ようやく結ばれる。

招待状には出席します、欠席します、の簡素な定型文。

どちらかに丸をつけよという。

そんな場面で、もうすこし気持ちを込めて出席します、というならば、あなたはどんなことばを尽くしますか。

ここでは、「万難を排して」ということばについてご説明します。

万難を排して

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目次

  • 「万難を排して」の意味とは?
  • 「万難を排して」を分解して解釈
  • 「万難を排して」の類語・言い換え
  • 「万難を排して」の使い方
  • 「万難を排して」を使った例文


「万難を排して」の意味とは?

「万難を排して」は、どんなことがあっても、なんとしても、という意味を表すことばです。

あらゆる困難を乗り越えてでも、どこかへ行ったり、なにかを成し遂げたりします、というときに使うことばです。

現在では「万難を排して」というと、かなりしゃちこばった言い方になり、相手に大仰な人だと思われる可能性もあり、あまり使われることばではありませんが、ここぞ、というときのために知っておくと便利なことばでしょう。

  • 「万難を排して」の読み方

「万難を排して」の読み方

「ばんなん(を)はい(して)」と読みます。

「万」にはほかに、「まん」「よろず」という読みがありますが、ここでは「まんなん」ではなく、「ばんなん」となります。

排するは、排除する、排他などのことばにも使われ、おしのける、しりぞけるという意味になります。

あらゆる困難をしりぞける、というのが、「万難を排して」ということばです。



「万難を排して」を分解して解釈

さらにことばの理解を深めるため、分解してみましょう。

わかりにくいことばや熟語などに出会ったときには、細かく分解していくことで、かえって全体を俯瞰できることがあります。

ここでは「万難を排して」を、「万難」「排して」に分解し、理解を深めていきます。

  • 「万難」
  • 「排して」

「万難」

「ばんなん」と読み、多くの困難やさまざまな障害を意味します。

「万難を排して」のほかに、「万難を切り抜け」「万難を冒して」のように使うことができます。

「彼は万難を切り抜け、無事に自宅へ着くと、ようやく膝が震えていることに気がついた」

「万難を排して」もそうですが、仰々しい言い方になってしまいますので、なかなか使う機会はありません。

創作のなかや、仰々しい物言いがふさわしい場面、また笑いを取るためにあえて使う、という場合にはうまく使うことができそうですね。

「排して」

「排する」ということばには、「万難を排して」に使われる、しりぞけるという意味のほかに、ならべる、という意味もあります。

「書物を棚に排架する」というような場合に使われています。

「万難を排して」と同じ使い方の場合ですと、「両親の反対を排し、ニューヨークへの留学を決めた」

このように使うことができますが、かなり強引な印象にはなります。

話し合いの結果、自分の意見を通す、というよりは、相手の意見を聞き入れず、なにがなんでも自分の意見を通す、という印象のことばになります。

「万難を排して」の類語・言い換え

「万難を排して」の意味がわかったところで、類語を見ておきましょう。

上述したとおり、「万難を排して」は、ふだんづかいには向かないことのほうが多いことばですから、ほかの言い回しも知っておくに越したことはありません。

日常づかいできるものと、ここぞ、というときの言い回しと、どちらも知っていることで、ことばを選ぶ余裕が生まれます。

  • 「是が非でも」【これがひでも】
  • 「万障繰り合わせの上」【ばんしょうくりあわせのうえ】

「是が非でも」【これがひでも】

是とは道理にかなっていることや、正しいこと、を示し、非とはその逆を意味します。

正しくとも、正しくなくとも、というところから、どんなことがあっても、なにがあってもという意味に転じました。

「万難を排して出席致します」では強すぎる場面でも、「是が非でも出席させていただきます」だと受け入れやすい場面は多々あります。

どんなことがあっても、という意味を含むことばは、その物事に対する気持ちややる気を示しますので、悪くは思われないでしょう。

逆に、「是が非でもご出席ください」とすると、どんなことがあっても来てください、と強要されている、と感じられることも多いため、すこし慎重になったほうがいいでしょう。

また、「是非」「是非とも」も同じ意味あいで使うことができます。

「万障繰り合わせの上」【ばんしょうくりあわせのうえ】

「万難を排してご参加ください」とはいいませんが、「万障お繰り合わせの上、ご参加ください」ということはあります。

万障とは、あらゆる障害、さまざまな差し障りを意味します。

それらの障害を繰り合わせる、つまり調整して、なるべく来てくださいね、という意味になります。

「万難を排して」よりはまだマイルドな言い回しですが、こちらもやはり、都合をつけて来てくださいね、と強要されているように取られる可能性はあります。

とはいえ定型文として広く知られていることばですので、参加、出席を促す際に使われるといいでしょう。



「万難を排して」の使い方

「万難を排して〇〇する」のかたちで使われます。

自分がなにかをする場合には、「万難を排して〇〇する」、だれかにお願いする場合には、「万難を排して〇〇してください」のようになります。

どの場合にも仰々しさはつきまといますが、あえてそのように言うか、もしくは定型文として使うかのどちらかになるでしょう。

「万難を排して」を使った例文

具体的な例文をあげますので、「万難を排して」がどのような場面で使われているか、考えながら見ていきましょう。

自分が「万難を排」するのか、他人に依頼しているのかがポイントになりますので、どちらの使い方になっているかチェックしてみてください。

  • 「万難を排して」の例文1
  • 「万難を排して」の例文2
  • 「万難を排して」の例文3

「万難を排して」の例文1

「その日は妻の誕生日にあたりますが、万難を排して馳せ参じます」

自分が「万難を排」する場合の言い方になります。

このように、笑いを取る方向で言うこともできますし、ニュアンスによっては、できれば行きたくないのですが、という意味を含ませることもできるでしょう。

参加がほとんど強制されるような飲み会などでも、このような言い回しをしておくことで、お前今日奥さん誕生日なんだろう、花でも買って早く帰ってやれよ、と先に帰してもらえる可能性もあります。

「万難を排して」の例文2

「ご多忙とは存じあげておりますが、万難を排してご出席賜りますようお願い申しあげます」

「万難を排して」と言うわけですから、どうしても出席してほしい、と他人へ依頼する場面で使

われます。

しかし、送るがわが「万難を排して」ください、といっても、予定がある人もおられるかもしれません。

会社などが定型文として使っており、相手もそれをわかっている場面では、あまり重く取られないでしょうが、一般的にはよほどのことがないと使われません。

「万難を排して」の例文3

「プロジェクトが成功するかどうかでポジションが変わってくることはわかっているので、万難を排して取り組んでいる」

参加するしない意外にも、「万難を排して取り組む」「万難を排して成し遂げる」のような使い方ができます。

どんなことがあっても〇〇する、という意味になるので、たとえばそれが「万難を排して旅行する」でも、「万難を排して結婚する」でもいいのです。

icon まとめ

「万難を排して」は、どんなことがあっても、という意味でした。

幼馴染の結婚式の招待状に、「万難を排して」出席します、なんて書くと、それだけでお祝いになりますね。

ふだんづかいにはしにくいことばでも、知っておくと使えるシーンは多々あります。

祝いの席だけでなくてもここぞ、というとき、いつもどおりのことばしか言えないよりも、ここぞ、のためのことばを知っているほうが、気持ちが伝わりますよ。