「蓋然性」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
とても難しい言葉のひとつに「蓋然性」があります。
初めて目にする人も多い言葉ではないでしょうか。
そこで「蓋然性」の意味や読み方を紹介して行きます。
目次
- 「蓋然性」の意味とは?
- 「蓋然性」の読み方
- 「蓋然性」の類語や言い換え
- 「蓋然性」の使い方
- 「蓋然性」を使った例文
- 「蓋然性」を使った言葉
「蓋然性」の意味とは?
「蓋然性」とは、「物事が起こる度合や見込み」の事です。
ただし、単なる「見込み」や「確率」ではないという点が「蓋然性」という言葉のポイントになります。
まず、「蓋然性」を示すためには、ある程度の根拠が必要になります。
何となくとか、多分…など、客観性が低い主観的な評価は、「蓋然性」という言葉に似合いません。
完全な見込みや潜在的な可能性に重視するのではなく、「現在の状況に重きを置いた判断」が「蓋然性」には必要です。
「蓋然性」の読み方
「蓋然性」は「がいぜんせい」と読みます。
元々は数学や統計学、さらには哲学の用語として使われていた言葉です。
「蓋然性」の「蓋」という字は「がい」と読みます。
あまり一般的な言葉ではありませんので、これを機会に読み方を知っておきましょう。
「蓋然性」という言葉を使う時、基本的に数学や統計学を基にしていると思うと、「しっかりした裏付けがある見込み」というイメージが付くと思います。
「蓋然性が高い」という時は、「何となく確率が高そう」というわけではなく、数字的な裏付けや、客観的な判断が基になっていると考えると良さそうです。
「蓋然性」の類語や言い換え
次に「蓋然性」の類語や、関連した言葉について見て行きましょう。
「蓋然性」は難しい意味を持つ言葉ですので、その周辺の言葉を見て、どのような意味を持つのか確認してみましょう。
- 「確率」【かくりつ】
- 「公算」【こうさん】
- 「プロバビリティー」【ぷろばびりてぃー】
- 「確実性」【かくじつせい】
- 「可能性」【かのうせい】
「確率」【かくりつ】
「確率」という言葉は、誰でも聞いたことがあるメジャーな言葉です。
「確率」は、「ある事が起こるかどうかの度合い」を意味します。
または「それを示す数値」という事になります。
例えばサイコロを振った時に、1が出る「確率」は六分の一です。
サイコロは六面体なので、1が出るかどうかの度合いを数値にすれば、六分の一になるからです。
また「確率」は「俺の告白の成功確率は高い」など、特に裏付けるデータが無い場合でも使われます。
それくらい世の中に浸透している言葉という証拠でしょう。
「公算」【こうさん】
「公算」も「蓋然性」と似た意味を持つ言葉です。
「見込みや度合い」の事を「公算」といいます。
「公算」はビジネスシーンでも使う言葉で、「確率」よりも固いイメージの言葉でしょう。
そのため「仕事が成功する可能性が高い」と言う時に、「このプロジェクトは成功する『確率が高い』です」というよりも、「このプロジェクトは成功する『公算が高い』です」と言った方が、よりふさわしい印象になります。
会社勤めをしている人や、仕事の場面で「見込みや度合い」について話す時は「公算」を使ってみましょう。
「プロバビリティー」【ぷろばびりてぃー】
こちらもあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、「確率や見込み」「確かさ」を表現する言葉に「プロバビリティー」があります。
成功する「プロバビリティー」は低いなどと使います。
「蓋然性」と同じ意味の言葉で、英語に置き換えたものと考えて間違いありません。
「蓋然性」や「プロバビリティー」と誰かに言われた時に、キョトンとならないように、言葉の意味を知っておきましょう。
「確実性」【かくじつせい】
「確実性」は「確からしさ」という意味を持つ言葉で、「蓋然性」と似た意味を持っています。
「蓋然性」は様々な数値や理論に裏付けられた、何かが起こるかどうかの見込みという意味がありますので、「確実性」という言葉に似ています。
「可能性」【かのうせい】
「可能性」は「蓋然性」と、とても似ている言葉です。
実はほとんどの人が、「蓋然性」という言葉がふさわしい場面でも、「可能性」という言葉を使っているかもしれません。
「可能性」は「物事が実現するかどうかのみ込み」の事を意味します。
「成功する可能性」「うまく行く可能性」と言う具合です。
また「何かが事実か否かの見込み」も、「可能性」という言葉で表現します。
「真犯人の可能性」や「無実の可能性」という言葉で表現します。
「蓋然性」とは違い、「可能性」は主観的だったり、根拠が薄い場面でも使用します。
意味が通りやすく、使える幅が広い言葉だと言えそうです。
「蓋然性」の使い方
「蓋然性」は数学や統計学、哲学で使われる事が一般的な言葉です。
そのため「蓋然性」という言葉を使う時は、そのような知識がある層の前か、言葉の意味を理解できそうな人たちが揃っている場面が良いでしょう。
そうでない場合は「公算」や「可能性」という言葉を使った方が、意味が通りやすいです。
また「蓋然性」という場合は、学術的な裏付けや論理的な裏付け、数値による裏付けなどが必要になります。
あまり根拠がない「可能性」を意味する時は、「蓋然性」という言葉を使わない方が良さそうです。
逆に、きちんと様々な裏付けがある事をアピールしたい時に「蓋然性」という言葉を使うのが良さそうです。
「蓋然性」を使った例文
「蓋然性」を文章の中に組み込むと、どのようになるでしょうか。
そこで「蓋然性」を使った例文を見て行きましょう。
例えば、中古車を扱う会社で働いている人は、販売前に中古車の状態をチェックすると思います。
事故が起きないように様々な数値をチェックして、安全に運転できるかどうかの度合いを見て行くはずです。
こうしてきちんと調査や計算をして、客観的な判断した結果を報告する時は、「この車が事故を起こす『蓋然性』は低いです」と言う事ができます。
「蓋然性」を使った言葉
「蓋然性」を使った言葉を見て行きましょう。
普段目にする事が無いような言葉も出てきますが、その言葉の意味を知ると「蓋然性」という言葉の面白味を感じる事ができるかもしれません。
- 「蓋然性殺人」【がいぜんせいさつじん】
- 「蓋然性殺人」の例
- 「蓋然性が高い」【がいぜんせいがたかい】
「蓋然性殺人」【がいぜんせいさつじん】
小説などに「蓋然性殺人」という言葉が登場する事があります。
この言葉の意味を、すぐに理解できる人はそれほど多くないのでしょう。
「蓋然性」とは、簡単に言えば「可能性」の事ですから、「可能性を考慮した殺人」というような意味になります。
「蓋然性殺人」とは、「確率を考えた殺人」であり、そこから一歩進んで、「偶然を装った殺人」と言う事もできます。
「蓋然性殺人」の例
例えば、Aさんという人がいて、この人の毎日の通勤経路に落ちたら死んでしまうような穴を掘った場合はどうなるでしょうか。
Aさんは落ちて死んでしまうかもしれませんし、落ちないかもしれません。
またAさんが強いアレルギー体質な場合に、Aさんの生活圏にアレルギーが出やすい成分が出る草木を植えた場合はどうなるでしょうか。
Aさんはアレルギー反応を起こして死ぬかもしれませんし、反応しないかもしれません。
このように、Aさんを殺す事ができる可能性と、そうでない可能性を持つような行為を、「蓋然性殺人」と呼びます。
「蓋然性が高い」【がいぜんせいがたかい】
「蓋然性が高い」という言葉は、「可能性が高い」という意味があります。
ただし「蓋然性」という言葉を使う時は、確かな裏付けが必要になります。
その結果「蓋然性が高い」と判断されていますので、実質的には「かなり可能性が高い」という意味になります。
「蓋然性」は普段あまり使わない言葉ですが、言葉の意味を知らないと困る場面が出て来るかもしれません。
「裏付けのある可能性や見込み」という感じで覚えておけば、「蓋然性」という言葉を聞いてもたじろぐ事はないでしょう。