「二番煎じ」の意味とは?漢字、類語や使い方、例文を紹介!
二番煎じとはよく聞く言葉ですが、正式な意味を把握している人は少ないかもしれません。
語源や単語の意味を通し、現在一般的に流通している意味、またそれに伴う言い換えや類語をご紹介します。
目次
- 「二番煎じ」の意味とは?
- 「二番煎じ」の言い換え
- 「二番煎じ」の類語
- 「二番煎じ」の使い方
- 「二番煎じ」を使った例文
- 「二番煎じ」を分解して解釈
- 「二番煎じ」を使った言葉
「二番煎じ」の意味とは?
二番煎じとは、そもそもお茶を抽出する「煎じる」からきた言葉です。
一度煎じ、すでに飲んだお茶殻を再利用して煎じ出したものを言います。
それが転じて、前に一度やっているものを繰り返したことを言います。
多分にいいイメージの無い言葉です。
- 「二番煎じ」の読み方
「二番煎じ」の読み方
「二番煎じ」は「ニバンセンジ」と読みます。
二番は迷うことは少ないかもしれませんが煎じという言葉を使うことはあまりないため少し戸惑ってしまうかもしれません。
よく見る言葉としては、コーヒーなどの作り方である「焙煎」という言葉や、粉のお茶ではない(玉露、抹茶など)、葉から抽出する日本茶「煎茶」などで使われています。
「二番煎じ」の言い換え
「二番煎じ」には、多分に悪いイメージを含んでいます。
本来、言い換える時は悪い印象を抑えるために言い換えたりするものですが、ここでは文学表現として悪い印象もそのまま持っている言い換え方法を挙げます。
- 「パクリ」
- 「二匹目のどじょう」
- 「丸写し」
「パクリ」
前回と同じようなことをしていることを「二番煎じ」と言いますが、同じジャンルの別作品の模倣をしていることも「二番煎じ」と言います。
その場合、マーケット的に成功した作品を模倣することが多く、成功例を工夫もなく踏襲したということから「パクリ」と言い換えることができそうです。
特にエンタメ作品などで、構成や設定を変えず、登場するキャラクターや世界観だけを変更して作成されるものを「パクリ」と呼びます。
「二匹目のどじょう」
二匹目のどじょうとは、日本の故事に由来する言葉です。
柳の下にどじょうがおり、それを獲ったもの(成功者)の真似をして、同じように柳の下でどじょうを獲ろうと狙っていることを言います。
すでに成功した人のやり方をそのまま使い、自分も成功しようとするやり方であり、どちらかと言えばその精神性を戒める言葉として使われます。
「丸写し」
他に作品があり、そのものをそのまま別作品として発表するなどすることを丸写しと言います。
しかし、現実には多少違っても、ヒットした要因などを当て込めて、少しだけ設定を変えただけのものを「丸写し」と呼ぶことが多くあります。
作品を完全にコピーしたものは、創作性ではなく技術を高く評価される傾向があり、丸写しと揶揄されないケースが増えています。
「二番煎じ」の類語
二番煎じには類語は数多く存在します。
今回は、「良いイメージを持つ類語」をこの項で紹介します。
逆に、悪い印象を与えたい場合はこの項で紹介した言葉を使うのは適当ではありません。
- 「インスパイア」【いんすぱいあ】
- 「焼き直し」【やきなおし】
- 「リスペクト」【りすぺくと】
「インスパイア」【いんすぱいあ】
ラテン語を語源とする言葉で、何かから刺激を受けるという「インスピレーション」の動詞形です。
こと創作物において、もはや完全にオリジナルなものを作成することは不可能に近く、どんなにオリジナリティのあるものでも何かの作品の影響は少なからず存在します。
二番煎じは工夫もなく前作とほぼ同じものを作ることを言いますが、インスパイアされたと言えば前作から影響を受けたという印象になります。
しかし、現実としてはほぼ内容をまねておきながら「インスパイアされた」と発言する創作者は多くいるようです。
「焼き直し」【やきなおし】
前作をほぼ何もせずに再度発表することが「二番煎じ」なら、その内容を改め、より良く改良して構成しなおして発表することを「焼き直し」と言います。
元々は写真の用語で、フィルム写真全盛期にネガを再度「焼き直し」て、同じ写真を現像することを言いました。
そのため、表面だけ少し手を加えて別作品とするなどのイメージがありますが、手を加えた度合いによっても印象は異なってきます。
「リスペクト」【りすぺくと】
「リスペクト」は、尊敬、敬意などを表す英語です。
しかし、ことエンタメ作品に「リスペクト」という場合、通常は内容の過剰な模倣を意味するようになってしまいました。
ある作品を好きになり、その面白さの要素に心酔するのは良いのですが、その人が創作物を作った場合にその影響が出過ぎて、客観的に見ればパクリとみなされても仕方ない仕上がりになっていることが多々あります。
この場合で厄介なのは、本人がそれに対しある意味開き直っていることです。
もちろん、現在の創作物は完全なオリジナル作品を作ることは難しいとされ、どんなものであれなにかの影響を受けていると言われています。
ただ、その度合いはアーティストの良心に頼ります。
過剰すぎる引用やアイディアの流用をしなければ、リスペクトは本来とてもいい言葉です。
「二番煎じ」の使い方
二番煎じは、特に流用作品や工夫のない第二弾作品などを揶揄するときに使う言葉です。
そのため、使うシーンはプライベートや個人的なつぶやきに限られ、公的な発信で使うことは少ないでしょう。
堂々と二番煎じと言い切れるのはアートを作った本人だけと心にとどめましょう。
「二番煎じ」を使った例文
- 「そのプロジェクトは誰かの二番煎じ」
- 「確かに二番煎じで、だんだん悪くなってくる」
- 「二番煎じと言えども、確かな品質を感じた」
「そのプロジェクトは誰かの二番煎じ」
二番煎じとは、何かの作品の模倣のことを言いますが、対象が不明でも使うことはできます。
「誰かの二番煎じ」という言い方は、特に何の作品、誰のアイディアとははっきりわからないが、どう考えてもすでに使われたアイディアであり、更に言うと使い古された印象がある場合に使います。
このケースの場合だと、実際にあるかはわからないが、新鮮味がなくすでに誰かがやっているであろうプロジェクトだと言われていると言うことです。
「確かに二番煎じで、だんだん悪くなってくる」
その作品が二番煎じであることはすでに分かっているケースで、二番煎じである欠点を述べています。
本来、お茶のことを指した二番煎じ。
当然、一番に抽出したお茶の方が濃くておいしいに決まっています。
しかし二番煎じにすることにより内容が前回より悪くなっていると皮肉る言い方です。
なお、これが前作よりも良いものになると、言い方もまた変わってきます。
「二番煎じと言えども、確かな品質を感じた」
二番煎じの悪いイメージを覆す印象を語っています。
二番煎じは、創作において圧倒的な悪なのですが、それを跳ね返すほど魅力のある作品もまれに存在します。
逆に、前作が魅力に乏しく、それを改良したという言い方もできます。
「二番煎じ」を分解して解釈
二番煎じという言葉を切り分けて確認することにより、理解が深まり、誤用の心配がなくなります。
今回は「二番」と「煎じ」という単語を見てみましょう。
- 「二番」
- 「煎じ」
「二番」
二番とは、一番に対して次の順位のことを言います。
「二番」と強調する場合、一番との比較であることが多いためたいていは悪いイメージ、劣っているイメージを持っています。
また、一番を知者とし、二番をそのものずばり「愚かもの」を表す言葉として紹介する辞書もあります。
「煎じ」
煎じ、煎じるとは、お茶や薬を煮出してその成分を抽出することを言います。
そのほかは調味料に使うかつおぶしの製造工程でも煎じるという言葉を使うことがあるようです。
二番煎じとは、一番目に煎じたものを再度煎じるということであり、薄く不味いお茶ができるところから、転じて工夫もなく悪いものを作るということを表していると言えます。
「二番煎じ」を使った言葉
二番煎じはよく使われる言葉で、揶揄として使うのが一般的です。
文章の中で使われることが多いですが、造語的に使われている二番煎じを使った言葉があるのでご紹介します。
- 「二番煎じ感」
「二番煎じ感」
二番煎じ感とは、二番煎じと感じること、転じてそのように感じる作品のことを表します。
そもそも創作物には著作権が存在し、それを許可なくまねることは著作権侵害です。
法的にギリギリクリアしたとしても、そのような考え方で作られたプロジェクトやアイディアが成功するとは思えません。
既出のヒット作品からインスパイアされるのは大いに良いことですが、あくまでもオリジナルの発想で勝負するのは忘れないようにしましょう。