「気概」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
気概ということば、よく聞きますが、実際どういう意味か、説明できますか?ここでは気概の意味や使い方について紹介していきます。
目次
- 「気概」の意味とは?
- 「気概」の類語や言い換え
- 「気概」の使い方
- 「気概」を使った例文
- 「気概」を使ったことば
「気概」の意味とは?
気合と似た雰囲気を持つ気概、まずは具体的な意味から見ていきましょう。
気概とは、困難にくじけない強い意気のことを言います。
気合のほうはというと、気が合うことや、気持ち、心持ちのことを言います。
気合を入れる、などというのは、気持ちを強く持つこと、となりますが、気合そのものと気概とではすこしニュアンスが変わってきますね。
- 「気概」の読み方
「気概」の読み方
つぎに読みですが、これは「きがい」となります。
概の字はあまり馴染みがないかもしれませんが、大概にしろ、などと言うときはこの字を使います。
概要もこの字ですね。
おおむね、という読みもあります。
「気概」で使うときの意味としては、表面に現れた風格や気迫、という意味が込められた字になります。
力強い心意気を表すことばですね。
「気概」の類語や言い換え
意味を説明されてもなんとなくわかったような、わからないような感じがする方もいるのではないでしょうか。
日本語は、すこしずつ異なるもののよく似た意味を示すことばがたくさんあります。
類語や言い換えのことばを知ることで、もともと知りたかったことばの意味が理解できる、ということも多々ありますね。
ここでは「気概」の類語を三つ例に挙げて見ていきます。
- 「やる気」【やるき】
- 「気骨」【きこつ】
- 「そのほか」【そのほか】
「やる気」【やるき】
こう言われればピンと来る!という方は多いでしょう。
今一度、やる気の意味を説明しますと、物事を積極的に進めていこうとする目的意識のことを言います。
気概がある、というのをやる気がある、と言い換えるとわかりやすいですね。
ここで注目したいのは、やる気というのは瞬発的なイメージが持たれやすいですね。
なにか物事をはじめるときに、やる気が出てきた、なんて言うのがいい例です。
気概がある、というと、スタートさせた物事がうまくいかなかったとき、それでもやり遂げるのだ、という屈強な意志を伴うものになります。
「気骨」【きこつ】
これは広辞苑でも、完全に言い換えの聞くことばになります。
気骨の意味を引くと、
- 自分の信念に忠実で容易に人の意に屈しない意気。
- 気概
とあります。
また同じ字を使ったことばで、「気骨(きぼね)が折れる」というものがあり、こちらは、気苦労が多くて心が疲れることを意味しています。
意気込みが強ければ強いほど、折れたときのやるせない疲れはひとしおなのでしょう。
「そのほか」【そのほか】
ほかに意気地(いきじ)なども似たような意味を示すことばになります。
また、安易に屈することがない、という点から見ると、「不屈の精神」とも言い換えることができそうです。
古くから日本人にはこういった、困難にくじけずやり通す精神、が好まれてきたので、それにかかることばは大変数多くあります。
自分の意志や気持ちを表すのにぴったりなことばが探し出せると素敵です。
「気概」の使い方
気概はその人の心の持ちよう、心のありかたを示すことばになります。
なので、基本的には、気概があるか、ないか、どれくらいあるのか、どれくらいないのか、それらをどう表現するか、という使い方が適切でしょう。
以下に例文と、気概を使ったことばの例を挙げますので、気概の輪郭を掴んでいただけるかと思います。
「気概」を使った例文
それではさきに、気概を使った例文から見ていきましょう。
ある場合、ない場合、とてもある場合、というふうに、気概がその人のどういう心の状態を示しているか、確認できるかと思います。
- 「気概」の例文1
- 「気概」の例文2
- 「気概」の 例文3
「気概」の例文1
「木村くんはふだんおとなしいが、ひとたび話してみると、国立の大学に受かろうという気概のある人だとわかった」
このように、その人が人生において、なにに重きをおいているのかがわかります。
勉強にしろ運動にしろ芸術にしろ、なんでもいいのですが、これは貫きたい、という意志を感じさせます。
「気概」の例文2
「チャンスだと思わないわけではなかったが、当時のわたしには会社を辞めてまでトランペットをやっていくだけの気概はなかった」
夢があったとしても、それを叶えるためにはいくつもの壁、困難や課題が立ちはだかることがほとんどです。
そのどれもをクリアしなければ夢にはたどり着きません。
しかし、人は夢だけに生きているわけではありません。
現実の生活が安定していればいるほど、浮わついたものを望むのが怖くなっていきます。
そんなとき、どれだけいい話が舞い込んでも、今の生活を捨てる決断をするというのはむずかしいです。
そんなときには気概がない、という形で使うことができます。
夢を叶えることも、今を着実に歩んでいくことも、どちらも同等に素晴らしいことです。
「気概」の 例文3
「安藤さんは、ゼミのなかで唯一、「本気で作家になりたい」という気概に溢れている」
気概に溢れる、ということばには、その人の意志や志しの強さがはっきりと伝わるものがあります。
それは周囲の人に、この人にはかなわない、と思わせるほどの押しの強さを感じさせるかもしれません。
その人の本気度を示すものです。
「気概」を使ったことば
では、気概を使ったことばを見ていきます。
ここまでで出てきたことばもありますが、おさらいのつもりで見ていきましょう。
- 「気概がある」
- 「気概を持つ」
- 「気概に富む」
- 「気概を感じる」
「気概がある」
これは例文1に出てきました。
気概がある、というのは、その人が困難に立ち向かっていくだけの、強い精神力を持っている、ということを示します。
父親が自分の彼氏について、「彼はなかなか気概があるな」などと言ったなら、それはかなり好感触だと言えます。
どんな事態にも屈さず、その人なりに貫くというのは、精神力の強さの表れと言えるでしょう。
「気概を持つ」
すでにある人はいいのですが、気概のない人が、気概を持つようになるというのは、それ自体が大変な困難を伴うことでしょう。
そもそも、気概を持ちたい!と思って持てるものでもないかもしれません。
関心のあるさまざまなことに挑戦し、失敗したり成功したりするうちに身につくものかもしれませんね。
「彼は成功体験に乏しいと自嘲していて、自信がないらしい。もうすこし気概を持って、取り組むことができればいいのだけど……」というように、気概がある場合にもない場合にも、気概を持つ、ということばは使うことができそうですね。
「気概に富む」
これは上述の「気概に溢れる」にかなり近い表現でしょう。
「近頃は気概に富む若者がなかなか見つからないものだ」などと、年配の方がため息をつく。
そんなシーンに使われていそうです。
その反面、若くして成功する「気概に富んだ」人々も少なからずいるようですから、まだまだ日本語として使われていきそうな表現です。
「気概を感じる」
気概とは目に見えるものではないので、感じるということもできます。
「試験場に向かう学生たちには、志望校に受かるぞ、という気概を感じる」こんなふうに使うことができますね。
また、「彼は口先では謝っているが、汚れた名誉を挽回したいというような気概は感じられない」と、感じることができない場合にも使うことができます。
いかがでしたか。
気概とは、気合とはちがい、困難に立ち向かっていく強い意気のことをいうのだとわかりましたね。
気概がある、気概を感じるなど、使いやすいことばから使ってみましょう。
声に出し、会話に織り交ぜることで、だんだんとその場にあった日本語を適切に使うことができるようになっていきますよ。