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「業火」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「業火」とは、過去の悪行の報いを受けて苦しむことを火に焼かれることに喩えた言葉ですが、業火という言葉にはどんな類語・対義語があるのでしょうか?業火について詳しく解説します。

業火

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「業火」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「業火」の意味とは?
  • 「業火」の類語や言い換え
  • 「業火」の使い方
  • 「業火」を使った例文
  • 「業火」を使った言葉の解説
  • 「業火」の対義語


「業火」の意味とは?

「業火」の意味とは?

「業火」という言葉は元々は仏教用語であり、「悪業(あくごう)・悪のカルマ(悪の行為)」の報いを受けて、地獄の業火に焼かれるように苦しむという意味になります。

「業火」とは、仏教世界において地獄に堕ちた罪人を苦しめる猛火・激しい炎のことであり、人は悪しき行為である「悪業のカルマ」を積み重ねた時に、地獄の業火に焼かれるような苦しみ・絶望を味わうことになるのです。

人を傷つけたり無闇に虐めたり、社会(世の中)に危害・迷惑を与えたりすることが「悪業」です。

業火というのは、悪業を積み重ねた人が我が身を害する運命にあることを、地獄の火に焼かれることに喩えているのです。

  • 「業火」の読み方

「業火」の読み方

「業火」の読み方は、「ごうか」になります。

「業(ごう)」とは仏教用語であり、「カルマ(行為)」のことを意味しています。

人が自分の人生で行っている行為全般のことを「カルマ(業)」といいますが、カルマは因果応報の法則を生み出す原因になっているものです。

良い行為(カルマ)には良い結果があり、悪い行為(カルマ)には悪い結果があるという「善業善果・悪業悪果」を意味しているのが、因果応報の法則(カルマの法則)です。

悪業によって我が身を焼かれる苦しみを味あわせられる業火も、このカルマの法則によって生み出されているのです。



「業火」の類語や言い換え

「業火」の類語や言い換え

「業火」の類語や言い換えにはどのようなものがあるのでしょうか?「業火」の類語・言い換えについて、分かりやすく紹介していきます。

  • 「業苦」【ごうく】
  • 「煩悩」【ぼんのう】
  • 「罪業」【ざいごう】

「業苦」【ごうく】

「業火」の類語・言い換えとして、「業苦(ごうく)」があります。

「業苦」の意味は、過去に行った悪業・悪行によって、現世で耐え難いほどの強い苦しみを受けるということです。

業火と業苦の意味はほぼ同じであり、どちらにも「過去の悪業・悪行の報いを受けて深く苦しむ運命」が示唆されています。

業苦によって絶望や苦悩に落ち込んでしまう人は、それだけ過去に他者や世の中に迷惑をかける悪行をしていたということになります。

「業苦」を使った例文としては、「過去にギャンブルに依存して家族を経済的に苦しめた俺は今、家族に見捨てられて社会で孤立するという業苦に襲われている」「自分の過去の過ちが招いた業苦とはいえ、この絶望的な苦しみと悲しみにどうやって耐えればいいのか分からない」などがあります。

「煩悩」【ぼんのう】

「業火」の類語・言い換えとして、「煩悩(ぼんのう)」があります。

煩悩の意味は、人間の心身の苦しみや乱れを生み出す精神(欲望)の働きになります。

煩悩というのは仏教用語であり、悟りや智慧を妨げている欲望の働きと言われています。

人は悪業を招き寄せる煩悩(欲望)を持っているからこそ、苦しみ悩み続けるというのが仏教の前提であり、煩悩を消尽することで「悟り・解脱・涅槃の境地(絶対に心身の安らぎが揺らがない境地)」に達することができるのです。

「煩悩」を使った例文としては、「私は今まで煩悩まみれの俗な欲望に支配された人生を送ってきた」「煩悩というものは次から次に湧き出てくる欲望であり、人はこの煩悩を乗り越えない限り、永遠に苦しむことになる」などがあります。

「罪業」【ざいごう】

「業火」の類語・言い換えとして、「罪業(ざいごう)」があります。

罪業の意味は、現世や未来において大きな苦しみを受ける原因になってしまう悪行・罪深さのことです。

仏教用語における「罪業」は悪しき行為が生み出す罪悪のことであり、「身体・言葉・心 (身・口・意) の三業」によって罪業が形成されることになります。

「罪業」を使った例文としては、「娘の心を深く傷つけた罪業を背負って、これから私は生きていかなければならない」などがあります。

「業火」の使い方

「業火」の使い方

「業火」という言葉は、その人物が他人を傷つけたり社会(世の中)に危害を加えたりする「悪業・悪しき行為(カルマ)」を行った時に、その報いとなる苦しみや痛みを受けた時に使います。

他者・社会に危害を及ぼすような「悪い行為」をすれば、地獄の火で焼かれて最高度の苦痛を味わう悪い結果が返ってくるという意味合いが「業火」にはあるのです。

そのため、業火という言葉には、自分の悪行の結果で苦しんでいる人に対して「自業自得・自己責任・因果応報」を突きつけて切り捨てるようなニュアンスもあります。

業火の使い方は、「過去に悪い行為をした人が、当然の報いを受けて苦しんでいる状況(過去の悪業の結果によって苦しんで絶望している状況)」で使うということになります。



「業火」を使った例文

「業火」を使った例文

「業火」を使った例文には、以下のようなものがあります。

「横暴な私は過去に大勢の人たちを傷つけてきたため、今は地獄の業火に焼かれるような不幸・不運に見舞われ続けている。」

「今まであなたが積み重ねてきた許されざる悪行と罪悪は、必ず近い未来に業火となってあなたに襲いかかってくるでしょう。」

「業火」を使った言葉の解説

「業火」を使った言葉の解説

「業火」を使った代表的な言葉の表現を紹介して、その言葉の意味を分かりやすく解説していきます。

この項目では、業火を使った「業火の谷間」「業火に焼かれる」「業火の向日葵(「名探偵コナン」のアニメ映画)」について説明していきます。

  • 業火の谷間
  • 業火に焼かれる
  • 業火の向日葵(名探偵コナンの映画)

業火の谷間

「業火の谷間」とは、歌手・宇多田ヒカルの楽曲「あなた(Anata)」の歌詞に使われている言葉で、辞書に掲載されるような「業火の谷間」という慣用句があるわけではありません。

宇多田ヒカルの作詞による歌詞は、「あなたのいない世界じゃ どんな願いも叶わないから 燃え盛る業火の谷間が待ってようと守りたいのはあなた」というものになっています。

この歌詞における「業火の谷間」の意味は、「地獄の業火に焼かれるような人生の最悪の時期(あるいは人生で最も逆境に入っているシビアな時期)」になってきます。

業火に焼かれる

「業火に焼かれる」とは、業火という言葉を使った最も一般的な慣用句です。

「業火」というのは、元々、悪行・悪業を積み重ねた罪人の身を焼いて苦しめる「地獄の炎・猛火」のことなのです。

そのため、「業火に焼かれる」は過去に悪い行い(他者を傷つけたり苦しめたりする悪業・悪行)をした人が、その悪事に相応しい報いを受けて激しく苦しむことを意味しています。

業火の向日葵(名探偵コナンの映画)

業火を使った言葉に「業火の向日葵(ごうかのひまわり)」がありますが、これは「名探偵コナン 業火の向日葵(2015年4月18日公開)」というアニメ映画のタイトルです。

劇場版「名探偵コナンシリーズの19作目」に当たる作品で、画家ファンセント・ゴッホの名作「ひまわり」のシリーズが怪盗キッドに盗まれてそれを取り返すというストーリーですが、タイトルにある「業火の向日葵」は、戦争時代に戦火(人を焼く戦争の業火)に焼かれそうになりながらも焼け残った「ゴッホのひまわり」(それにまつわる老婦人の悲しい思い出・罪の意識)のことを意味しているのです。

「業火」の対義語

「業火」の対義語

業火の対義語は、「善業善果(ぜんごうぜんか)」「果報(かほう)」になります。

「善業善果」の意味は、他人を助けたり社会に貢献したりする善なる行為(良い行い)をした者には、後で必ず良い結果が返ってくるということです。

過去の悪業に対して苦しみの報いがあるとする業火の対義語になっています。

業火の類義語としては、善業善果の対義語になる「悪業悪果」があります。

「果報」の意味は、前世の行為(業・カルマ)の結果として現世で受けることいなる報いのことです。

「果報は寝て待て」の慣用句の意味は、「幸運が来るかどうかは前世からの運だから、焦らずその時機が来るまで待つのが良い」になります。

icon まとめ

「業火(ごうか)」という言葉の意味・類語・対義語・例文について徹底的に解説しましたが、いかがだったでしょうか? 業火の意味は、「過去の悪業・悪行の報いを受けて、地獄の業火に焼かれるように苦しむ」という意味になります。

業火の類語・言い換えには、「業苦・煩悩・罪業」などがあります。

「業火」について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。